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お知らせ
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ベンケーを倒した翌日の早朝。
先程から誰かの声がする。
「…ダ様…イダ様…で…う……」
せっかく人がグッスリと眠っている最中だというのに、なんだというのか。
時間を確認すると朝の5時過ぎで、太陽もまだ登りきっていない。
そんな時間に何をしようというのか知らないが、誰かの声がする。
声の主が誰か確認すると、カロリーだった。
「えっ…へっ…?」
彼女は俺が目を開くと、何やらよく分からないことを何度も説明してくる。
「ですから…ちょっと宜しいでしょうか?」
昨日は強敵との一戦があって、正直なところ異世界に来てから最もシンドイ一日だった。
「も~…なに…メンドクサイ」
精神的な疲れから早めに寝はしたが、それでも朝は眠い。
「はい。………とが…して……」
彼女の説明は続く。
リンとカロリーの二人は、睡眠がいらないかもしれないが、こっちはそういうわけにはいかないのだ。
お願いだからもう少し寝かせてくれ。
「知らない。任せる」
内容も理解していない内に、どうやら俺はテキトーに返事をしていたようだ。
★☆★☆
朝7時過ぎ起床。
「おはようございます。イダ様」
「おはよー」
「おは?」
半分寝ぼけ眼のまま、カロリーから爽やかな笑顔と朝の挨拶のセット、俺がそれに答えると遅れるようにリンも一緒に返事を返してくれる。
睡眠不要のためかリンには朝の挨拶という感覚が無いようだが、そんなことは別にどうでもいい。
この数日すべて一緒の感じだ。
今日もそんないつもと一緒の朝をむかえて、ご飯を食べて準備をしたら昨日話したことを行うんだろうなと思いながら、洗顔をしにいこうとするとリンが俺のズボンを引っ張る。
「ちょっ…何だ…こら、止めなさい。朝からいたずらはダメだって」
「ちがうちがう」
何となくじゃれてきたと思っていた俺だが、彼女はそう言いながら首を振っていた。
「んー?どうした?」
「あれだして」
リンは空中で四角を描いて俺に見せる。
これは俺にメニューを出して欲しいという彼女からのサインである。
「急ぎか?はい、これって…ん?」
洗顔の方を優先したいなとは思ったが、彼女が俺の足に引っ付いている状況を考えると従った方が早いと思ったので、俺は言われるままにメニューを出すと、そこには前に見た赤文字で『お知らせ』の表記が二つほどあった。
『おめでとう!
少し遅い気もするけれども昨日条件を確認したよ。
これでダンジョンもランクアップ。
そして、やっと念願の階層の管理権を得ることができるよ。
これで今までよりも一層、自由な行動が可能になるよ。
でも、それよりも貴方がどのようなダンジョンになりたいか、希望を早めに聞かせてちょうだいね。
ママより』
『討伐QUEST達成
違反モンスター・ベンケーの討伐を確認
報酬として、かのモンスターの育成魔力と支配ダンジョンに関する権利を獲得しました。』
何て言うものが届いている。
朝っぱらからこんな物をいきなり見せられて、俺はどんな反応をすれば良いのか。
ただただ俺はフリーズするだけだった。
★☆★☆
お知らせを全く理解できず、その場に5分ほど固まった俺は、その後カロリーの朝食の準備ができたという声により現実に引き戻された。
そして、そのまま洗顔を済ませ、朝食に入ったときにお知らせについて聞かされた。
あのお知らせは、どうやら俺が朝爆睡中の間に届いたものらしい。
それで、あのお知らせというのはどうやら俺に届いたものとリンに届いてもので内容として若干の違いがあったようで、俺に届いたのはあの言葉しかなかったのだが、彼女に届いた方はあの言葉の下に入力欄のようなものがあったんだとか。
そして、彼女がお知らせを確認した後、どうすれば良いのか俺に相談しようとしたところ、当の俺は思いっきり夢の中。
カロリーに起こしてもらっても何だか意味不明なことを言って最後には「任せる」なんて言い出した。
多分、ダンジョンの階層の管理権とやらのことなのだろう。
なので、希望というものを自分一人で考えたらしい。
そこまでの話を聞いたとき、そう言われると朝、誰かに起こされた気がする。
何かを喋ったような感覚的なものもあることにはあるが、俺の中では夢の中のような感じで微妙な感覚しかしない。
それに一度、希望を送ったものを再び訂正する方法もないようだし、文面には『貴方がどのようなダンジョンになりたいか』とあるので、多分だがリンの感覚に従うような感じが最も正しい気がするので、俺の方としてはあまり気にならなかった。
正直なところ、そんなことよりも睡眠の方を俺は優先したい。
それよりも何よりも俺が気になったのは、どちらかというと前半部分だ。
前半部分には『少し遅い気もするけれども昨日条件を確認した』とある。
これはダンジョンのランクアップのことだろう。
多分、何かをやることでダンジョンのランクアップに繋がるという事らしいのだが、昨日やったことというのはベンケーとの戦闘くらいしか思い当たることがない。
あれでランクアップに至ったというのか?
でもそれとは別に『討伐QUEST達成』とあり、内容的にはこちらの方がベンケーに関することに思える。
だとするとベンケー以外の何かということになるのだが…
そもそも『討伐QUEST』って何?
依頼とか受けた覚えないんですが…
ここから身に覚えがあることを細かくみていくと…
もしかするとトラップか??
ベンケーを倒すときに使用したトラップというのが、今回のダンジョンのランクアップを満たす条件だったというのだろうか?
