贖罪の救世主

水野アヤト

文字の大きさ
上 下
795 / 841
第五十九話 北へ

1

しおりを挟む
第五十九話 北へ






 ブラド公国は、次なる戦いを控えたヴァスティナ帝国にとって、戦略的な要所として扱われている。 
 以前までのこの国は、ジエーデル国の支配者バルザック・ギム・ハインツベントの手中にあった。ジエーデル国に対して各国が宣戦を布告した際、ブラド公国はジエーデル軍の生命線となり、この国を奪取せんと侵攻したヴァスティナ帝国国防軍と、激しい戦闘を繰り広げたのである。
 戦いは帝国国防軍の勝利に終わり、ブラドはヴァスティナ帝国の手に落ちた。以来この国は帝国の勢力下として、北方からの脅威に備えている。
 ブラド公国の北方には、北からの侵攻に備えた防衛線が構築され、帝国と公国の軍隊が配置されている。仮に北からの侵攻軍が現れても、容易く突破されないよう、防衛線には戦車や装甲車も配備され、常にそれらの砲口や銃口が防御を固めていた。
 侵攻を企てようとする者が賢ければ、誰もここへ侵攻しようなどとは考えないと、多くの者達がそう思った。帝国国防軍が誇る兵器の恐ろしさを知るなら、集中砲火を受けるこの地に、兵を突撃させようとは考えないからだ。

 しかしある日の早朝、万全の構えで構築されていたはずの防衛線に、突如として敵が襲撃を仕掛けた。奇襲には驚いたものの、帝国国防軍とブラド公国軍は敵を迎え撃った。 
 想定通りだったのは、侵攻してきた敵は北方の大国であった事だ。想定外だったのは、敵の先陣が魔物の大群だった事である。
 地を駆ける魔物の群れが、砲火を恐れず我先にと防衛陣地に飛び込んで、兵士達へと襲い掛かった。ゴブリンやオークなどの魔物を始め、狼や猪に虫の類の魔物種など、名を上げて言ったら切りがない程の群れである。
 人間と違い、魔物は恐怖を感じる事がない。龍種でも現れれば別だが、人間の操る武器を恐れる感覚を、多くの魔物は持ち合わせていなかった。強引に突破をしようとする魔物の大群と戦い、防衛線は大きな損害を被った。
 この魔物の群れは、ホーリスローネ王国軍が投入した、闇属性魔法を操る魔法兵部隊が召喚したものだ。本国防衛の切り札と呼ばれている部隊で、ジエーデル国との戦争時でさえ、前線に投入される事のなかった貴重な戦力である。
 
 召喚された大量の魔物が、防衛線に綻びを生み出した。その綻びを突く形で、ホーリスローネ王国軍の第二陣が攻撃を開始した。歩兵と騎兵が勢いに任せて雪崩れ込み、抵抗する防衛戦力との激戦を繰り広げたのである。
 帝国国防軍とブラド公国軍の奮闘も虚しく、防衛線は完全に崩壊し、残存戦力はブラド本土まで撤退。本土決戦の構えを取り、ブラドを死守するべく抵抗を行なっている。
 援軍を待ち続ける守備隊の残存戦力は約七千。対する王国軍は、各国の力を借りて三万の軍勢を投入した。ブラド本土を守る防御壁では、押し寄せる万の軍勢を相手に、現在も戦闘が継続している。
 前線で戦う守備隊の士気は、時間が経つにつれて低下していった。不利な戦況だからという理由もあるが、最大の原因は、ヴァスティナ帝国内で発生した反乱にあった。
 特に、「参謀長エミリオ・メンフィスの戦死及び、将軍リクトビア・フローレンスの生死不明」が、兵士達に大きな動揺を与えているのだった。









 ブラド公国は強固な防御壁によって、本土への敵侵攻を防いでいる。
 北方からブラドへ侵攻するルートは、たった一つだけ。そのルート上には、侵攻を阻止するための防御壁が待ち構え、現在守備隊と王国軍が戦闘を繰り広げている。
 ブラドの北方方面は山々に囲まれ、天然の要害となっている。防衛線を越えた先は、唯一の防御壁を攻め落とす以外に、侵攻可能なルートは存在しない。
 守備隊が防衛線を構築した理由は、最初から防御壁に籠る形では、帝国国防軍の機甲部隊を展開できないからだ。機甲部隊の火力を最大限発揮し、防御壁手前で敵侵攻を阻止する事が、帝国国防軍の防衛計画だった。
 対して王国軍側は、別方面への迂回などは考えず、防御壁まで守備隊を追い詰め、一気に攻め落とすべく全力攻撃を続けている。王国軍は持久戦ではなく、短期決着を望んでいるのは明らかだった。
 
