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☆第2章☆リエン山
2ー45★ノルドとの再会
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モンスターに追われながら必死の思いで山を駆けずり回った俺たち。
やっとの思いでモンスターから逃げ安全な場所までたどり着いた。
フェンの話だとノルドの能力が関係しているらしい。
取り合えず、彼の住む山小屋も近くにあるということでフェンの案内の元無事ノルドの山小屋にたどり着いた。
そこで俺たちは無事にノルドと対面をして、各々が自己紹介とモンスターに追われた話をしたのだが…
初対面の女性陣一同は、目の前にいるドワーフが外見もそうだが、今の行動も突飛に感じているのかもしれない。
戸惑いの表情を浮かべながら俺の後ろで様子を伺うようにしていた。
俺も初めて見たときは怖かったと言うか不気味だった記憶がある…
そして、そのノルドはと言うと…
掛けた椅子から崩れ落ちるのではという勢いで大爆笑している。
俺たちは必死の思いで、どれだけ苦労したのかというのを真剣に話したつもりなのだが彼の笑いは止まらない。
『いやぁ~、申し訳ありません。でも、お話を聞けば聞くほど…おかしくて…すいません。それにしてもフェン君とナカノ様はお久しぶりですね。ナカノ様も無事、冒険者として活躍しているようで何よりです。今回こられたのは、フェン君のいつもの用件ですか?でもいきなり、新メンバーでここを目指すというのは冒険が過ぎますよ!それも盾役無しなんて…』
笑いをこらえながら必死にはなそうとしているが、やはり堪えきれないようでノルドは再び笑い出した。
俺が冒険者として活躍できてないから今回モンスターに追いかけられたのだが…
それにしても…
そこまで爆笑することなのだろうか…
もしかして俺たちは決定的なミスをして気づかずに山登っていたとかなのだろうか?
『はい、ノルド様。後々いつものメンバーと合流していつもの流れということになるのですが、今回は別な目的もありまして…』
フェンが片膝を地につけ、真面目な表情でノルドに説明をしているのだが…
とても仰々しいように思える。
もしかして俺がノルドのことをよく分かっていないだけなのだろうか…
仮にそうだとしても会ったのは二回目だし仕方ないと言えば仕方ない気もする。
『別な目的とはどういったことなのですか?』
ノルドの言葉に応えるようにフェンは後ろを向きフィリアを呼ぶ。
『はい、実は彼女のことなのですが…』
『ほぅ』
フェンの言葉を遮るようにノルドは自身の右手をフェンの顔の方に向けると一言だけ呟いた。
そして、その表情は先程までの笑いはどこへ行ったのか真剣そのものでフィリアのことを黙ってみている。
……
暫くの間、沈黙が流れフィリアがたまらず視線をそらした。
『宿り子ですか…』
ノルドは眉間にシワを寄せ再び一言だけ呟いた。
誰も彼にフィリアのことは説明していない。
『ワタクシのことは、どこまでご存じなのでしょうか?』
『なにぶん、このような山奥に住んでいる身なので申し訳ありませんが…』
『と言うことは知らないということなのでしょうか?』
『申し上げにくいのですが、はい…人里にはここ数十年ほど降りてませんので…』
『それで宿り子だと分かったのですか?』
『はい。フェン君!別な目的というのは彼女を元に戻すということですか?』
『はい。一つはそうです。お願いできますか?後、もう一つありまして…』
『もう一つですか?』
『はい。実は消えない傷の治療薬のレシピを見せていただきたいのですが…』
『レシピですか?見せるだけであれば別にいいですけども、でも何故ですか?と言うか…誰に…?』
えっ…誰にというのはどういうことだ?
レシピなんて誰が見ても変わらないのでは?
『あっ、はい。それについても後程説明させていただきますが、まず最初にフィリア様の方を優先したいので、そちらからお願いしてもよろしいでしょうか?』
『分かりました。ですが宿り子の方は正直、確認してみないと手におえるかどうかは分からないですよ』
『ええ。でしたら、お返事の方は確認してからで構いません。その間に、こちらの方もお礼の方を用意しておきますので』
『お礼ですか?気が早いですよ』
『はい。申し訳ありません。ただお礼の中身についてはご安心ください。ノルド様にもきっとご満足いただける内容だと思います』
『分かりました。それでは若干日も傾きかけていますが、早速始めましょう。フィリア様と仰いましたか。あそこの一番奥の部屋に先に行っててくださいませんか?私の方は、準備が終わったら向かいますので』
フィリアは自分の身に微かではあるが希望の光がさしたのかもと感じたのだろう。
ノルドとフェンの会話を聞いて、彼女は嬉しそうに何度もお辞儀をしながら部屋に消えていった。
俺としてもフィリアの状態が少しでも良くなればとは思う。
確かに思うのだが…
フェンの中ではノルドにやる気を出して欲しくて、あの会話だったのだろう。
ただ、今いるメンバーは俺・フェン・アンテロ・エルメダで別室にフィリアという組み合わせ。
先程のフェンの話だと、ノルドの方も俺には結構な期待を寄せると思うのだが…
だれか、そんなお礼になるようなものを持っていたのだろうか?
もしかしてフィリアが何かもっているということなのか?
