世界のためなら何度でも

つぼっち

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第二章、災をもたらす神々

D-11 災をもたらす神々

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ヌッと後ろに現れた『それら』は静かな殺気を放っている。

それに気づいた聖夜達はパッと後ろを振り向く。

「……、こいつら強そうだな。」

それらは人の形をしていなかった。

一体は赤いボロボロの布切れに身を纏った身長2m弱の骸骨。

もう一体はドロドロとガラス製のビーカーの中で絶えず流れるように動めく液体。

もう一体は霧の様に存在が薄く、認識すら危うい概念的存在。

明らかな場違い感がその場を支配した。

例えばRPGのチュートリアルにラスボスが出てくるようだ。

「〇〇、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇。」

「…………、………………。」

「ーーーーーーーーーーーーーー。」

鳴き声、いや言語というべきか。

人間の喉からは到底でなさそうな発音が飛び交う。

風格が違う。

以前四代目神王と対面した時よりもピリピリと肌に刺さるような空気だ。

天之川は隣でガクガクと震えている。

「さ、災害神だ……。」

これが災害神。

風格が違いすぎる。

相手はボソボソと何かを言った後、武器……と形容するにはあまりにも独特な形をしたものを構えた。

「な、なんだあれ?」

「あれは『神器』、神の力によってのみ作られる武器だよ。」

天之川は一歩下がる。

「………………。」

スーーっと赤い骸骨が俺の後ろに現れた。

うねった鎌のような神器が俺に振り下ろされる。

「受け切れない、避けろ!!」

パッと横に避けようとするが早すぎる。

俺の右手はスパッとまるで豆腐に業物の包丁で切れるように吹き飛ばされた。

断面が綺麗に見える。

「おぐぉ、いてぇぇ!!!」

後少しずれていたら間違いなく死んでいた。

すると他の二体も天之川とアレイスターに近づく。

「この状況戦闘はさけられない。隙を見て逃げるぞ!!!!」

「まぁそんな隙が有ればですけどね。」

「死なないように頑張ってね!!」

俺たちもそれぞれ武器を構える。

この世で最強の生物との戦いが始まってしまった。
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