先程から誰かの声がする。
「…ダ様…イダ様…で…う……」
せっかく人がグッスリと眠っている最中だというのに、なんだというのか。
時間を確認すると朝の5時過ぎで、太陽もまだ登りきっていない。
そんな時間に何をしようというのか知らないが、誰かの声がする。
声の主が誰か確認すると、カロリーだった。
「えっ…へっ…?」
彼女は俺が目を開くと、何やらよく分からないことを何度も説明してくる。
「ですから…ちょっと宜しいでしょうか?」
昨日は強敵との一戦があって、正直なところ異世界に来てから最もシンドイ一日だった。
「も~…なに…メンドクサイ」
精神的な疲れから早めに寝はしたが、それでも朝は眠い。
「はい。………とが…して……」
彼女の説明は続く。
リンとカロリーの二人は、睡眠がいらないかもしれないが、こっちはそういうわけにはいかないのだ。
お願いだからもう少し寝かせてくれ。
「知らない。任せる」
内容も理解していない内に、どうやら俺はテキトーに返事をしていたようだ。
★☆★☆
朝7時過ぎ起床。
「おはようございます。イダ様」
「おはよー」
「おは?」
半分寝ぼけ眼のまま、カロリーから爽やかな笑顔と朝の挨拶のセット、俺がそれに答えると遅れるようにリンも一緒に返事を返してくれる。
睡眠不要のためかリンには朝の挨拶という感覚が無いようだが、そんなことは別にどうでもいい。
この数日すべて一緒の感じだ。
今日もそんないつもと一緒の朝をむかえて、ご飯を食べて準備をしたら昨日話したことを行うんだろうなと思いながら、洗顔をしにいこうとするとリンが俺のズボンを引っ張る。
「ちょっ…何だ…こら、止めなさい。朝からいたずらはダメだって」
「ちがうちがう」
何となくじゃれてきたと思っていた俺だが、彼女はそう言いながら首を振っていた。
「んー?どうした?」
「あれだして」
リンは空中で四角を描いて俺に見せる。
これは俺にメニューを出して欲しいという彼女からのサインである。
「急ぎか?はい、これって…ん?」
洗顔の方を優先したいなとは思ったが、彼女が俺の足に引っ付いている状況を考えると従った方が早いと思ったので、俺は言われるままにメニューを出すと、そこには前に見た赤文字で『お知らせ』の表記が二つほどあった。
『おめでとう!
少し遅い気もするけれども昨日条件を確認したよ。
これでダンジョンもランクアップ。
そして、やっと念願の階層の管理権を得ることができるよ。
これで今までよりも一層、自由な行動が可能になるよ。
でも、それよりも貴方がどのようなダンジョンになりたいか、希望を早めに聞かせてちょうだいね。
ママより』
『討伐QUEST達成
違反モンスター・ベンケーの討伐を確認
報酬として、かのモンスターの育成魔力と支配ダンジョンに関する権利を獲得しました。』
何て言うものが届いている。
朝っぱらからこんな物をいきなり見せられて、俺はどんな反応をすれば良いのか。
ただただ俺はフリーズするだけだった。
★☆★☆
お知らせを全く理解できず、その場に5分ほど固まった俺は、その後カロリーの朝食の準備ができたという声により現実に引き戻された。
そして、そのまま洗顔を済ませ、朝食に入ったときにお知らせについて聞かされた。
あのお知らせは、どうやら俺が朝爆睡中の間に届いたものらしい。
それで、あのお知らせというのはどうやら俺に届いたものとリンに届いてもので内容として若干の違いがあったようで、俺に届いたのはあの言葉しかなかったのだが、彼女に届いた方はあの言葉の下に入力欄のようなものがあったんだとか。
そして、彼女がお知らせを確認した後、どうすれば良いのか俺に相談しようとしたところ、当の俺は思いっきり夢の中。
カロリーに起こしてもらっても何だか意味不明なことを言って最後には「任せる」なんて言い出した。
多分、ダンジョンの階層の管理権とやらのことなのだろう。
なので、希望というものを自分一人で考えたらしい。
そこまでの話を聞いたとき、そう言われると朝、誰かに起こされた気がする。
何かを喋ったような感覚的なものもあることにはあるが、俺の中では夢の中のような感じで微妙な感覚しかしない。
それに一度、希望を送ったものを再び訂正する方法もないようだし、文面には『貴方がどのようなダンジョンになりたいか』とあるので、多分だがリンの感覚に従うような感じが最も正しい気がするので、俺の方としてはあまり気にならなかった。
正直なところ、そんなことよりも睡眠の方を俺は優先したい。
それよりも何よりも俺が気になったのは、どちらかというと前半部分だ。
前半部分には『少し遅い気もするけれども昨日条件を確認した』とある。
これはダンジョンのランクアップのことだろう。
多分、何かをやることでダンジョンのランクアップに繋がるという事らしいのだが、昨日やったことというのはベンケーとの戦闘くらいしか思い当たることがない。
あれでランクアップに至ったというのか?
でもそれとは別に『討伐QUEST達成』とあり、内容的にはこちらの方がベンケーに関することに思える。
だとするとベンケー以外の何かということになるのだが…
そもそも『討伐QUEST』って何?
依頼とか受けた覚えないんですが…
ここから身に覚えがあることを細かくみていくと…
もしかするとトラップか??
ベンケーを倒すときに使用したトラップというのが、今回のダンジョンのランクアップを満たす条件だったというのだろうか?
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