世界のためなら何度でも

つぼっち

文字の大きさ
上 下
217 / 286
第五章、【灰色の知恵】と【黒の理解】ラジエル&ザフキエル

D-27 体力不足

しおりを挟む
「ぜはぁぁぁぃぁぜはぁぁぁぃぃげほぉっっ!!」



無理だった。



体力の効率を減らしたところで元々の体力が少ないのに殴る蹴るなんてできるわけがない。



天之川は止まった時間の中で息を切らしていた。



体力は当然回復しないので極限まで疲れ切っている状態でジョギングしているような感覚だ。



「か、解除。」



掠れた声でそういうと止まった時間が元に戻る。



「ぬっ!!」



天之川の少量の格闘で少しのけぞるラジエル。



しかしそんな物微量のダメージにもならない。



「あ、天之川くん大丈夫ですか?」



「クウキオイシイ。」



天之川はとても幸せそうに空気を肺に取り込んでいる。





天之川は一時戦闘不能。



「私エクストラスキルないんですけどぉぉぉぉぉ!!!!」



「死ね。」



ラジエルが剣を振り下ろす。



「あ、」



アレイスターは手を剣に突き出す。



そして剣が腕に触れた瞬間、





バリィィィィィン!!!!





剣が元のコインに戻ったのだ。



「そういえばエクストラスキルなくても魔術があるじゃないですか。」



聖夜に無能無能と言われていたがアレイスターはとても強い魔術の使い手。



アレイスターの本来のエクストラスキル、【失楽園パラダイスロスト】は次元を跨ぐ力。



その力の応用で発砲音や弾道をなくした銃の射撃や正確なテレポートが使えた。



しかし言ってしまえば先頭においてはただそれだけの力なのだ。



「………スキルが打ち消された?」



「魔術を壊す反魔術アンチマジックの応用、反技術アンチスキルがまさか効くなんてわたしもびっくりですよ。」



その煽りのような言葉で冷静さを失うラジエル。



「ほ、ほう。このわたしが人間のような下等生物に挑発されるとは心外だ。」



「ラジエル、冷静になれ!!」



ザフキエルに諭されるが冷静さを失っているラジエル。



「殺す!!」



「待てラジエル!!」



本能のままに財布から大金を取り出し、それを大量の槍に変える。



そしてそのまま一気にアレイスターに向かって投げた。



と、同時に時間停止発動。



天之川はアレイスターを槍の当たらない場所へ移動させた。



「ありがとうございます!!」



「ダイジョボロロロロロロロロロロロロ。」



天之川は激しく嘔吐する。



「こい、ホワイトフェザー!!」



アレイスターがそういうと手元に白い銃が出現した。



「『弾道オプション追加・蛇』。」



そういうと銃は青白い光を帯びる。



そしてそのままトリガーを引いた。



ババン!!



二発の玉が間髪入れず発射される。



すると弾は蛇のようにうねうねと動き、着弾点が定まらないままラジエルに飛んでいく。



そして槍に金を使い果たしたラジエルに二発とも着弾した。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

領主の妻になりました

青波鳩子
恋愛
「私が君を愛することは無い」 司祭しかいない小さな教会で、夫になったばかりのクライブにフォスティーヌはそう告げられた。 =============================================== オルティス王の側室を母に持つ第三王子クライブと、バーネット侯爵家フォスティーヌは婚約していた。 挙式を半年後に控えたある日、王宮にて事件が勃発した。 クライブの異母兄である王太子ジェイラスが、国王陛下とクライブの実母である側室を暗殺。 新たに王の座に就いたジェイラスは、異母弟である第二王子マーヴィンを公金横領の疑いで捕縛、第三王子クライブにオールブライト辺境領を治める沙汰を下した。 マーヴィンの婚約者だったブリジットは共犯の疑いがあったが確たる証拠が見つからない。 ブリジットが王都にいてはマーヴィンの子飼いと接触、画策の恐れから、ジェイラスはクライブにオールブライト領でブリジットの隔離監視を命じる。 捜査中に大怪我を負い、生涯歩けなくなったブリジットをクライブは密かに想っていた。 長兄からの「ブリジットの隔離監視」を都合よく解釈したクライブは、オールブライト辺境伯の館のうち豪華な別邸でブリジットを囲った。 新王である長兄の命令に逆らえずフォスティーヌと結婚したクライブは、本邸にフォスティーヌを置き、自分はブリジットと別邸で暮らした。 フォスティーヌに「別邸には近づくことを許可しない」と告げて。 フォスティーヌは「お飾りの領主の妻」としてオールブライトで生きていく。 ブリジットの大きな嘘をクライブが知り、そこからクライブとフォスティーヌの関係性が変わり始める。 ======================================== *荒唐無稽の世界観の中、ふんわりと書いていますのでふんわりとお読みください *約10万字で最終話を含めて全29話です *他のサイトでも公開します *10月16日より、1日2話ずつ、7時と19時にアップします *誤字、脱字、衍字、誤用、素早く脳内変換してお読みいただけるとありがたいです

義理姉がかわいそうと言われましても、私には関係の無い事です

渡辺 佐倉
恋愛
マーガレットは政略で伯爵家に嫁いだ。 愛の無い結婚であったがお互いに尊重し合って結婚生活をおくっていければいいと思っていたが、伯爵である夫はことあるごとに、離婚して実家である伯爵家に帰ってきているマーガレットにとっての義姉達を優先ばかりする。 そんな生活に耐えかねたマーガレットは… 結末は見方によって色々系だと思います。 なろうにも同じものを掲載しています。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方

ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。 注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。

【12/29にて公開終了】愛するつもりなぞないんでしょうから

真朱
恋愛
この国の姫は公爵令息と婚約していたが、隣国との和睦のため、一転して隣国の王子の許へ嫁ぐことになった。余計ないざこざを防ぐべく、姫の元婚約者の公爵令息は王命でさくっと婚姻させられることになり、その相手として白羽の矢が立ったのは辺境伯家の二女・ディアナだった。「可憐な姫の後が、脳筋な辺境伯んとこの娘って、公爵令息かわいそうに…。これはあれでしょ?『お前を愛するつもりはない!』ってやつでしょ?」  期待も遠慮も捨ててる新妻ディアナと、好青年の仮面をひっ剥がされていく旦那様ラキルスの、『明日はどっちだ』な夫婦のお話。    ※なんちゃって異世界です。なんでもあり、ご都合主義をご容赦ください。  ※新婚夫婦のお話ですが色っぽさゼロです。Rは物騒な方です。  ※ざまあのお話ではありません。軽い読み物とご理解いただけると幸いです。 ※コミカライズにより12/29にて公開を終了させていただきます。

番だからと攫っておいて、番だと認めないと言われても。

七辻ゆゆ
ファンタジー
特に同情できないので、ルナは手段を選ばず帰国をめざすことにした。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました

悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。 クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。 婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。 そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。 そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯ 王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。 シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯

処理中です...