でもここに来る途中で、そんな話などしていなかった。
一度、都市に戻って何か準備をしていたわけでもない。
フェンの言うお礼と言うのが妙に気になる。
やっとの思いでモンスターから逃げ安全な場所までたどり着いた。
フェンの話だとノルドの能力が関係しているらしい。
取り合えず、彼の住む山小屋も近くにあるということでフェンの案内の元無事ノルドの山小屋にたどり着いた。
そこで俺たちは無事にノルドと対面をして、各々が自己紹介とモンスターに追われた話をしたのだが…
初対面の女性陣一同は、目の前にいるドワーフが外見もそうだが、今の行動も突飛に感じているのかもしれない。
戸惑いの表情を浮かべながら俺の後ろで様子を伺うようにしていた。
俺も初めて見たときは怖かったと言うか不気味だった記憶がある…
そして、そのノルドはと言うと…
掛けた椅子から崩れ落ちるのではという勢いで大爆笑している。
俺たちは必死の思いで、どれだけ苦労したのかというのを真剣に話したつもりなのだが彼の笑いは止まらない。
『いやぁ~、申し訳ありません。でも、お話を聞けば聞くほど…おかしくて…すいません。それにしてもフェン君とナカノ様はお久しぶりですね。ナカノ様も無事、冒険者として活躍しているようで何よりです。今回こられたのは、フェン君のいつもの用件ですか?でもいきなり、新メンバーでここを目指すというのは冒険が過ぎますよ!それも盾役無しなんて…』
笑いをこらえながら必死にはなそうとしているが、やはり堪えきれないようでノルドは再び笑い出した。
俺が冒険者として活躍できてないから今回モンスターに追いかけられたのだが…
それにしても…
そこまで爆笑することなのだろうか…
もしかして俺たちは決定的なミスをして気づかずに山登っていたとかなのだろうか?
『はい、ノルド様。後々いつものメンバーと合流していつもの流れということになるのですが、今回は別な目的もありまして…』
フェンが片膝を地につけ、真面目な表情でノルドに説明をしているのだが…
とても仰々しいように思える。
もしかして俺がノルドのことをよく分かっていないだけなのだろうか…
仮にそうだとしても会ったのは二回目だし仕方ないと言えば仕方ない気もする。
『別な目的とはどういったことなのですか?』
ノルドの言葉に応えるようにフェンは後ろを向きフィリアを呼ぶ。
『はい、実は彼女のことなのですが…』
『ほぅ』
フェンの言葉を遮るようにノルドは自身の右手をフェンの顔の方に向けると一言だけ呟いた。
そして、その表情は先程までの笑いはどこへ行ったのか真剣そのものでフィリアのことを黙ってみている。
……
暫くの間、沈黙が流れフィリアがたまらず視線をそらした。
『宿り子ですか…』
ノルドは眉間にシワを寄せ再び一言だけ呟いた。
誰も彼にフィリアのことは説明していない。
『ワタクシのことは、どこまでご存じなのでしょうか?』
『なにぶん、このような山奥に住んでいる身なので申し訳ありませんが…』
『と言うことは知らないということなのでしょうか?』
『申し上げにくいのですが、はい…人里にはここ数十年ほど降りてませんので…』
『それで宿り子だと分かったのですか?』
『はい。フェン君!別な目的というのは彼女を元に戻すということですか?』
『はい。一つはそうです。お願いできますか?後、もう一つありまして…』
『もう一つですか?』
『はい。実は消えない傷の治療薬のレシピを見せていただきたいのですが…』
『レシピですか?見せるだけであれば別にいいですけども、でも何故ですか?と言うか…誰に…?』
えっ…誰にというのはどういうことだ?
レシピなんて誰が見ても変わらないのでは?
『あっ、はい。それについても後程説明させていただきますが、まず最初にフィリア様の方を優先したいので、そちらからお願いしてもよろしいでしょうか?』
『分かりました。ですが宿り子の方は正直、確認してみないと手におえるかどうかは分からないですよ』
『ええ。でしたら、お返事の方は確認してからで構いません。その間に、こちらの方もお礼の方を用意しておきますので』
『お礼ですか?気が早いですよ』
『はい。申し訳ありません。ただお礼の中身についてはご安心ください。ノルド様にもきっとご満足いただける内容だと思います』
『分かりました。それでは若干日も傾きかけていますが、早速始めましょう。フィリア様と仰いましたか。あそこの一番奥の部屋に先に行っててくださいませんか?私の方は、準備が終わったら向かいますので』
フィリアは自分の身に微かではあるが希望の光がさしたのかもと感じたのだろう。
ノルドとフェンの会話を聞いて、彼女は嬉しそうに何度もお辞儀をしながら部屋に消えていった。
俺としてもフィリアの状態が少しでも良くなればとは思う。
確かに思うのだが…
フェンの中ではノルドにやる気を出して欲しくて、あの会話だったのだろう。
ただ、今いるメンバーは俺・フェン・アンテロ・エルメダで別室にフィリアという組み合わせ。
先程のフェンの話だと、ノルドの方も俺には結構な期待を寄せると思うのだが…
だれか、そんなお礼になるようなものを持っていたのだろうか?
もしかしてフィリアが何かもっているということなのか?
でもここに来る途中で、そんな話などしていなかった。
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フェンの言うお礼と言うのが妙に気になる。
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