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【第二幕】第一章、この世界が嫌いだから
#65 カウントダウン
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俺は転移魔術で国に帰ってきた。
転移魔術は魔力を大量に消費する大魔術級の魔術だが俺はそれを容赦なく使い、ここに戻ってきた。
あの女神が言っていたことが気になったからだ。
もしあいつの言っていたことが本当なら……。
「ゼロ!!ミルド!!」
「おかえりなさいませマスター。それが今大変なことに。」
そう言ってゼロは『遠見の水晶』と呼ばれる遠いところを見ることができる水晶を見せてくる。
「まじかよ。」
そこに写っていたのは人間の軍隊。
しかも大量のだ。
「なんで……。」
「わかりません。ただこのままだと1週間でこの国に到着するかと。そしてあの軍隊の中には厄介な転生者もいるそうです。」
事態は俺が思っていたのより深刻だった。
「国民の避難を!!」
「国を見捨てるのですか!?」
「国は国王がいればまた建つ!!それよりも大勢の命の方が大切だ!!!!!」
「確かにそうですね。わかりました、避難を呼びかけます。しかしどこに避難すればいいのか。」
「それなら私の村があります。」
そう言って近づいてきたのは転生直後お世話になったクルシュ村の村長であった。
「しかし土地が足りないのでは?」
「大丈夫。魔獣の森を少し開拓して村にはまだまだ余裕があります。」
「わかった。国民全員に避難を呼びかけろ!!!」
俺は国の貴族たちにそれを伝え、対策を練る。
正直言って人間の軍勢は10万を超える。
勝ち目はゼロだ。
多分国民全員で戦っても全員敗北する。
ピンチだ。
人間の軍勢が来るまであと3日
国民の避難は俺が作った馬車のお陰でほとんど完了した。
残っているのは俺とゼロ&ミルド、そして勇気ある騎士団たちである。
騎士団にも避難を頼んだんだが自分たちは国を守ってこその騎士であると言うので残らせた。
「凄いことになってるねーグラトニーくん。」
襲撃まで残り少ないときにアレイスターがやってきた。
「どうした?わざわざ危ないところに。」
「いやー別に僕も戦おうってわけじゃないけどさ、一応これをあげるよ。」
そう言って高純度の魔力石をたくさん入れた袋を渡してくれた。
「それとこれ。」
アレイスターが最後に渡してきたのはお守りのようなものだ。
「なにこれ?」
「お守りだよ。君はお得意様だからね、死んでもらっては困るんだよ。」
「ありがとう。貰っとくよ。」
「ほんじゃあ僕は帰るよ。頑張ってね。」
そして、人間の軍勢が来るまで残り0日。
とうとう人間の軍勢が攻めてきた。
転移魔術は魔力を大量に消費する大魔術級の魔術だが俺はそれを容赦なく使い、ここに戻ってきた。
あの女神が言っていたことが気になったからだ。
もしあいつの言っていたことが本当なら……。
「ゼロ!!ミルド!!」
「おかえりなさいませマスター。それが今大変なことに。」
そう言ってゼロは『遠見の水晶』と呼ばれる遠いところを見ることができる水晶を見せてくる。
「まじかよ。」
そこに写っていたのは人間の軍隊。
しかも大量のだ。
「なんで……。」
「わかりません。ただこのままだと1週間でこの国に到着するかと。そしてあの軍隊の中には厄介な転生者もいるそうです。」
事態は俺が思っていたのより深刻だった。
「国民の避難を!!」
「国を見捨てるのですか!?」
「国は国王がいればまた建つ!!それよりも大勢の命の方が大切だ!!!!!」
「確かにそうですね。わかりました、避難を呼びかけます。しかしどこに避難すればいいのか。」
「それなら私の村があります。」
そう言って近づいてきたのは転生直後お世話になったクルシュ村の村長であった。
「しかし土地が足りないのでは?」
「大丈夫。魔獣の森を少し開拓して村にはまだまだ余裕があります。」
「わかった。国民全員に避難を呼びかけろ!!!」
俺は国の貴族たちにそれを伝え、対策を練る。
正直言って人間の軍勢は10万を超える。
勝ち目はゼロだ。
多分国民全員で戦っても全員敗北する。
ピンチだ。
人間の軍勢が来るまであと3日
国民の避難は俺が作った馬車のお陰でほとんど完了した。
残っているのは俺とゼロ&ミルド、そして勇気ある騎士団たちである。
騎士団にも避難を頼んだんだが自分たちは国を守ってこその騎士であると言うので残らせた。
「凄いことになってるねーグラトニーくん。」
襲撃まで残り少ないときにアレイスターがやってきた。
「どうした?わざわざ危ないところに。」
「いやー別に僕も戦おうってわけじゃないけどさ、一応これをあげるよ。」
そう言って高純度の魔力石をたくさん入れた袋を渡してくれた。
「それとこれ。」
アレイスターが最後に渡してきたのはお守りのようなものだ。
「なにこれ?」
「お守りだよ。君はお得意様だからね、死んでもらっては困るんだよ。」
「ありがとう。貰っとくよ。」
「ほんじゃあ僕は帰るよ。頑張ってね。」
そして、人間の軍勢が来るまで残り0日。
とうとう人間の軍勢が攻めてきた。
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