世界のためなら何度でも

つぼっち

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第七章、真実

#100 真実

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神王

それはこの大いなる空間を統べる神。

大いなる空間で初めて誕生したもの。

世界を作り、大地や生物を作った万物の長。

神王は生まれてすぐに広大な宇宙に大いなる空間と呼ばれる神王が治める空間を作り、一つの世界を生み出しました。

そこは『理想郷』と呼ばれる神王のみが存在することが許される場所。

神王は理想郷を拠点とし、他の世界を3つほど作りましたがすぐに飽きてしまい、残りを自身が産んだ創造神と破壊神に他の世界を作らせました。

創造神が作りすぎたものを破壊神が壊し、破壊神が壊しすぎたものを創造神が作り出し、均衡を保っていました。

やがて世界には無数の世界が生まれ、そこに魂を宿した存在である『生物』が生まれました。

生物は創造神や破壊神が何も言わずとも世界を発展させようと独自の『生態系』と呼ばれるものを作っていきました。

世界が100を超えたあたりから神たちでも全ての世界を統治することが難しくなりました。

唯一それができる神王が何もしないので困った二柱は一つの世界を統治する世界神を生み出しました。

それにより大いなる空間の世界はより管理された世界へ変貌していきました。

ある時、神王は神たちに唐突に言い放ちました。

「俺神王やめる。」

神々は慌てふためきましたが神王はそういい放ち、理想郷に閉じこもってしまったためどうしようもありません。

神王から生み出された俗物である神たちではこの大いなる空間を統治することはできない。

そこに一人の人間が言いました。

その人間は初めて創造神によって生み出された『始まりの人間』。

その人間が言うには人間なら神の器に入るかも知れないと。

早速神々によって器に収まるかの選別が始まりました。

選別の方法は『始まりの人間』の血を継ぐ人間を世界中にばら撒き、成長させる。

そして成長させた人間を『試練の世界』と呼ばれる元いた世界よりも過酷な世界に移し、そこで一定の条件をクリアした者のみが神王となる。

クリア条件は直接世界神に会うことでしか知ることができない。

実際にこの方法で選ばれた『原初の一族』を二代目神王とし、それからもその方法が続いている。






「それでその『原初の一族』ってのが俺の家系ってわけか。」

「そう言うこと。神成家は代々天界で生み出されてそれぞれの世界へ送り込まれる。」

「だから俺施設育ちだったのか。ていうか名字も『神に成る』って書いてるもんな。

「それが俺たち神成の人間の末路ってわけだ。」

なるほどね。

だから女神は俺にわざとヘイトを向けさせて女神に会わせようとしたのか。

「でもなんで俺に神王になって欲しいんだ?」

「…………それは自分でたどり着け。」

ダークはニヤニヤしながら俺にそう言った。

「ちょ、教えろよ。」

「すべて終われば真実にたどり着くはずだ。まぁがんばれ。」

ダークが言った途端、俺は固有結界からはじき出されてしまった。
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