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第六十二話 女神の悪戯
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大聖堂での休戦交渉を終えた各国の面々は、既に解散して自分達の滞在する屋敷へと戻っていた。
アンジェリカとリリカは、中々戻らないリックとシャランドラを置いて先に戻り、今は屋敷の執務室で明日からの対応についてを相談している。
外はすっかり日も落ちてしまい、アバランチアの街は夜の賑わいを見せていた。本当は夜の街並みを見て回りたかったアンジェリカが、時々屋敷の窓から外の様子を眺めては、リリカとの相談が中断される。
ただ、窓から外を眺めるのは、街の様子が気になるからだけではない。戻りが遅いリックとシャランドラの身を案じて、つい外の正門を確認してしまうのだ。
アンジェリカの気持ちを察しているリリカと、同じく執務室で二人のために控えているウルスラは、アマリリスの事件以来、少し柔らかくなったように見える彼女の姿を、母親のように微笑ましく見つめていた。
「リリカ、ウルスラ。二人はまだ戻らないのか?」
「ふふっ⋯⋯。心配しなくとも、二人のためにヘルベルト達を残してきたのです。何かあったなら、今頃街はもっと賑やかになっているでしょう」
「リリカ様の仰る通りです陛下。明日は二大国との親善を兼ねた食事会などもあるのですから、もうお休み下さい」
疲労が溜まっているはずのアンジェリカを気遣い、ウルスラは明日に備えて休むよう勧めるが、彼女は窓の外を眺めたまま動かない。ウルスラが述べた通り、明日はゼロリアスとホーリスローネとの交流を深めるべく、昼は三国の代表者達を集めた食事会と、夜は休戦交渉終了を祝した晩餐会が開かれる予定である。
この食事会や晩餐会でも、三大国間での話し合いや駆け引きが行なわれるため、ウルスラとしては早くアンジェリカを休ませたいのだ。ただでさえ気を遣う会食などで、休む暇もないのだから、休める時に少しでも長く休息を取らせたいというウルスラの心遣いである。
「案ずるなウルスラ。私は姉様より体が丈夫だ」
「陛下⋯⋯」
「アリステリア殿やフィーネ姫と談笑するなら、疲れるどころか気晴らしになる。それに、また各国の興味深い話が聞けると思うと、興奮して今から眠れる気がしない」
心配するウルスラの言葉を聞かず、事実を混ぜ込んだ言い訳を口にするアンジェリカ。その様子に彼女の成長を見たリリカが、つい笑い声を漏らしてしまう。笑っているリリカにウルスラから、「笑っていないで助けて下さい」という視線が向けられるが、勿論彼女は助けなかった。
「んっ⋯⋯? 親衛隊が⋯⋯⋯」
窓から外の正門を見つめていたアンジェリカが、正門へと早足で向かうヴィヴィアンヌと親衛隊の姿を見つける。暫くすると屋敷の正門前に、ヘルベルト率いる鉄血部隊と、リックとシャランドラの姿が現れた。
夜の暗さでよく見えないところはあるが、二人の様子を見るに、無事であるのは間違いなかった。しかし、出迎えたヴィヴィアンヌは何か怒っているらしく、戻ってきたばかりのリックに詰め寄っている。その怒り方は、普段の冷静な彼女からは想像もできない程、身振り手振りが多い冷静さの欠片もない取り乱しようであった。
「アイゼンリーゼが尋常ではなく喚いている。何かあったのか?」
「ふふっ、恐らくはイヴのことでしょう。昼間イヴが風将クラリッサに求婚されたとかで、ヴィヴィアンヌはずっとあの調子だとか」
「なっ、求婚だと!?」
初耳な話に思わず声が裏返り、目を見開いたアンジェリカがリリカを見る。いつの間にそんな情報を得たのかと、色々聞きたい事はあるが、雷に打たれたような衝撃を受けた今のアンジェリカに、冷静さは皆無であった。
「いっ、一体どうして⋯⋯!?」
「聞けば、イヴのお弁当を食べて感動のあまり告白を―——」
「待て、まるで話がわからん。それで、ベルトーチカはなんと⋯⋯?」
「なんと、とは?」
「惚けるな。ベルトーチカがなんと返したかと聞いている」
「御自分で聞かれては? 聞けぬ仲ではないでしょう」
「そっ、それができたら苦労はしない」