 戦闘中の防御壁の内側では、防衛に参加する各部隊の兵士が、命懸けで敵の突破を防ぎ続けている。砲兵が榴弾砲で支援し、武器弾薬を抱えた兵士達が、防御壁で戦う味方のもとへ急ぐ。戦っている者達以外には、大勢の負傷兵が、後方へ下がれないまま動けずいる。戦死した者達の遺体も運ばれる事なく、その場に放置されている有様だった。
 怒号や悲鳴、矢継ぎ早の指示や、断末魔の叫びが飛び交う戦場で、兵士達は希望を失いかけていた。敵味方双方に広がっている、帝国内での反乱とリクトビア生死不明の報は、防衛側の彼らから戦う気力を奪っている。
 
「ちっ、血が⋯⋯、血が止まらねぇ⋯⋯⋯」
「傷口をしっかり押さえてろ! 誰か手を来てくれ! 誰か⋯⋯⋯!」

 傷口から血を溢れさせる仲間へ、必死に手当てを試みるも、この場でできる事には限りがある。今すぐ適切な処置を施せなければ、まず助からない重傷だ。
 酷い怪我を負ったこの兵士は、助けようとする彼にとって、家族でもなければ友人でもない。同じ軍隊で戦っている味方というだけだ。しかし、共に戦っている仲間であり、戦友であるからこそ、見捨ててはおけない。

「死にたくねぇよ⋯⋯⋯。母さん⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「⋯⋯⋯くそっ!! こんなところで死ぬんじゃねぇよ!」

 虚ろな瞳から光を失い、息絶えた戦友の死に逝く様が、瞳に焼き付いてしまう。そしてまた一人戦場で兵士が死ぬも、戦場全体で見れば、彼一人の死に悲しんでなどいられない。
 大勢の仲間が傷つき、死への誘いに恐怖しながら死んでいく。最終防衛線での攻防になるまでにも、多くの兵が戦場で命を散らせた。まだあの戦場には、回収も埋葬もされなかった遺体が置き去りにされている。

「畜生が! 王国の奴らが来なけりゃ、死なずに済んだんだ⋯⋯⋯!」

 ブラド攻略を急ぐホーリスローネ王国軍は、短期決着のためならば、どんな攻撃も試す構えである。緒戦の魔物の群れを始め、攻防戦には投石機や大砲、弩兵や魔法兵に至るまで全力投入されている。
 問題なのは、敵が王国軍のみならず、王国に協力する各国軍と、ゼロリアス帝国からの義勇軍で構成されている事だ。これらが集まって三万の軍勢となり、守備隊を激しく攻め立てている。厄介なのは、ゼロリアス帝国から派遣された義勇軍が運用する、人造魔人部隊であった。

 魔人とは、かつてローミリア大陸にいたと語られている、伝説上の存在である。人間と魔物の中間に位置する生物と言われており、エルフやケンタウロスなどと名付けられた魔人達が、この世にいたという。
 人造魔人とは、ゼロリアス帝国が非公式に研究を進めている、人工的に生み出した魔人を差している。ゼロリアス帝国の義勇軍が投入したのは、ボーゼアスの乱にも試験的に使われていたエルフに、新たに現れたハーピィとケンタウロスだった。
 ハーピィは、手足が鳥の羽になっている女獣人。ケンタウロスは、下半身が馬の姿となった男の獣人である。
 その内ケンタウロスに関しては、得意の速度と突破力を防御壁で阻んでいるお陰で、今のところ大きな脅威となってはいない。だがハーピィとエルフは、現状でも大きな脅威として守備隊を襲っている。
 ハーピィは自在に空を飛べるため、敵にとっては貴重にして強力な航空戦力だ。ハーピィは四体だけだが、高く築かれた防御壁を軽々飛び越え、真上から襲来するとあっては、銃器を使おうと対処は困難である。

 たった今、出血多量で死んだ兵士も、ハーピィに襲われた一人だった。鋭い鉤爪を持つハーピィは、獲物を襲う鷹のように迫り、その爪で易々と肉を抉るのだ。
 防御壁の上で戦う兵士達を、四体のハーピィが翻弄してまわる。そこに、防御壁外で弓を構えるエルフ四人が、指揮者などの兵を矢で狙撃していく。射程距離の長い特別製の弓が、エルフの手で正確無比な狙撃銃と代わり、徐々に被害を広げていった。

