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いざサブダンジョンへ!
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「ほいならこれでよかんべ?」
目の前で俺の背丈の半分ほどの女の子が言ってきた。
彼女はネームドになり人化を覚えたコロンである。
とりあえず人化の方も問題ないか試してもらったところ、問題なく行うことができたようだ。
とは言っても背丈が背丈なので、俺にとっては若干だが不自然な気もするのだが、こっちの世界では小人という種族の成人女性で通るらしい。
ちなみにこっちの世界では、自分やレントのような感じの者たちを人とするのはもちろんだが、その他にも小人、妖精人など人間とは多少の違いが見られるが、人と様々な関係を築いている亜人と呼ばれる人種がいるらしい。
そしてその亜人と呼ばれる人種は、通常では考えられない力を持っている者も多くいるんだとか。
この話を聞いた直後、「じゃーその亜人ってみんなモンスターの人化した姿なのかな?」などと思ってしまったが、そうではないらしい。
「へー、なるほどね。これなら普通に並んで歩けるね」
「んだべ!ちなみにワー、こんで立派な大人のおなごだでな」
「えっ?ほんと?」
「んだべー」
なるほど、俺の感覚からすると今目の前で胸を張っている人物は小学校上がるか上がらないか位の年代にしか思えないのだが、大人なのか?
大人ならそんなパフォーマンスをしないだろうという言葉は言ってはいけないのだろうな。
今後、町や都市などに行く機会があれば注意する必要があるだろう。
「コロンは淑女ですね。私の人化は妖精人の少女でこちらがその証でございます」
そういって彼女が髪を書き上げると、そこには俺の耳とは形が多少違う耳、先が細くとがった形の耳が確認できた。
「なるほど…」
「はい。ちなみに年は永遠の14歳でございます」
「………」
お前はどこぞのアイドルか!
いや、顔は確かに可愛らしいが、それ今いらないだろ…
「イダ様。どうされましたか?若干ですがお顔から汗が見られます。お体の調子が悪いのでしょうか?」
「ちょっとトイレに籠るから後はお願い…」
最初からサブダンジョンに行くつもりだった俺としては、それほど準備は残っていない。
それよりも何よりも少し一人で気持ちの整理をつける必要があると思った俺は、後をカロリーに任せた。
前にいた世界で、エルフという種族がいた設定の小説やゲームを楽しんだことがある。
だが、その設定では長命の種族という扱いではあったが、歳を重ねないという設定ではなかったと思う。
と言うか14歳という時点で、既に歳を重ねている…
本当はもう少し突っ込みたかったのだが、彼女の雰囲気から突っ込むのを断念した。
★☆★☆
前日の段階では本来ならば今日はサブダンジョンに行く予定にしていただけあって、準備らしい準備はほとんど残っていない。
俺が気持ちの整理をつけてトイレから出てくると、それぞれが準備万端という形だ。
なので後は、行動を起こすのみだけなので、俺とリンはホムンクルスになった後、いつものように残りの雑務はカロリーに任せ、俺とリン、コロンの三人でサブダンジョンに向かうことにした。
ホブゴブリンとのいざこざが終わって初の結界の外である。
道中、他に何かあるのかと結構ドキドキしていたのだが、意外なほど何もなかった。
確かカロリーが、ゴブリンの中には自然にわいてくるものもいるような話をしていたので、そういったヤツラとも戦いになったりするのかなどと思ってはいたのだが、そんな心配など無用とでも言うように辺りには静かな風景が広がっている。
もしかすると途中途中でコロンが周辺の様子とサブダンジョンまでの道のりが記してあったメニュー案内の写しを照らし合わせ、スキルにより周辺を確認していることも理由にあったのかもしれない。
とりあえず、そんな感じで無事に目的地に着いた俺たちは、事前情報で周囲にゴブリンたちがいるのを知っていたので、少し遠くに陣取りサブダンジョンの様子を見ていた。
「なー…、あのゴブリンたちどう思う?」
「ワーからは何とも…ただペッコおかしいべ」
俺たちから離れた数十メートル先に、高さが数十メートル位の崖があり、その真ん中位に穴のようなものが空いている。
位置的に考えて恐らくだが、その穴というのがサブダンジョンになるんだと思う。
そして、その穴がサブダンジョンだとすると事前情報として、そこには多くのゴブリンがいるのも確認していた。
なので、洞穴の外側には複数のゴブリンたちが確認できる。
ここまでは俺も予想した。
そしてリンもコロンも来る前に情報や考えは共有していたので予想は出来たはずだし、してもいたのだろう。
現にヒソヒソ話の中でもそういった内容が見受けられる。
ただ、俺もリンもコロンもゴブリンがいることは予想は出来たのだが、そのゴブリンの行動というのが三人の予想を外れていた。
洞窟の外側には恐らくだが、20匹くらいのゴブリンが確認できるのだが、それらの内周囲の様子を警戒しているのは4匹ほどしかいないように感じる。
4匹ほどが恐らくはダンジョンの領域のギリギリ範囲になるであろう位置を見回るように警戒しているのだ。
では、残りのゴブリンたちは何をしていたのか?
