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第六十二話 女神の悪戯
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思わぬ人物達との再会によって、彼女達のデートに強引に付き合わされる事になったレイナとクリス。二人は今、競馬場で馬券を買ったレイリのせいで、興味のない競走馬の疾走を見させられていた。
大勢の観客が喚き散らす中、レイリもまた馬券を握りしめて叫び散らしている。罵声と怒号が飛び交う熱いレースを、レイリの背後から少し離れたレイナとクリスが、必死な彼女の背を冷めた目で眺めていた。
「これだからレイリ姉は⋯⋯⋯」
「あの博打狂い、本当にお前と同じ烈火式使いなのかよ」
「信じられないかもしれないが、レイリ姉は昔から博打好きの烈火式使いで、私よりも強かった」
レースの勝敗に必死なあの女が、レイナよりも強かったというのが、クリスはどうしても信じられないでいる。何故ならレイリは、この博打でとんでもない勝負に打って出ているからだ。
「そこだああああっ! 差せええええええええええええっ!! あたしの全財産かかってるんだからああああああああっ!!」
賭け始めた瞬間から連敗を重ね、最後の大勝負に打って出たレイリは、自分の有り金全部で馬券を買い、このレースに全てを懸けている。
しかも最悪なのは、これまでの負けを全て取り返そうとして、大穴狙いを仕掛けている点だ。確かに勝てれば大金が手に入るが、どう見ても博打狂いの賭け方である。
「七番来い! 七番七番七番七番、よっしゃあああああああっ!! キスしてあげるわ、もうちょいよ!!」
十頭が走るレースの中で、レイリが賭けたのは大穴の七番である。成績の悪い絶不調の馬だったのだが、熱を込めたレイリの声援のお陰か、ここに来て奇跡を起こす。最終コーナーで七番の馬が、一位を走る馬に追い付こうとしていたのだ。
「勝てこらあああああああああああああああっ!!! 負けたら馬刺しにしてやるううううううっ!!」
声援というより脅迫だが、彼女の願いが届いたのか、七番の馬はゴールに向けて加速していく。
「よしよしよし!! これで三連単もらったああああああああああああっ!!!」
だがここが、レイリの運の尽きだった。七番の馬を後続の二頭が加速して追い抜き、ゴールラインへと一直線に伸びていった。
「ほえっ⋯⋯⋯?」
加速が足りず、七番手は後続に抜かれて順位を四番に落とし、先頭を走っていた馬が一着でゴールする。続いて七番手を追い抜いた二頭も二着と三着でゴールし、レイリの馬は四着でレースを終えるのだった。
「いやあああああああああっ!!! あたしの全財産があああああああああっ!!!!」
絶望したレイリの絶叫も空しく、彼女の全てを懸けた馬券は紙屑と消えた。最早同情する気すら失せているレイナとクリスだが、これが博打狂いの哀れで悲しき背中なのだという学びは得ていた。
これで終わりかと思い、競馬場を出ようとする二人だったが、未だ戦う気力を失っていないレイリの神速の動きにクリスが捕まった。
「お願いクリス。お金貸して」
「ふざけんな! たった今全財産擦った奴に貸せるわけねぇだろ!」
「さっきのレース見たでしょ。最終コーナーからあたしの七番ちゃんが追い上げてきたじゃない。あれは絶対調子上げてきてる。だから次は間違いなく勝てるわ」
「七番だから縁起が良いって大穴賭けするような阿保を信用できるわけねぇだろ!」
「お金貸してくれたら~⋯⋯⋯、レイリお姉さんの体を好きにしてもいいのよ~♡」
「気色悪いんだよ! 誰がゲロ女を抱くかっての!」
自分の体を卑しく密着させ、クリスから必死に金をせびろうとしているレイリ。二人を見ていたレイナは、自身が姉と呼ぶ彼女の痴態に頭を悩ませ、珍しくクリスに同情していた。
「⋯⋯⋯許せ、破廉恥剣士。レイリ姉は昔から屑を極めているんだ」
「お前よくこんなのを姉にしたな⋯⋯⋯。この阿保、このままでいいのか?」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯提案なのだが、今からでもお互いの姉を交換しないか?」