当然リリカは、彼女の複雑な気持ちなどお見通しなのだが、困り顔で俯くアンジェリカで遊んでいるのだ。因みに、揶揄うなと注意しても無駄だと分かっているウルスラは、眉間を押さえながら溜め息を吐くだけだった。
「お前は、どこまで意地の悪い女なんだ⋯⋯」
「ふふふふっ⋯⋯。私などより、グラーフ教の女神の方がもっと悪い女ですよ」
比較の対象としてリリカは女神ジャンヌを持ち出した。グラーフ教の女神が実在していたという話は、リリカの口から既にアンジェリカへ伝わっている。
女神は不老不死であり、ローミリア大陸で起こる数々の事変は、その女神が仕掛け人であったという。にわかには信じ難い内容ではあったが、あのリリカが敵意を剥き出しにして語って聞かせたという事実だけで、信じるには十分過ぎた。
リリカが憎悪を表に出し、同時に恐れる程の相手。女神ジャンヌの危険性は、アンジェリカでは計り知れないが、グラーフ教を裏で操る存在というだけで、最低でもローミリア大戦並みの地獄を再びもたらせるのは間違いない。
大陸におけるグラーフ教の影響力は、ゼロリアスやホーリスローネ以上である。この世界で真に覇権を握る存在こそがグラーフ教会なのだ。女神が望めば、大戦の再来も容易い事だろう。
「リリカ。女神ジャンヌ・ダルクと、我らはどう戦う?」
「教会へは下手に手を出せません。女神など放っておけば良い」
「今すぐにでも女神を殺したいと考えているお前が、女神には構うなと言うのか」
「あれに構っている暇はありません。恐らくこの休戦も、既に奴が策を講じた後でしょうから」
女神ジャンヌを最大の脅威と考えるリリカだが、その思考は驚く程に冷静であった。ヴァスティナ帝国にとって、今は何処が脅威であり、誰が敵なのかを、彼女は正確に理解している。そこに個人的な感情は持ち込んではいない。
ヴァスティナ帝国が相手にするのは、教会ではなく王国なのだ。先ずはこの王国を片付けなければ、その次の帝国と、教会の打倒は叶わない。
「陛下。王子アリオンの純真さは信用してもよいですが、彼を利用しようとしている者達の思惑に乗ってはいけません。王国も帝国も、我らの敵であることをお忘れなく」
「リリカ、お前はどうなんだ? 今私は、他の何よりもお前の方が余程信じられない」
「女神と関わり合いのある私を信用できないのは当然です。如何に忠臣であろうと疑うのは正しいですよ、陛下」
女神ジャンヌと関係性があるリリカを、アンジェリカはヴァスティナの女王として疑わねばならない。それに対してリリカは嫌悪感を抱くどころか、寧ろ心から喜んでいた。
宰相としてリリカは、アンジェリカをより強い女王へと育て続けてきた。国と民を統べる者は、時として私情などは簡単に捨て去り、国益のために行動しなければ統治者とは言えない。
時に必要であれば、宰相たる自分すらも疑え。アンジェリカはリリカの望む通り、女王として彼女に疑いの目を向ける。アンジェリカの成長を喜んだリリカは、そのご褒美に一つだけ真実を告げた。
「⋯⋯⋯かつて私は、今は女神を名乗るあの女と手を組んでいた。それは互いの力を利用し合っただけで、私は奴を仲間だと思ったことは一度もありません」
「まさか、お前も神だったと言うつもりはないだろうな⋯⋯?」
「御心配なく。私は正真正銘の人間ですよ。神になど、望まれてもなりたくもない」
常に何を企んでいるか分からず、謎の多い女ではあるが、アンジェリカが頼りにしている忠臣の一人たる事実は変わらない。
今、彼女が初めて語った話に嘘は見られなかった。秘めたる彼女の真実の一部を聞けた事で、疑心を抱いていたアンジェリカの心は決まった。
「わかった。その言葉を信じよう」
「感謝致します、女王陛下」
リリカ無しで、今日までの自分はあり得ない。リリカ無しで、これからの自分達の未来もない。
謎に包まれた彼女の過去の一部を知ったのが決め手となり、リリカはアンジェリカの信用を取り戻した。例え疑いがあったとしても、アンジェリカにとってリリカは、これからも決して欠かせない臣下であり、共に戦ってきた戦友なのだ。
だがアンジェリカは、今回の一件でリリカへの謎を一層深める事になった。
リリカは自身を人間であるという。一方、女神は永劫を生きる存在だと聞く。人智を遥かに超えた恐るべき存在と関係を持つ、この謎深き女は本当に何者なのか。
