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第五章、大海をも魅了する歌声
#85 財政難を脱するためには?
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正義の暴走を止めて数ヶ月後
「なんでこんなことに……。」
「しっかりしてくださいマスター。前回の騒動の仕事が溜まりにたまってるんですからね。」
「う、嘘だろ!?」
俺の仕事机には一人では到底終わらない量の書類が置かれていた。
「大丈夫です我が主人。我々も一緒に手伝いますから。」
「ありがとうミルド~。」
「ではわたしは今から新しくできたスイーツ屋に行ってきます。」
「「おいふざけんな!!!!」」
今日もまた、城は賑わっていた。
「この貿易はキャンセルだ。」
「わかりました。貿易省に伝えておきます。」
「ミルド、この騎士団の増員計画の予算を少し上乗せする。騎士団長に伝えておいてくれ。」
「かしこまりました。」
「この案件は後回しに、えーっと…………ん?」
俺はある一つの資料に目が行った。
「コムジウル鉱石?」
「はい、その鉱石は非常に高価で今の財政難の解決にちょうどいいかと思いまして。」
「いくぞ。」
「え?」
「だから今から行くから支度しろって言ったんだ。さっさと行くぞ。」
「それはあまりにも急では?」
俺の頭の中はもうすでに金のことしか頭になかった。
「この辺りだな。」
「いや~、お前を連れてきて助かったよ。」
「お安い御用だぜ。俺はヒーロー、お前はダークヒーロー。この二人の共闘っていう展開は熱いからな!!」
俺が連れてきたのはミルドといつかのヨルムンとその取り巻きだ。
なんでも俺と戦う前にコムジウル鉱石をとっていたとのこと。
「てかさっき共闘って言ってたよな。もしかしてなにかと戦うのか?」
「知らないできたのか?全く、強さってのはは怖いもんだな。」
そう言ってヨルムンが指示を出すとその取り巻きが思いっきり海中の石をツルハシで叩いた。
すると地面が大きく揺らいだ。
「な、なんだ!?」
「ボサッとするな。ほら、そのあと海に爆弾を大量に落とすんだよ!!」
そう言ってヨルムンたちは急いで海中に爆弾を落とした。
その爆弾は水を跳ね除けて海底まで達して、爆発した。
「よし、戦闘態勢だ!!!」
「え!?何が始まんの!?鉱石取りに来ただけじゃないの!?」
「コムジウル鉱石ってのはとあるモンスターの背中にあるんだ!!!ほら、耳栓つけろ!!!!」
「み、耳栓?」
「くるぞ!!!」
海底から歌が聞こえた。
とても美しく、綺麗な歌が。
少しでも聞けば眠ってしまいそうな安らかな歌が海の中から徐々に近づいてくる。
俺は急いで耳栓をつける。
ザバァァァ!!!!!!!
海の中から出てきたのは巨大な亀のような『竜』であった。
「こいつが背中に鉱石を生やしている〈仙歌竜〉コムジウルだ!!!!」
2体目の竜がこちらをじっと見つめていた。
「なんでこんなことに……。」
「しっかりしてくださいマスター。前回の騒動の仕事が溜まりにたまってるんですからね。」
「う、嘘だろ!?」
俺の仕事机には一人では到底終わらない量の書類が置かれていた。
「大丈夫です我が主人。我々も一緒に手伝いますから。」
「ありがとうミルド~。」
「ではわたしは今から新しくできたスイーツ屋に行ってきます。」
「「おいふざけんな!!!!」」
今日もまた、城は賑わっていた。
「この貿易はキャンセルだ。」
「わかりました。貿易省に伝えておきます。」
「ミルド、この騎士団の増員計画の予算を少し上乗せする。騎士団長に伝えておいてくれ。」
「かしこまりました。」
「この案件は後回しに、えーっと…………ん?」
俺はある一つの資料に目が行った。
「コムジウル鉱石?」
「はい、その鉱石は非常に高価で今の財政難の解決にちょうどいいかと思いまして。」
「いくぞ。」
「え?」
「だから今から行くから支度しろって言ったんだ。さっさと行くぞ。」
「それはあまりにも急では?」
俺の頭の中はもうすでに金のことしか頭になかった。
「この辺りだな。」
「いや~、お前を連れてきて助かったよ。」
「お安い御用だぜ。俺はヒーロー、お前はダークヒーロー。この二人の共闘っていう展開は熱いからな!!」
俺が連れてきたのはミルドといつかのヨルムンとその取り巻きだ。
なんでも俺と戦う前にコムジウル鉱石をとっていたとのこと。
「てかさっき共闘って言ってたよな。もしかしてなにかと戦うのか?」
「知らないできたのか?全く、強さってのはは怖いもんだな。」
そう言ってヨルムンが指示を出すとその取り巻きが思いっきり海中の石をツルハシで叩いた。
すると地面が大きく揺らいだ。
「な、なんだ!?」
「ボサッとするな。ほら、そのあと海に爆弾を大量に落とすんだよ!!」
そう言ってヨルムンたちは急いで海中に爆弾を落とした。
その爆弾は水を跳ね除けて海底まで達して、爆発した。
「よし、戦闘態勢だ!!!」
「え!?何が始まんの!?鉱石取りに来ただけじゃないの!?」
「コムジウル鉱石ってのはとあるモンスターの背中にあるんだ!!!ほら、耳栓つけろ!!!!」
「み、耳栓?」
「くるぞ!!!」
海底から歌が聞こえた。
とても美しく、綺麗な歌が。
少しでも聞けば眠ってしまいそうな安らかな歌が海の中から徐々に近づいてくる。
俺は急いで耳栓をつける。
ザバァァァ!!!!!!!
海の中から出てきたのは巨大な亀のような『竜』であった。
「こいつが背中に鉱石を生やしている〈仙歌竜〉コムジウルだ!!!!」
2体目の竜がこちらをじっと見つめていた。
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