「これじゃ⋯⋯⋯、みんなやられちまう⋯⋯⋯」

 敵兵力は防衛側の三倍以上。これは一般的な兵法において、攻撃側が防御側を破るに必要な戦力数である。機甲部隊の損害は大きく、兵の士気は低下するばかりだ。幸い食糧備蓄は十分であり、持久戦になろうと戦闘は継続できるが、敵の猛攻を防げなければ意味はない。
 もう駄目だと、彼のように悲観する兵士は後を絶たない。北方の二大大国が本気で攻めてきたという事実が、彼らを殲滅せんと牙を剥いたのだ。ローミリア大陸で生きる人間ならば、絶望するのも仕方はないだろう。
 だがそれ以上に彼らから戦意を奪うのは、帝国国防軍内で起きた反乱の報である。何より、参謀長エミリオの戦死と将軍リクトビアの生死不明は、兵士達から英雄という名の希望を奪う。
 常勝不敗の天才軍師と、奇跡を起こし続けた救国の英雄の喪失。あの二人を失ってしまったら、彼らは敵に勝利する事もできず、戦う意味すら見失ってしまう。二人の存在は、兵士達にとってそれ程大きなものであり、帝国国防軍そのものと言っても過言ではない。

 しかし、エミリオとリクトビアを失ったとしても、彼らは戦わなくてはならなかった。自分達の祖国、ヴァスティナ帝国と女王のために戦い、愛する者達を命懸けで守る。それこそ、彼ら兵士の忠誠と戦う理由だ。
 彼らが兵士の務めを放棄すれば、敵が向ける矛先は、ヴァスティナへと向くだろう。守りたいと願う者達を守りたくば、彼らに後退は許されない。それが、国と女王に忠誠を捧げる、彼ら兵士の務めであり運命だ。
 二人の喪失は、この兵士達の意志が揺らぐ程の衝撃である。常に高い士気と、忠実さと、精強さを見せ続けた帝国国防軍の兵士達が、ここまで動揺し、戦いの放棄を考えてしまう。緒戦に防衛線が崩壊したのも、この動揺によるところが大きい。
 
「将軍、参謀長⋯⋯⋯。俺達はどうすりゃいいっていうんですか!?」

 まだ負けたわけではない。それなのに、戦う気力が湧いてこない。手足に力が入らず、武器を取って戦いに向かえない。命懸けで戦う仲間達がいるのに、彼を始めとした多くの兵が、戦いに絶望している。
 ここにはいない、二人の英雄に向けて叫ぶ彼の声は、戦場の騒音に混じって掻き消される。その時、叫び声を上げて項垂れた彼に、大きな影が覆い被さった。
 瞬間彼は、自分を殺すべく、ハーピィが襲い掛かってきたのかと錯覚する。違うと分かって顔を上げた彼が目にしたのは、全身鋼鉄の鎧を身に纏う、巨大な男の姿だった。

「大丈夫なんだな。みんな、オラが守ってみせるだよ」
「ゴリオン隊長⋯⋯⋯!」

 鉄壁の巨人として敵からは恐れられ、味方からは鉄壁の盾と呼ばれ敬愛されている、心優しき戦士。ヴァスティナ帝国国防軍、鋼鉄戦闘団隊長ゴリオンが、絶望する彼を見下ろして、優しい瞳を向けていた。
 苛酷な戦いの中、彼のような鉄壁の戦士でさえ、その身が傷だらけとなってしまっている。全身に纏った鎧につく無数の損傷が、戦いの激しさを物語る。鎧に守られているはずの肉体にも、多くの傷や打撲痕が隠れている。
 これらの傷は全て、ゴリオンが皆の盾となり続けた結果だった。防御壁外から撤退する際も、殿として戦い、最後まで一人でも多くの兵を生かそうとしたのは、ゴリオンと彼の隊だ。敵が未だ防御壁を突破できないのも、ゴリオン指揮のもと、鋼鉄戦闘団が奮闘している事が大きい。
 
 大勢の兵士が戦意を失っていく中でも、どんなに傷付こうと、犠牲を払おうと、鋼鉄戦闘団の兵は高い士気を維持し続けている。それは彼らが、隊長たるゴリオンと共に、最後まで戦いと強く願うが故だ。
 ゴリオンは、例え敵が何者であろうと、どれだけの数で押し寄せようと、決して仲間を見捨てない。仲間を守るためならば、自分の命すら犠牲にしようとする。愛する者と結ばれ、人生最高の幸福の中にいようと、その戦いぶりは変わらなかった。
 ゴリオンが誰よりも体を張っているのに、自分達が彼に続かないわけにはいかない。自分達もまた彼に守られ、今日まで生き抜いてこられた。生かされた恩を返すためにも、絶望している暇など彼らにはない。

