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第十章、二人の葛藤
#167 決戦【剣帝】のミルドVS【絶望】のリン
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二人は膠着状態だった。
ミルドは相手の出方を探っている。
(あのわけのわからない触手、迂闊に攻撃できないな……。)
一方のリンも、
(あの雲、綿菓子に似てるわね。今度二人と食べに行こうかしら。)
全然別のことを考えていた。
リンはあの処刑以来一度も勝負に負けたことがない。
これが強者の余裕、いや傲慢なのだろう。
「そろそろ立ってるの疲れてきたし攻撃しちゃお。」
「!?」
触手が勢いよくミルドの方に飛んでくる。
ミルドはそれを剣で弾くが、
ギャリギャリギャリギャリ!!!!
「……剣が刃こぼれする!!」
触手は目に見えないほどの速さで回転していてなおかつドリルのように刃が螺旋状なのだ。
剣にとって切れ味は命。
刃こぼれなどしては剣の重さが変わり、うまく扱えなくなる。
だが、
「そんなもの、私の【剣帝術】にはそんなもの関係ない!!」
ミルドのエキストラスキル、【神剣エクスカリバー】には神剣を生み出す能力の他にもう一つ、【剣帝術】と呼ばれる技術を習得するという能力が備わっていたのだ。
剣帝術とはその名の通り剣帝の剣術。
繊細に、かつ豪快に敵を切り裂く剣の帝王にふさわしい技術だ。
剣の重さが少し変わった程度でミルドの剣は衰えない。
バキン!!!!
「きゃっ!!」
神剣が触手をバキリと折った。
義手から伸びているということもあり神経が共有されているのだろう。
リンは手を抑えている。
「痛いじゃない!!」
「今更もう容赦せん。」
ミルドは次々に触手に斬りかかる。
剣は弾かれ、削られてすり減っていくがなおも攻撃の手は止まらない。
ガンガンガンガキン!!!!
何回か弾かれた後、触手は先ほどのようにバキンと折れた。
「いける!!」
次々と触手を折っていく。
リンにも焦りが見られてきた。
順調に順調に触手を破壊するミルド。
モンハンだったら追加報酬たんまりだろう。
しかしそれに調子付いていたからか地面の中を何かが進む音が聞こえていなかった。
ミルドは最後の九本目の触手を折る。
「ぁぁぁっ!!」
手を抑えて苦しむリン。
ズズズズズズ
ミルドはリンに剣を突きつける。
ズズズズズズ
「では少し眠ってもらいましょうか。」
ズズズズズズ
神剣が怪しい光を放つ。
そして一気にトドメを、
ドスっ!!!!!!
地面から触手が伸びていた。
伸びた先には骨の中にある核が。
核はパキンと音を立てて割れた。
ミルドは相手の出方を探っている。
(あのわけのわからない触手、迂闊に攻撃できないな……。)
一方のリンも、
(あの雲、綿菓子に似てるわね。今度二人と食べに行こうかしら。)
全然別のことを考えていた。
リンはあの処刑以来一度も勝負に負けたことがない。
これが強者の余裕、いや傲慢なのだろう。
「そろそろ立ってるの疲れてきたし攻撃しちゃお。」
「!?」
触手が勢いよくミルドの方に飛んでくる。
ミルドはそれを剣で弾くが、
ギャリギャリギャリギャリ!!!!
「……剣が刃こぼれする!!」
触手は目に見えないほどの速さで回転していてなおかつドリルのように刃が螺旋状なのだ。
剣にとって切れ味は命。
刃こぼれなどしては剣の重さが変わり、うまく扱えなくなる。
だが、
「そんなもの、私の【剣帝術】にはそんなもの関係ない!!」
ミルドのエキストラスキル、【神剣エクスカリバー】には神剣を生み出す能力の他にもう一つ、【剣帝術】と呼ばれる技術を習得するという能力が備わっていたのだ。
剣帝術とはその名の通り剣帝の剣術。
繊細に、かつ豪快に敵を切り裂く剣の帝王にふさわしい技術だ。
剣の重さが少し変わった程度でミルドの剣は衰えない。
バキン!!!!
「きゃっ!!」
神剣が触手をバキリと折った。
義手から伸びているということもあり神経が共有されているのだろう。
リンは手を抑えている。
「痛いじゃない!!」
「今更もう容赦せん。」
ミルドは次々に触手に斬りかかる。
剣は弾かれ、削られてすり減っていくがなおも攻撃の手は止まらない。
ガンガンガンガキン!!!!
何回か弾かれた後、触手は先ほどのようにバキンと折れた。
「いける!!」
次々と触手を折っていく。
リンにも焦りが見られてきた。
順調に順調に触手を破壊するミルド。
モンハンだったら追加報酬たんまりだろう。
しかしそれに調子付いていたからか地面の中を何かが進む音が聞こえていなかった。
ミルドは最後の九本目の触手を折る。
「ぁぁぁっ!!」
手を抑えて苦しむリン。
ズズズズズズ
ミルドはリンに剣を突きつける。
ズズズズズズ
「では少し眠ってもらいましょうか。」
ズズズズズズ
神剣が怪しい光を放つ。
そして一気にトドメを、
ドスっ!!!!!!
地面から触手が伸びていた。
伸びた先には骨の中にある核が。
核はパキンと音を立てて割れた。
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