世界のためなら何度でも

つぼっち

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第六章、追憶の殺戮兵器

D-32 新型対生物自立思考大量殲滅兵器Χ

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「カイ?」



「それを話す前にまずはシャングリラの中身はとても広い空洞のようなものになっていてね。まぁせっかくだし軍事基地にしよっかなって改造したのがこのラボなんだよ。」



「か、改造って。お前ら友達じゃないのかよ。」



「いやいやこの軍事施設で作られる特殊化学廃棄物を栄養にシャングリラは育ってるからWin-Winの関係なんだよ。話を戻すけどこのシャングリラの中では兵器を多く作ってるんだ。その中に『自立思考人型破壊兵器』ってのがあってね、その一つがカイなんだ。」



ディアスはホワイトボードに絵を描いていく。



「左から順番に『攻撃特化量産人型破壊兵器』αアルファシリーズ、『援護射撃用量産人型破壊兵器』βベータシリーズ。『量産型リモート自爆特攻球体兵器』γガンマシリーズ。そして『新型対生物自立思考大量殲滅兵器Χカイ。αβγは量産できるけどカイだけは複製できなかった。そして私にも制御が出来ず、現在暴走中ってわけだ。」



「そんな奴をどうするんだよ。」



「捕まえてきて欲しい。」



「ふざけんな。」



「人を生き返らせたいんだろぉ?だったらこのくらいの見返りがあってもいいんじゃぁないかな?」



にやにやとこちらを見てくるディアスに軽く殺意を覚える。



「生捕りじゃないとダメ?」



「ダメ、あいつは今ちょうど反抗期を迎えている自分の子供のようなもんだ。絶対生きて持ってきてくれ。」



「…………。」



無茶振りだ。



でもかけがえのない仲間のためなら…………。



「やるよ。」



「よしその意気だ。対機械捕獲装置を何個か貸してやろう。」



こうして俺は暴走した機械、カイの捕獲に向かった。

























ガションガション。



鉄が地面にぶつかる音がする。



機械の体の関節はメンテナンス不足でギリギリと軋み、体の至る所からオイルがたれている。



新型対生物自立思考大量殲滅兵器Χカイ。



それが私の名だ。



今は自分の意思が効かず、どこへいくのかも分からぬままただひたすらに歩いている。



博士、いや誰でもいい。





「私ヲ壊シテクレ……。」
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