「後悔してんのかよ」
昔のレイナの苦労を察し、珍しくクリスも彼女に同情してしまう。もしかしたら、普段のレイナの真面目な性格は、レイリを反面教師にして出来上がったのかもしれない。そんな風に考えながらレイリを振り解こうとしていたクリス達のもとに、別の用事で離れていたメアリが合流する。
「待たせてごめんなさい。人気の香水だったから、思った以上に並んでしまったの。レイリの方は⋯⋯⋯、聞かなくても良さそうね。というか聞きたくない」
とある店で香水を買おうとしたメアリは、行列に並ぶためレイリを二人に預け、ようやく買い物を終えて戻って来たのである。自分の買い物のための行列に、三人を付き合わせないように気を遣ったメアリだが、金を強請るレイリの姿を見て全てを悟り、「やっぱりか」と呆れていた。
「レイリ、だから競馬はやめなさいって言ったじゃない。どうせお小遣い全部ぶち込んだんでしょ?」
「だってだって、今日はアバランチア競馬場七百七十七周年の記念レースだから絶対勝てるはずだったのよ!」
「お祭りだから勝てるっていうその思考が完全に養分ね。どうせ負けるんだから博打卒業しなさい」
「無理。大勝ちした時の脳汁と、全てを失うかもしれないという極限の緊張感。博打に挑む時だけが、金は命よりも重いと実感できて汁止まんないのよ」
「反省しないわね、このカス」
「だからメアリ。お金貸して」
「ダ~メ♡ お馬さんはまた次の稼ぎが入ったらね」
今度はメアリに金を強請るレイリだが、やはりいつもの事なのか、簡単にあしらわれてしまう。それでも金を借りようとして、クリスのもとを離れてメアリの腕に抱き付き、如何にか貸して貰おうと甘えるレイリだが、金は一ベルたりとも出しては貰えなかった。
血の繋がりはないといえ、姉と呼んで慕ってはいるレイリの痴態と屑さに、レイナの頭痛は酷くなる一方である。こんな駄目な姉と毎日いるメアリの苦労を考えると、レイナは胃が痛くなる思いでもあった。
「すみません、メアリデーテさん。うちの姉がご迷惑を⋯⋯」
「いいのよレイナちゃん。それより、私がお店に並んでしまったから、面倒を押し付けてごめんなさいね」
「大丈夫です。レイリ姉の阿保さ加減には慣れてますから」
「そう言って貰えると助かるわ。それと、私のことはメアリお姉ちゃんって呼んでくれないかしら。クリスちゃんのお友達なら、私にとっては妹も同然だもの」
「そっ、それは流石に⋯⋯⋯」
「レイリの相手をしてくれてたお礼にリンゴ飴買って来たの」
「これからは是非メアリ姉と呼ばせて頂きます」
レイリのお陰と言うべきか、それとも彼女のせいと言うべきか、兎も角すっかり仲良くなったメアリとレイナであった。問題児の話題で意気投合した、女同士の同盟とでも呼べばいいのかもしれない。
こうしてメアリは、まだ腕に抱き付いて金を諦めないレイリを連れ、競馬場の出口へと向かっていく。その二人の後にレイナとクリスが続き、二人は今日何度目かも忘れた深いため息を吐いた。
「俺の姉もイカレた女だが、お前の方も相当だな」
「違いない⋯⋯。だがああ見えて、面倒見が良くて優しいところもある」
レイナの顔に、思い出を懐かしんだ柔らかな笑みが浮かぶ。彼女が持つ里の記憶の中で、唯一楽しいと思えた日々の記憶が蘇っていく。
「レイリ姉だけが、あの里で私を認めてくれた。だから私は彼女に憧れて、彼女が生み出した異端の技も学んだ」
「⋯⋯⋯」
「レイリ姉は見かけよりも良い姉だが、お前の姉上も素晴らしい人だ。何故お前がそこまで苦手とするのか理解に苦しむ」
「お前はまだメアリの恐ろしさをこれっぽっちもわかってねぇんだよ。俺の知る限り、この大陸で一番ヤバい女はあいつなんだ」
自身の血の繋がった姉でありながら、力強くそう断言してしまうクリス。照れ隠しで言っているのかと思ったレイナだが、隣を歩くクリスの顔は、明らかにメアリを恐れて怯え切っていた。
これは重症だと思い、レイナはクリスの顔から視線を逸らす。前を行くメアリとレイリの後姿は、何だかんだと言っても、仲睦まじい様子であった。