という話になるのだが、何故かしらソイツらは正座をして目を瞑っていた。
その様子は心を落ち着かせて何かの命令を待っているようにさえ思える。
目の前で俺の背丈の半分ほどの女の子が言ってきた。
彼女はネームドになり人化を覚えたコロンである。
とりあえず人化の方も問題ないか試してもらったところ、問題なく行うことができたようだ。
とは言っても背丈が背丈なので、俺にとっては若干だが不自然な気もするのだが、こっちの世界では小人という種族の成人女性で通るらしい。
ちなみにこっちの世界では、自分やレントのような感じの者たちを人とするのはもちろんだが、その他にも小人、妖精人など人間とは多少の違いが見られるが、人と様々な関係を築いている亜人と呼ばれる人種がいるらしい。
そしてその亜人と呼ばれる人種は、通常では考えられない力を持っている者も多くいるんだとか。
この話を聞いた直後、「じゃーその亜人ってみんなモンスターの人化した姿なのかな?」などと思ってしまったが、そうではないらしい。
「へー、なるほどね。これなら普通に並んで歩けるね」
「んだべ!ちなみにワー、こんで立派な大人のおなごだでな」
「えっ?ほんと?」
「んだべー」
なるほど、俺の感覚からすると今目の前で胸を張っている人物は小学校上がるか上がらないか位の年代にしか思えないのだが、大人なのか?
大人ならそんなパフォーマンスをしないだろうという言葉は言ってはいけないのだろうな。
今後、町や都市などに行く機会があれば注意する必要があるだろう。
「コロンは淑女ですね。私の人化は妖精人の少女でこちらがその証でございます」
そういって彼女が髪を書き上げると、そこには俺の耳とは形が多少違う耳、先が細くとがった形の耳が確認できた。
「なるほど…」
「はい。ちなみに年は永遠の14歳でございます」
「………」
お前はどこぞのアイドルか!
いや、顔は確かに可愛らしいが、それ今いらないだろ…
「イダ様。どうされましたか?若干ですがお顔から汗が見られます。お体の調子が悪いのでしょうか?」
「ちょっとトイレに籠るから後はお願い…」
最初からサブダンジョンに行くつもりだった俺としては、それほど準備は残っていない。
それよりも何よりも少し一人で気持ちの整理をつける必要があると思った俺は、後をカロリーに任せた。
前にいた世界で、エルフという種族がいた設定の小説やゲームを楽しんだことがある。
だが、その設定では長命の種族という扱いではあったが、歳を重ねないという設定ではなかったと思う。
と言うか14歳という時点で、既に歳を重ねている…
本当はもう少し突っ込みたかったのだが、彼女の雰囲気から突っ込むのを断念した。
★☆★☆
前日の段階では本来ならば今日はサブダンジョンに行く予定にしていただけあって、準備らしい準備はほとんど残っていない。
俺が気持ちの整理をつけてトイレから出てくると、それぞれが準備万端という形だ。
なので後は、行動を起こすのみだけなので、俺とリンはホムンクルスになった後、いつものように残りの雑務はカロリーに任せ、俺とリン、コロンの三人でサブダンジョンに向かうことにした。
ホブゴブリンとのいざこざが終わって初の結界の外である。
道中、他に何かあるのかと結構ドキドキしていたのだが、意外なほど何もなかった。
確かカロリーが、ゴブリンの中には自然にわいてくるものもいるような話をしていたので、そういったヤツラとも戦いになったりするのかなどと思ってはいたのだが、そんな心配など無用とでも言うように辺りには静かな風景が広がっている。
もしかすると途中途中でコロンが周辺の様子とサブダンジョンまでの道のりが記してあったメニュー案内の写しを照らし合わせ、スキルにより周辺を確認していることも理由にあったのかもしれない。
とりあえず、そんな感じで無事に目的地に着いた俺たちは、事前情報で周囲にゴブリンたちがいるのを知っていたので、少し遠くに陣取りサブダンジョンの様子を見ていた。
「なー…、あのゴブリンたちどう思う?」
「ワーからは何とも…ただペッコおかしいべ」
俺たちから離れた数十メートル先に、高さが数十メートル位の崖があり、その真ん中位に穴のようなものが空いている。
位置的に考えて恐らくだが、その穴というのがサブダンジョンになるんだと思う。
そして、その穴がサブダンジョンだとすると事前情報として、そこには多くのゴブリンがいるのも確認していた。
なので、洞穴の外側には複数のゴブリンたちが確認できる。
ここまでは俺も予想した。
そしてリンもコロンも来る前に情報や考えは共有していたので予想は出来たはずだし、してもいたのだろう。
現にヒソヒソ話の中でもそういった内容が見受けられる。
ただ、俺もリンもコロンもゴブリンがいることは予想は出来たのだが、そのゴブリンの行動というのが三人の予想を外れていた。
洞窟の外側には恐らくだが、20匹くらいのゴブリンが確認できるのだが、それらの内周囲の様子を警戒しているのは4匹ほどしかいないように感じる。
4匹ほどが恐らくはダンジョンの領域のギリギリ範囲になるであろう位置を見回るように警戒しているのだ。
では、残りのゴブリンたちは何をしていたのか?
という話になるのだが、何故かしらソイツらは正座をして目を瞑っていた。
その様子は心を落ち着かせて何かの命令を待っているようにさえ思える。
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