俺様王子から逃げられない

ダヨ

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9 やっぱり王子はヤリチ、

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「やめて、おねがい!!」

まだ誰ともえっちなことなんかしたことない。初めてが男なんて、いやだ。いやだ!

大声で叫ぶと、バァン!と大きな音が鳴り勢いよくドアが開かれた。



「え?」


「はぁ、王子こんなとこにいたんですか。」


扉を勢いよく破った男はこれまた高身長の黒髪イケメンだ。
でかい声が聞こえたかと思ったらやっぱここにいたや、また迷惑かけやがって、などとぶつぶつ呟きながら古家に入ってきた。俺の服に手を入れ覆い被さっていた王子は後ろをみるなりチッと舌打ちをし、俺の上からどいた。

はぁ、よかった。俺は救世主が現れたことにより危機一髪貞操を守れたのだ。

ていうか、誰なんだ?


「また、掻い摘んでるんですか?やめてください見ず知らずの人を襲うのは」


黒髪イケメンがこういうのに対し、反論しうるせぇという王子だが、、
この王子、普段からこんなことしてるのか?誇り高く気高い王子という存在が、こんな貞操ガバガバでいいのか、、。
簡易用ベッドからゆっくり離れてく王子に加えて黒髪イケメンは印象が下がるようなことはしないで下さいと釘を刺すようにいった。

ほんとに、誰なんだ?
王子が襲ってきたかと思えば黒髪イケメンの登場により間一髪魔逃れることができた。でも、王子の居場所なんてどうやって突き止めたんだ。
というかそもそも、王子はなんでこんなところで休憩していたんだ?

あぁ、いや、そんなことはいい。

どういう状況なのか理解するためにとりあえず声をかけることにした。



「あのう、、あなたは?」



すると黒髪イケメンは声を発した俺の方を向いた。顔を認識するやいなや、驚くようにして目を丸くしていた。
俺の質問を全く聞いていないかのように王子に視線を移し、口を開いたかと思ったら


「例の少年じゃないで、んンッ!」



何て言ってるかわからなかったが、言葉を発した黒髪イケメンに王子は焦ったようにして手で口をふさいだ。



「つぎ、言ったら、、、わかっているよな。」


なんだか含みのある発言を圧をかけて言う王子に、口を塞がれたまま黒髪イケメンはめんどくさそうに頷いた。結局俺の質問は聞こえてなかったようだ。


黒髪イケメンはチッと舌打ちをしてから、一度王子をジロッと睨むと視線をこちらに向けてきた。
王子にそんな失礼していいのだろうか。


「なぁ、君貞操はぶじか?」


乳首を舐められたことに関しては無事ではないが、貞操が無事かという質問に対しては無事である。俺が座ってるところに近づいてくる黒髪イケメンに向かって首を縦に振った。


「こいつになんか脅されたか?」


「はい、、」


こいつというのは王子だろう。凄く心当たりがある。俺の妾になれば許してやるって、


「気にしなくていい」


「え、」


気にしなくていい、、?

返事も曖昧に俺は混乱していた、
気にしなくていいというのはどれのことに対してだろう。

王子に怪我させたこと?王子が押し倒してきたこと?罪を償うこと?

そもそもこの人は今日起こったことを何も知らないんじゃないかと思う。うーん。

でも、この人は王子に親しげにしていた。なんなら文句とかも、、
もしかて、こういうことには慣れてるとか?


すると黒髪イケメンは手を伸ばし首元を触ってきた。
な、なに!


「跡がついている。ここは隠した方がいい」


あぁ。さっき噛まれた場所か。
跡がつくまで強く噛まれていたのか。すこし撫でるように触ってきた


「王子、こんなダサい真似はやめてください。」


そんなことを呆れたように言った黒髪イケメンに対し
すこし不貞腐れたように

「そんなんじゃねーよ」


と、王子は答えた。

「他も怪我していないか確認させくれ。」というので他は怪我なんてしていないと答えたが、言い終わる前に服をめくられた。



怪我の確認だとはわかってる。だけどいきなりだったから、またさっきみたいにされるんじゃないかって、防衛本能だ。


だから思わず、


パシッ


黒髪イケメンの顔を叩いてしまった。


「っぃ!」

「あ、ご、ごめっ」


っ!し、しまった。

怪我の確認をしてくれてただけなのに。顔を抑える黒髪イケメンに咄嗟に誤った。
いくら王子ではないとはいえこの人もきっと地位が高いお方なんだろう。殺されるだけじゃすまない。しかも、厚意の末、服をめくっただけなのに。


黒髪イケメンは驚いたように俺の顔をジッとみつめてきた。もっと謝れという催促なのだろうか。

もう一度謝ろう。けど、


「ごめんなさっ、え?」

驚いた。

謝罪の言葉を言いかけたところで俺の頬に何かが伝っているのに気づいた。

ポロポロと溢れてくる水は少ししょっぱい。

なんで?



泣いてしまったのは叩かれた黒髪イケメンではなく俺だった。
もう子供じゃないのに。なぜか溢れる涙をとめられなかった。


「ごめン、なさ、ヒグッい」

「いい、大丈夫だ」


じっと見つめていた黒髪イケメンはハッとしたようにしてから、そう答えてくれた。

奥にいる王子はギョッとした目でこちらをみていた。






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