得体の知れないリリカという女を信じるアンジェリカだが、改めて彼女には頼もしさと同時に恐怖心を抱いてしまうのだった。
アンジェリカとリリカは、中々戻らないリックとシャランドラを置いて先に戻り、今は屋敷の執務室で明日からの対応についてを相談している。
外はすっかり日も落ちてしまい、アバランチアの街は夜の賑わいを見せていた。本当は夜の街並みを見て回りたかったアンジェリカが、時々屋敷の窓から外の様子を眺めては、リリカとの相談が中断される。
ただ、窓から外を眺めるのは、街の様子が気になるからだけではない。戻りが遅いリックとシャランドラの身を案じて、つい外の正門を確認してしまうのだ。
アンジェリカの気持ちを察しているリリカと、同じく執務室で二人のために控えているウルスラは、アマリリスの事件以来、少し柔らかくなったように見える彼女の姿を、母親のように微笑ましく見つめていた。
「リリカ、ウルスラ。二人はまだ戻らないのか?」
「ふふっ⋯⋯。心配しなくとも、二人のためにヘルベルト達を残してきたのです。何かあったなら、今頃街はもっと賑やかになっているでしょう」
「リリカ様の仰る通りです陛下。明日は二大国との親善を兼ねた食事会などもあるのですから、もうお休み下さい」
疲労が溜まっているはずのアンジェリカを気遣い、ウルスラは明日に備えて休むよう勧めるが、彼女は窓の外を眺めたまま動かない。ウルスラが述べた通り、明日はゼロリアスとホーリスローネとの交流を深めるべく、昼は三国の代表者達を集めた食事会と、夜は休戦交渉終了を祝した晩餐会が開かれる予定である。
この食事会や晩餐会でも、三大国間での話し合いや駆け引きが行なわれるため、ウルスラとしては早くアンジェリカを休ませたいのだ。ただでさえ気を遣う会食などで、休む暇もないのだから、休める時に少しでも長く休息を取らせたいというウルスラの心遣いである。
「案ずるなウルスラ。私は姉様より体が丈夫だ」
「陛下⋯⋯」
「アリステリア殿やフィーネ姫と談笑するなら、疲れるどころか気晴らしになる。それに、また各国の興味深い話が聞けると思うと、興奮して今から眠れる気がしない」
心配するウルスラの言葉を聞かず、事実を混ぜ込んだ言い訳を口にするアンジェリカ。その様子に彼女の成長を見たリリカが、つい笑い声を漏らしてしまう。笑っているリリカにウルスラから、「笑っていないで助けて下さい」という視線が向けられるが、勿論彼女は助けなかった。
「んっ⋯⋯? 親衛隊が⋯⋯⋯」
窓から外の正門を見つめていたアンジェリカが、正門へと早足で向かうヴィヴィアンヌと親衛隊の姿を見つける。暫くすると屋敷の正門前に、ヘルベルト率いる鉄血部隊と、リックとシャランドラの姿が現れた。
夜の暗さでよく見えないところはあるが、二人の様子を見るに、無事であるのは間違いなかった。しかし、出迎えたヴィヴィアンヌは何か怒っているらしく、戻ってきたばかりのリックに詰め寄っている。その怒り方は、普段の冷静な彼女からは想像もできない程、身振り手振りが多い冷静さの欠片もない取り乱しようであった。
「アイゼンリーゼが尋常ではなく喚いている。何かあったのか?」
「ふふっ、恐らくはイヴのことでしょう。昼間イヴが風将クラリッサに求婚されたとかで、ヴィヴィアンヌはずっとあの調子だとか」
「なっ、求婚だと!?」
初耳な話に思わず声が裏返り、目を見開いたアンジェリカがリリカを見る。いつの間にそんな情報を得たのかと、色々聞きたい事はあるが、雷に打たれたような衝撃を受けた今のアンジェリカに、冷静さは皆無であった。
「いっ、一体どうして⋯⋯!?」
「聞けば、イヴのお弁当を食べて感動のあまり告白を―——」
「待て、まるで話がわからん。それで、ベルトーチカはなんと⋯⋯?」
「なんと、とは?」
「惚けるな。ベルトーチカがなんと返したかと聞いている」
「御自分で聞かれては? 聞けぬ仲ではないでしょう」
「そっ、それができたら苦労はしない」
当然リリカは、彼女の複雑な気持ちなどお見通しなのだが、困り顔で俯くアンジェリカで遊んでいるのだ。因みに、揶揄うなと注意しても無駄だと分かっているウルスラは、眉間を押さえながら溜め息を吐くだけだった。
「お前は、どこまで意地の悪い女なんだ⋯⋯」
