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第五章、《病魔》Dr.ペスト

#138 瞬殺

483階汚染物質研究室


「くさいですね。」

汚染物質研究室とだけあって色のついた煙やカビなどが沢山充満している。

「ふっふっふっふっふ。」

研究室の奥から男が歩いてきた。

男は全身黒いローブに身を包み顔にはペスト医師のマスクをつけ、大きな鎌を担いでいる。

「やぁ。」

男は俗に言う萌え袖をフリフリしてゼロを出迎える。

「僕はこの研究室を任されているアーナム＝ウィスター。気軽にDr.ペストって呼んでね。」

「はぁ。」

これから勝負というのにどうも気の抜ける会話だ。

「さて、やろうか。」

ペストは鎌を大きく振りかぶり地面に突き立てる。

すると近くの机に置いてあった菌やカビなどが舞う。

するとその舞った菌やらが急に増殖しゼロにまとわりつく。

「僕の独自魔術、『病魔術』。病原菌の改良や増殖が可能になる魔術さ。今君の周りに皮傷病って言う病気の病原菌をばら撒いた。自分の皮膚がベロンベロンにただれる姿を目に焼き付けながら死ね！！」

ペストが興奮気味にそういうが、

「あの、私ゴーレムなので病気かかりませんよ？」



説明しよう！！

ゴーレムは人間のように酸素によって血液から栄養を巡らすのではなく、そもそもほぼ魔力のみで生態活動を維持しているので呼吸器官はない。

よって病気に感染しないのだ！！

もちろんゴーレム専門の研究家ですらあまり知られていないこの身体機構を天之川もペストも知る由もなく、



「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ！！！！！！！！？？？？？？？？」

ペストは目を飛び出す勢いで驚いた。

そしてモニター室で戦いの様を見ていた天之川も同様に驚いていた。

実はペスト、病魔術しか極めていなく、ほかの魔術は一般魔術師の2倍程度しかない。

速度も魔術抵抗力もあるゼロを相手に勝てるわけがなく。

「エクストラスキル、【Power of Zero】。」

ゼロが零石を体内に吸収させ、金髪赤目の状態になる。

「このエクストラスキルは防御力を著しく低下させることで莫大な速度と攻撃力を生み出すスキル。得意魔術が使えない状態で勝てますか？」

「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！」




ものの数分後、ペストはゼロにボコボコにしばかれたのは言うまでもない。