世界のためなら何度でも

つぼっち

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第十章、希望

#117 起きてください

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「お前もきたのか。」

「いてもたってもいられなくなりましてね。」

「もうすぐ起きるとは限らないぞ?それこそまた100年帰ってこない可能性も。」

「そんな冗談いうとマスターが悲しみますよ。私の勘がもうすぐで起きると言っているんですよ。」

ゼロは椅子に腰掛け、ベッドで眠っているグラトニーの手を握る。

そしてもう片方の手をミルドが握る。

「私たちもマスターに使えて100年以上も経っていたのですね。」

「そのほとんど主人は天界にいたんだけどな。」

「あなたそんな喋り方でしたっけ?」

「そういうゼロも表情筋がよく動いてるではないか。」

二人は少し恥ずかしくなったのか黙り込む。

試練の影響が体外に漏れているような感じなのか?

「最初あなたを見たときはびっくりしましたよ。アンデッドのくせに聖剣使って聖属性の魔術使ったりしてて。」

「私もゼロを見たとき普通の人間かとおもったよ。まさかかの有名なグラン=ゼルトマン氏の最上位ゴーレムだったとは。」

「はじめて竜と戦ったときのこと覚えてる?」

「あぁ、あのときの共闘の思い出は今でも残っているよ。」

「そこからマスターがどんどん強くなって行って私たちの出番がなくなっていったよね。」

「主人が強くなるのはいいことだ。そのあとわけのわからない悪魔を連れてきたり、そしてしばらくして国が滅ぼされて主人死んでしまって。」

「そこから100年後にひょこっと帰ってきてくれて。」

「あの人は本当に不思議な人だ。」

「本当ですよ。」

二人は途端に目に涙を浮かべる。

「だから早く起きてくださいよ。二人より3人で喋った方が楽しいじゃないですか。」

グラトニーを握る手に二人の涙がこぼれる。

そして再び空間を静寂が満たした後、一人が声を出した。

「これ俺もう起きてもいい雰囲気?」

「「え」」

グラトニーがベットから起き上がりゼロとミルドに問いかけたのだ。

二人は呆然とグラトニーの方を見る。

「あ、これ起きちゃいけないタイミング?」

「あ、あのマスター。どれくらい前から起きてたんですか?」

「ゼロがここにたどり着いた直後かな。って痛い痛い!!二人とも握る力が強くなってます!!ちょギブギブ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」




神成聖夜起床。

両手損傷
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