「⋯⋯⋯ぶっ飛んだ姉だが、尊敬はしてるぜ」
不意に漏れたクリスの本音に、思わず視線を向けそうになったレイナだが、彼の顔を見るのはやめた。今彼がどんな顔をして、どんな事を思い浮かべているのか、分かり切った事を確かめる必要はなかったからである。
大勢の観客が喚き散らす中、レイリもまた馬券を握りしめて叫び散らしている。罵声と怒号が飛び交う熱いレースを、レイリの背後から少し離れたレイナとクリスが、必死な彼女の背を冷めた目で眺めていた。
「これだからレイリ姉は⋯⋯⋯」
「あの博打狂い、本当にお前と同じ烈火式使いなのかよ」
「信じられないかもしれないが、レイリ姉は昔から博打好きの烈火式使いで、私よりも強かった」
レースの勝敗に必死なあの女が、レイナよりも強かったというのが、クリスはどうしても信じられないでいる。何故ならレイリは、この博打でとんでもない勝負に打って出ているからだ。
「そこだああああっ! 差せええええええええええええっ!! あたしの全財産かかってるんだからああああああああっ!!」
賭け始めた瞬間から連敗を重ね、最後の大勝負に打って出たレイリは、自分の有り金全部で馬券を買い、このレースに全てを懸けている。
しかも最悪なのは、これまでの負けを全て取り返そうとして、大穴狙いを仕掛けている点だ。確かに勝てれば大金が手に入るが、どう見ても博打狂いの賭け方である。
「七番来い! 七番七番七番七番、よっしゃあああああああっ!! キスしてあげるわ、もうちょいよ!!」
十頭が走るレースの中で、レイリが賭けたのは大穴の七番である。成績の悪い絶不調の馬だったのだが、熱を込めたレイリの声援のお陰か、ここに来て奇跡を起こす。最終コーナーで七番の馬が、一位を走る馬に追い付こうとしていたのだ。
「勝てこらあああああああああああああああっ!!! 負けたら馬刺しにしてやるううううううっ!!」
声援というより脅迫だが、彼女の願いが届いたのか、七番の馬はゴールに向けて加速していく。
「よしよしよし!! これで三連単もらったああああああああああああっ!!!」
だがここが、レイリの運の尽きだった。七番の馬を後続の二頭が加速して追い抜き、ゴールラインへと一直線に伸びていった。
「ほえっ⋯⋯⋯?」
加速が足りず、七番手は後続に抜かれて順位を四番に落とし、先頭を走っていた馬が一着でゴールする。続いて七番手を追い抜いた二頭も二着と三着でゴールし、レイリの馬は四着でレースを終えるのだった。
「いやあああああああああっ!!! あたしの全財産があああああああああっ!!!!」
絶望したレイリの絶叫も空しく、彼女の全てを懸けた馬券は紙屑と消えた。最早同情する気すら失せているレイナとクリスだが、これが博打狂いの哀れで悲しき背中なのだという学びは得ていた。
これで終わりかと思い、競馬場を出ようとする二人だったが、未だ戦う気力を失っていないレイリの神速の動きにクリスが捕まった。
「お願いクリス。お金貸して」
「ふざけんな! たった今全財産擦った奴に貸せるわけねぇだろ!」
「さっきのレース見たでしょ。最終コーナーからあたしの七番ちゃんが追い上げてきたじゃない。あれは絶対調子上げてきてる。だから次は間違いなく勝てるわ」
「七番だから縁起が良いって大穴賭けするような阿保を信用できるわけねぇだろ!」
「お金貸してくれたら~⋯⋯⋯、レイリお姉さんの体を好きにしてもいいのよ~♡」
「気色悪いんだよ! 誰がゲロ女を抱くかっての!」
自分の体を卑しく密着させ、クリスから必死に金をせびろうとしているレイリ。二人を見ていたレイナは、自身が姉と呼ぶ彼女の痴態に頭を悩ませ、珍しくクリスに同情していた。
「⋯⋯⋯許せ、破廉恥剣士。レイリ姉は昔から屑を極めているんだ」
「お前よくこんなのを姉にしたな⋯⋯⋯。この阿保、このままでいいのか?」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯提案なのだが、今からでもお互いの姉を交換しないか?」
「後悔してんのかよ」
