世界のためなら何度でも

つぼっち

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第七章、蒼い血の自警団

#39 白い粉の取引

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「理解できない、もう一回言ってくれ。」

「だから成功報酬は1000万ルピア。 前金で100万。もちろん受けるよね。」

「いや受けるけどさ、その莫大な報酬の額はなんだよ。」

「この『白い粉』の受け渡しをして欲しいんだ。禁制品だし報酬はそれくらい払うよ。」

白い粉って麻薬のことか?

俺は今、アレイスターから超危険な依頼を頼まれた。

それは自由をモットーに生きる宗教、自由教という団体から麻薬を受け取ってほしいという極めて危険な依頼だった。

だが、成功報酬は1000万。

竜の血と同等のの値段。

「もちろん受け取ろう。」

「君ならそう言ってくれると信じていたよ。 」



俺は前金を受け取った後、集合場所で待っていた。

受け取り場所は普通の町の路地裏。

ちょっと目を凝らせば見つかるがそんなところまで見ている奴はいないだろう。

数分経つと仮面を被った男がこちらに歩いてきた。

そして俺の目の前に来ると、

「合言葉は?」

「『幼女は天使。』」

「……オーケーだ。金は持ってきているんだろうな。」

「勿論だ、確認しな。」

そう言って俺はケースに入った金を見せる。

「……間違いないな、取引成立。 これが約束の品だ。」

そう言って男はケースに入った麻薬を渡してくる。

俺は中身を確認するとやはり白い粉がパックに入って保管されていた。

俺は取引が終わったので帰ろうとすると、

「ちょっと待つんだ悪党ども!!」

近くから声がした。

あたりを見てみると路地を出たところに青いパーカーをきた男が立っている。

「それは禁制品だな!! この国では違法なはずだ、お前たちを逮捕する!!」

やけにうるさいな。

俺が後ろをみると自由教の男はテレポートで帰っていたようだ。

俺もテレポート覚えたいな。

俺は静かに剣を取り出す。

俺の剣は黒に所々赤い血のような模様がはいった剣だ。

「その禍々しさ、魔剣だな!?」

「ああそうさ、魔剣グラトニアスだ。」

魔剣。

それは世界に7本だけしか存在しない剣。

一見白色の何気ない剣だが力を持つものが使うとその人間にあった力を持つと言われている剣。

このグラトニアスは切った相手の魂をじわじわと喰っていく魔剣。

暴食の俺にぴったりの剣だ。

ちなみにこれハジメの宝物庫にあったものでハジメが魔剣と知った後にめっちゃごねてた。

「だが俺は魔剣ごときに屈しない!! 行け、お前ら!!!!」

そういうと後ろで控えていた数人が俺に襲いかかってくる。

「おっと。」

「ここは通しませんよ。」

取引先の上空から監視していたゼロとミルドが降りてきて数人の前に立ちはだかる。

「むむ!! 悪党のくせに仲間との絆があるなんて!!」

「俺は悪党だが悪党じゃねぇ、暴食の裁人グラトニーだ。」

「わざわざ名乗るとは礼儀正しいな。しかし裁人か、お前もしかして神成 聖夜か!! 俺は夜月 蒼、この世界とは別の世界から来た転生者。 気軽にヨルムンとでも呼んでくれ!!」

そう言って丁寧に自己紹介をするヨルムン。

夜月って聞いたことあると思ったら小学3年の頃の委員長じゃないか。

まーた追っ手が来てたのか。

「めんどくさいな!!」
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