「もう十分戦ってくれただよ。あとはオラに任せるんだな」
「しっ、しかしそれでは隊長が⋯⋯⋯!」

 得物たる鎖付きの大斧を担ぎ、傷だらけでも平気な顔をするゴリオンが、何をしようとしているのか。そんなものは、説明されるまでもなく分かってしまう。
 止めようとしても、彼は絶対に考えを変えないだろう。死地へ赴こうとするゴリオンに、上空にいたハーピィの一体が勘付いて、その足を止めるべく襲い掛かる。
 ハーピィの鋭利な鉤爪が、ゴリオンをの身を斬り裂こうとするも、その爪は彼の剛腕によって防がれた。腕の鎧が爪を通さず、防御したゴリオンがお返しとばかりに、大斧をもう片方の腕で振り上げ、一気に振り下ろす。
 攻撃を防がれたハーピィが動揺した隙を突き、空を切る轟音と共に刃が振られた。大斧はハーピィに直撃し、地面に向かい振り下ろされて叩き潰す。一撃でハーピィを粉砕したゴリオンは、再び大斧を担ぐと、防御壁の門前へと歩を進める。

 一部始終を見ていた兵士は、ゴリオンの背を黙って見送る事しかできずにいた。だが彼は、失いつつあった希望の灯が、再び燃え上がろうとしているのを感じる。
 鉄壁の盾、ゴリオン・シャオ。帝国最強の盾が、たった一人で敵軍に打って出る。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話

島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。 俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。

会うたびに、貴方が嫌いになる【R15版】

猫子猫
恋愛
長身の王女レオーネは、侯爵家令息のアリエスに会うたびに惹かれた。だが、守り役に徹している彼が応えてくれたことはない。彼女が聖獣の力を持つために発情期を迎えた時も、身体を差し出して鎮めてくれこそしたが、その後も変わらず塩対応だ。悩むレオーネは、彼が自分とは正反対の可愛らしい令嬢と親しくしているのを目撃してしまう。優しく笑いかけ、「小さい方が良い」と褒めているのも聞いた。失恋という現実を受け入れるしかなかったレオーネは、二人の妨げになるまいと決意した。 アリエスは嫌そうに自分を遠ざけ始めたレオーネに、動揺を隠せなくなった。彼女が演技などではなく、本気でそう思っていると分かったからだ。

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

二度目の結婚は、白いままでは

有沢真尋
恋愛
 望まぬ結婚を強いられ、はるか年上の男性に嫁いだシルヴィアナ。  未亡人になってからは、これ幸いとばかりに隠遁生活を送っていたが、思いがけない縁談が舞い込む。  どうせ碌でもない相手に違いないと諦めて向かった先で待っていたのは、十歳も年下の青年で「ずっとあなたが好きだった」と熱烈に告白をしてきた。 「十年の結婚生活を送っていても、子どもができなかった私でも?」  それが実は白い結婚だったと告げられぬまま、シルヴィアナは青年を試すようなことを言ってしまう。 ※妊娠・出産に関わる表現があります。 ※表紙はかんたん表紙メーカーさま 【他サイトにも公開あり】

この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。

天織 みお
恋愛
「おめでとうございます。奥様はご懐妊されています」 目が覚めたらいきなり知らない老人に言われた私。どうやら私、妊娠していたらしい。 「だが!彼女と子供が出来るような心当たりは一度しかないんだぞ!!」 そして、子供を作ったイケメン王太子様との仲はあまり良くないようで――? そこに私の元婚約者らしい隣国の王太子様とそのお妃様まで新婚旅行でやって来た! っていうか、私ただの女子高生なんですけど、いつの間に結婚していたの?!ファーストキスすらまだなんだけど!! っていうか、ここどこ?! ※完結まで毎日2話更新予定でしたが、3話に変更しました ※他サイトにも掲載中

うちの娘が悪役令嬢って、どういうことですか?

プラネットプラント
ファンタジー
全寮制の高等教育機関で行われている卒業式で、ある令嬢が糾弾されていた。そこに令嬢の父親が割り込んできて・・・。乙女ゲームの強制力に抗う令嬢の父親(前世、彼女いない歴=年齢のフリーター)と従者(身内には優しい鬼畜)と異母兄(当て馬/噛ませ犬な攻略対象)。2016.09.08 07:00に完結します。 小説家になろうでも公開している短編集です。

駆け落ち男女の気ままな異世界スローライフ

壬黎ハルキ
ファンタジー
それは、少年が高校を卒業した直後のことだった。 幼なじみでお嬢様な少女から、夕暮れの公園のど真ん中で叫ばれた。 「知らない御曹司と結婚するなんて絶対イヤ! このまま世界の果てまで逃げたいわ!」 泣きじゃくる彼女に、彼は言った。 「俺、これから異世界に移住するんだけど、良かったら一緒に来る?」 「行くわ! ついでに私の全部をアンタにあげる! 一生大事にしなさいよね!」 そんな感じで駆け落ちした二人が、異世界でのんびりと暮らしていく物語。 ※2019年10月、完結しました。 ※小説家になろう、カクヨムにも公開しています。

処理中です...