昔のレイナの苦労を察し、珍しくクリスも彼女に同情してしまう。もしかしたら、普段のレイナの真面目な性格は、レイリを反面教師にして出来上がったのかもしれない。そんな風に考えながらレイリを振り解こうとしていたクリス達のもとに、別の用事で離れていたメアリが合流する。
「待たせてごめんなさい。人気の香水だったから、思った以上に並んでしまったの。レイリの方は⋯⋯⋯、聞かなくても良さそうね。というか聞きたくない」
とある店で香水を買おうとしたメアリは、行列に並ぶためレイリを二人に預け、ようやく買い物を終えて戻って来たのである。自分の買い物のための行列に、三人を付き合わせないように気を遣ったメアリだが、金を強請るレイリの姿を見て全てを悟り、「やっぱりか」と呆れていた。
「レイリ、だから競馬はやめなさいって言ったじゃない。どうせお小遣い全部ぶち込んだんでしょ?」
「だってだって、今日はアバランチア競馬場七百七十七周年の記念レースだから絶対勝てるはずだったのよ!」
「お祭りだから勝てるっていうその思考が完全に養分ね。どうせ負けるんだから博打卒業しなさい」
「無理。大勝ちした時の脳汁と、全てを失うかもしれないという極限の緊張感。博打に挑む時だけが、金は命よりも重いと実感できて汁止まんないのよ」
「反省しないわね、このカス」
「だからメアリ。お金貸して」
「ダ~メ♡ お馬さんはまた次の稼ぎが入ったらね」
今度はメアリに金を強請るレイリだが、やはりいつもの事なのか、簡単にあしらわれてしまう。それでも金を借りようとして、クリスのもとを離れてメアリの腕に抱き付き、如何にか貸して貰おうと甘えるレイリだが、金は一ベルたりとも出しては貰えなかった。
血の繋がりはないといえ、姉と呼んで慕ってはいるレイリの痴態と屑さに、レイナの頭痛は酷くなる一方である。こんな駄目な姉と毎日いるメアリの苦労を考えると、レイナは胃が痛くなる思いでもあった。
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「そっ、それは流石に⋯⋯⋯」
「レイリの相手をしてくれてたお礼にリンゴ飴買って来たの」
「これからは是非メアリ姉と呼ばせて頂きます」
レイリのお陰と言うべきか、それとも彼女のせいと言うべきか、兎も角すっかり仲良くなったメアリとレイナであった。問題児の話題で意気投合した、女同士の同盟とでも呼べばいいのかもしれない。
こうしてメアリは、まだ腕に抱き付いて金を諦めないレイリを連れ、競馬場の出口へと向かっていく。その二人の後にレイナとクリスが続き、二人は今日何度目かも忘れた深いため息を吐いた。
「俺の姉もイカレた女だが、お前の方も相当だな」
「違いない⋯⋯。だがああ見えて、面倒見が良くて優しいところもある」
レイナの顔に、思い出を懐かしんだ柔らかな笑みが浮かぶ。彼女が持つ里の記憶の中で、唯一楽しいと思えた日々の記憶が蘇っていく。
「レイリ姉だけが、あの里で私を認めてくれた。だから私は彼女に憧れて、彼女が生み出した異端の技も学んだ」
「⋯⋯⋯」
「レイリ姉は見かけよりも良い姉だが、お前の姉上も素晴らしい人だ。何故お前がそこまで苦手とするのか理解に苦しむ」
「お前はまだメアリの恐ろしさをこれっぽっちもわかってねぇんだよ。俺の知る限り、この大陸で一番ヤバい女はあいつなんだ」
自身の血の繋がった姉でありながら、力強くそう断言してしまうクリス。照れ隠しで言っているのかと思ったレイナだが、隣を歩くクリスの顔は、明らかにメアリを恐れて怯え切っていた。
これは重症だと思い、レイナはクリスの顔から視線を逸らす。前を行くメアリとレイリの後姿は、何だかんだと言っても、仲睦まじい様子であった。
「⋯⋯⋯ぶっ飛んだ姉だが、尊敬はしてるぜ」
不意に漏れたクリスの本音に、思わず視線を向けそうになったレイナだが、彼の顔を見るのはやめた。今彼がどんな顔をして、どんな事を思い浮かべているのか、分かり切った事を確かめる必要はなかったからである。
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