「ふふふふっ⋯⋯。私などより、グラーフ教の女神の方がもっと悪い女ですよ」
比較の対象としてリリカは女神ジャンヌを持ち出した。グラーフ教の女神が実在していたという話は、リリカの口から既にアンジェリカへ伝わっている。
女神は不老不死であり、ローミリア大陸で起こる数々の事変は、その女神が仕掛け人であったという。にわかには信じ難い内容ではあったが、あのリリカが敵意を剥き出しにして語って聞かせたという事実だけで、信じるには十分過ぎた。
リリカが憎悪を表に出し、同時に恐れる程の相手。女神ジャンヌの危険性は、アンジェリカでは計り知れないが、グラーフ教を裏で操る存在というだけで、最低でもローミリア大戦並みの地獄を再びもたらせるのは間違いない。
大陸におけるグラーフ教の影響力は、ゼロリアスやホーリスローネ以上である。この世界で真に覇権を握る存在こそがグラーフ教会なのだ。女神が望めば、大戦の再来も容易い事だろう。
「リリカ。女神ジャンヌ・ダルクと、我らはどう戦う?」
「教会へは下手に手を出せません。女神など放っておけば良い」
「今すぐにでも女神を殺したいと考えているお前が、女神には構うなと言うのか」
「あれに構っている暇はありません。恐らくこの休戦も、既に奴が策を講じた後でしょうから」
女神ジャンヌを最大の脅威と考えるリリカだが、その思考は驚く程に冷静であった。ヴァスティナ帝国にとって、今は何処が脅威であり、誰が敵なのかを、彼女は正確に理解している。そこに個人的な感情は持ち込んではいない。
ヴァスティナ帝国が相手にするのは、教会ではなく王国なのだ。先ずはこの王国を片付けなければ、その次の帝国と、教会の打倒は叶わない。
「陛下。王子アリオンの純真さは信用してもよいですが、彼を利用しようとしている者達の思惑に乗ってはいけません。王国も帝国も、我らの敵であることをお忘れなく」
「リリカ、お前はどうなんだ? 今私は、他の何よりもお前の方が余程信じられない」
「女神と関わり合いのある私を信用できないのは当然です。如何に忠臣であろうと疑うのは正しいですよ、陛下」
女神ジャンヌと関係性があるリリカを、アンジェリカはヴァスティナの女王として疑わねばならない。それに対してリリカは嫌悪感を抱くどころか、寧ろ心から喜んでいた。
宰相としてリリカは、アンジェリカをより強い女王へと育て続けてきた。国と民を統べる者は、時として私情などは簡単に捨て去り、国益のために行動しなければ統治者とは言えない。
時に必要であれば、宰相たる自分すらも疑え。アンジェリカはリリカの望む通り、女王として彼女に疑いの目を向ける。アンジェリカの成長を喜んだリリカは、そのご褒美に一つだけ真実を告げた。
「⋯⋯⋯かつて私は、今は女神を名乗るあの女と手を組んでいた。それは互いの力を利用し合っただけで、私は奴を仲間だと思ったことは一度もありません」
「まさか、お前も神だったと言うつもりはないだろうな⋯⋯?」
「御心配なく。私は正真正銘の人間ですよ。神になど、望まれてもなりたくもない」
常に何を企んでいるか分からず、謎の多い女ではあるが、アンジェリカが頼りにしている忠臣の一人たる事実は変わらない。
今、彼女が初めて語った話に嘘は見られなかった。秘めたる彼女の真実の一部を聞けた事で、疑心を抱いていたアンジェリカの心は決まった。
「わかった。その言葉を信じよう」
「感謝致します、女王陛下」
リリカ無しで、今日までの自分はあり得ない。リリカ無しで、これからの自分達の未来もない。
謎に包まれた彼女の過去の一部を知ったのが決め手となり、リリカはアンジェリカの信用を取り戻した。例え疑いがあったとしても、アンジェリカにとってリリカは、これからも決して欠かせない臣下であり、共に戦ってきた戦友なのだ。
だがアンジェリカは、今回の一件でリリカへの謎を一層深める事になった。
リリカは自身を人間であるという。一方、女神は永劫を生きる存在だと聞く。人智を遥かに超えた恐るべき存在と関係を持つ、この謎深き女は本当に何者なのか。
得体の知れないリリカという女を信じるアンジェリカだが、改めて彼女には頼もしさと同時に恐怖心を抱いてしまうのだった。
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