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つぼっち

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第七章、最凶最悪の魔王

#154 地獄の王と友の約束

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「な、何する気だ。」

「目には目を、歯には歯を、悪魔には悪魔を!!」

俺の背中から完全なる姿となったベルゼブブを背中辺りから出す。

「裁くのは、俺のス◯ンドだ!!」

「それもうアウトだろ!!」

俺とベルゼブブは容赦なく拳を叩き込みまくる。

「『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ、オラァァァァァァァ!!!!!!!!』」

「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

ボコボコに殴られたハジメは力に耐えきれずぶっ飛んでいく。

そのまま地面に体を叩きつけられ動かなくなった。

「ふぅ、やれやれだぜ。」

『荒木先生に怒られるぞ。』

「あんな大先生が俺の小説見るわけないだろ。」







「あ、あがっ……。」

吹き飛ばされたハジメはボロボロで地面に横たわっている。

「なんだよこの終わり方……死ぬならもっとかっこよく死にたかったぜ。」

『ハジメ……。』

サタンは静かにハジメを見ている。

「なんだそんな顔して……、俺に…………情でもうつったか?」

『そうかもしれないな。吾輩は今初めて悲しいと思っている。』

「……そうか。」

ハジメはサタンの方をチラリと見る。

「サタン、俺の残りの寿命を全部やる。かわりにもう一つ契約を、願いを叶えてくれ。」

『なんだ?』

「幸せに生きてくれ。お前は化け物なんかじゃない。心がある優しいやつだ。」

『…………。』

「なんだ?地獄の王が契約者の願いを拒むのか?」

『吾輩にそんなことを言えるのはお前だけだな。』

サタンは微かに笑い、ハジメの心臓に手を当てる。

『ありがとうハジメ。我が友よ。』

寿命が全てなくなったハジメは静かに息を引き取った。



そこへ聖夜たちがやってくる。

「ハジメ……。」

『……最初は吾輩とハジメはお前を殺すためだけのコンビだった。』

サタンはハジメとの思い出を語り出す。

『変に野望に忠実で目的のためなら手段も選ばないやつだったが吾輩のことを気遣ってくれた。地獄の王と恐れられ化け物と罵られた吾輩をだ。』

サタンは魔術で小さな穴を掘り、そこにハジメを埋めて石碑をたてる。

『我が友のライバルよ。あいつは貴様のことを拒絶していたが貴様はどう思っていたのだ。』

そんなこと決まってる。

「俺とあいつはずっと友達だ。あいつに拒絶されようともな。」

『そうか。』

サタンは翼を使って空へ飛び上がる。

『私は友との約束を守るため、天界に向かう。友のライバルよ、我が息子たちを頼んだぞ。』

そう言って天高く飛び立っていった。

その後姿には優しさと温もりが溢れ出ていた。
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