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第三章、【白の王冠】メタトロン
D-18 第一ノ天命・ケテル
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体が硬直した。
まるで手術で全身麻酔を打った時のように。
そして手が勝手に剣の方へと伸びて行く。
そして剣を取り、俺の首元へ剣を持ってきてしまう。
「こなくそぉ!!」
あともう少しで首が切れるところで俺の体に意思が灯った。
なんだこれは。
まるで自殺でもするかの如く手が動いてしまった。
「ふむ、貴様エクストラスキルを持っているな。あまり複雑なのは効かないか。」
「お、俺に何をした……。」
「これは私が授かった王冠によって得たエクストラスキル、【第一ノ天命・ケテル】。私が下した命令を相手は必ず推敲するという力だ。しかし複雑だったり厳しい内容は力量差で発動できなくなるという欠点があるがな。」
なるほど、エクストラスキルは使えないだけで器としては残っているってことか。
でも俺が今使えるのは時間を少しだけ戻すことのできる【時間逆行】と魔術のみ。
剣は魔剣だが空っぽなので全く使えない。
「じゃあこんなのはどうだ、『目を閉じろ』!!」
パチッ
「め、目が勝手に閉じた!?」
全く見えない。
見えるのは微かな光だけ。
隔離結界のせいで外の声も聞こえない。
絶体絶命だ。
コツ、コツ。
足音が俺の周りをぐるぐると回っている。
無闇に魔術を撃てば隙ができてそこを突かれる。
かと言ってこのまま何もしない状態だと殺されるのは時間の問題だろう。
ぶおっ
風。
顔のあたりに当たった。
その瞬間反射神経の限りを使って横に避ける。
パサリと俺の髪が少し地面に落ちる音がする。
おそらく剣が髪をかすめたのだろう。
「時よ戻れ。」
ギュルギュルと俺の時間だけが戻って行く。
そして本来顔に刺さっていた場所の手前まで戻ってきた。
先ほど見た剣の長さは一般的なロングソード並み。
つまり今目の前にあいつはいる。
「至近距離で爆ぜやがれ。」
膨大なエネルギーを圧縮した球をメタトロンの体の中にめり込ませる。
そして俺の制御下から離れたエネルギーは急激に膨張し、
大爆発を起こし体を爆裂四散させた。
というのが理想だったのだが、
爆発は生物に被弾した反応を起こさなかった。
つまりメタトロンに被弾していない。
外してしまった。
「当たったのは私の剣だ。」
メタトロンは爆発を撃たれる直前に剣を身代わりに避けていたのだ。
「死ね。」
風が首元に当たる。
あ、死んだ。
まるで手術で全身麻酔を打った時のように。
そして手が勝手に剣の方へと伸びて行く。
そして剣を取り、俺の首元へ剣を持ってきてしまう。
「こなくそぉ!!」
あともう少しで首が切れるところで俺の体に意思が灯った。
なんだこれは。
まるで自殺でもするかの如く手が動いてしまった。
「ふむ、貴様エクストラスキルを持っているな。あまり複雑なのは効かないか。」
「お、俺に何をした……。」
「これは私が授かった王冠によって得たエクストラスキル、【第一ノ天命・ケテル】。私が下した命令を相手は必ず推敲するという力だ。しかし複雑だったり厳しい内容は力量差で発動できなくなるという欠点があるがな。」
なるほど、エクストラスキルは使えないだけで器としては残っているってことか。
でも俺が今使えるのは時間を少しだけ戻すことのできる【時間逆行】と魔術のみ。
剣は魔剣だが空っぽなので全く使えない。
「じゃあこんなのはどうだ、『目を閉じろ』!!」
パチッ
「め、目が勝手に閉じた!?」
全く見えない。
見えるのは微かな光だけ。
隔離結界のせいで外の声も聞こえない。
絶体絶命だ。
コツ、コツ。
足音が俺の周りをぐるぐると回っている。
無闇に魔術を撃てば隙ができてそこを突かれる。
かと言ってこのまま何もしない状態だと殺されるのは時間の問題だろう。
ぶおっ
風。
顔のあたりに当たった。
その瞬間反射神経の限りを使って横に避ける。
パサリと俺の髪が少し地面に落ちる音がする。
おそらく剣が髪をかすめたのだろう。
「時よ戻れ。」
ギュルギュルと俺の時間だけが戻って行く。
そして本来顔に刺さっていた場所の手前まで戻ってきた。
先ほど見た剣の長さは一般的なロングソード並み。
つまり今目の前にあいつはいる。
「至近距離で爆ぜやがれ。」
膨大なエネルギーを圧縮した球をメタトロンの体の中にめり込ませる。
そして俺の制御下から離れたエネルギーは急激に膨張し、
大爆発を起こし体を爆裂四散させた。
というのが理想だったのだが、
爆発は生物に被弾した反応を起こさなかった。
つまりメタトロンに被弾していない。
外してしまった。
「当たったのは私の剣だ。」
メタトロンは爆発を撃たれる直前に剣を身代わりに避けていたのだ。
「死ね。」
風が首元に当たる。
あ、死んだ。
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