世界のためなら何度でも

つぼっち

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第五章、大海をも魅了する歌声

#87聖剣 エクスカリバー

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ミルドが俺の前に出て、ブレスを受け止めようとする。

普通に考えて聖剣二本程度で竜のブレスを受け止めるのは不可能だ。

そう思っていたが、

「私が主人から頂いたこの聖剣をもらった時に運命だと感じました。」

ミルドが後ろを向き、そう言った。

そういえばミルドって今代の剣聖の魂を元に作ったんだっけな。

そしてそのミルドが持っていた聖剣、そして元初代剣聖のアーサーの聖剣。

「運命、ね。」

俺はぐったりと横になりながらその様子を見ていた。

ミルドが持つ聖剣は二つが混ざり合い、一本の聖剣へと変わっていった。

「剣聖は初代剣聖の聖剣と自身の聖剣を融合させることで剣聖になれると聞いたがまさにそれが起こっているのか。」

もう5回くらい踏み潰されて死んだヨルムンがミルドを見て言う。

「聖剣エクスカリバー……。」

ミルドはそう呟き、剣を天に掲げる。

「私の名はミルド。我が主人グラトニーの剣であり、七代目剣聖オーギュストの魂を継ぎしアンデッドである!!!!!」

ミルドがそういうと聖剣はより一層光り輝く。

「剣聖の剣を喰らうがいい。」

ミルドはそう言ってコムジウルに近づいていく。

そして、


ギィィィィン!!!!


剣と甲羅がぶつかる音がする。

「さすが竜、聖剣でもそう易々と切れぬか。」

コムジウルは不機嫌そうにミルドを睨み、ブレスを吐く。

コムジウルのブレスがミルドにかかるとミルドは一瞬で凍り付いてしまった。

「ミルド!!!!」

「安心してください。」

ミルドは漫画のように氷を破壊し、俺がヒビを入れた場所に斬撃を叩きこむ。

「ミルド強いな。」

「もう君いらないんじゃないか?」

「うるせぇお前の替えの体全部壊すぞ。」

「ごめんなさい。」

ミルドはコムジウルの攻撃を避け、ヒビに攻撃を繰り返す。


ピキッ、ピキッ


甲羅のヒビはどんどんと拡大していく。

「なかなかしぶとい。」

ミルドは一旦コムジウルと距離をとる。

そして今度は上に飛んだ。

「この聖剣の力を見せてあげましょう。」

ミルドは空中で聖剣の刀身の根元に触れる。

そのまま手をゆっくりと先端までなぞるように動かす。

すると聖剣の刀身が真っ白な光に覆われた。

ミルドはそのまま思いっきりコムジウルのヒビ目掛けて聖剣を投げ下ろした。

竜はそのでかい体のせいか素早く動くことができない。

それ故にミルドの剣を避けることが出来なかった。

聖剣は速度を増して加速していく。

「『奥義、グランド・エクスカリバー』!!!!」

ミルドがそういうと聖剣から真っ白な光が放たれ、コムジウルに突き刺さる。

そしてそのまま聖剣本体がコムジウルの甲羅に刺さり、光がコムジウルの体を貫いた。
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