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第十七話 新しい明日へ 後編
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「そんな事があったんですの」
「あそこでリックが命令せぇんかったら、こんなに早く出してやれんかった。許してくれな、レイナっちは悪気があったわけやないんや。いきなり槍向けられてびびったやろ」
「とっても怖かったですわ。槍は向けられるし、殺気は恐いし、捕まえられるし、もう散々でしたわ」
釈放された経緯を聞かされ、自分の幸運に感謝しているミュセイラは、会議の場で自分を庇ってくれた者達に、心から感謝していた。
この国に訪れ、初めて出会った者達。ヘルベルト、アングハルト、ゴリオン、そしてシャランドラが、自分のために仲間達と争ったのだと思うと、胸が痛む。しかし、仲間達と口論してまで、シャランドラ達が自分を庇ってくれたという事実が、彼女は純粋に嬉しかった。
そう思うのも仕方がない。例の治癒魔法で治療し、怒りを買ってしまうのならば理解できる。だが、全く別の理由で拘束され、身に覚えのない事で疑われてしまったのだから、怒りたくもなった。
シャランドラ達は彼女を疑い、拘束したレイナ達と対立し、守ろうとしてくれたのだから、感謝もするし嬉しくも思う。
しかしそれよりも、気になる事がある。
参謀長リクトビアは、どうして自分をあっさり解放したというのか?彼女はそれが気になっていた。
「ん?なんやミュセイラっち、自分が解放された理由知りたそうやな」
「・・・・・顔に出てました?」
「顔に出てなくてもわかるで。いきなり捕まったと思ったら、今度は突然釈放やもんな。理由が知りたいんか?」
頷いて答えたミュセイラ。理由を知りたいと思うのは当然だ。
自分がどうして、参謀長命令により解放されたのか。解放されたのには、何か理由があるはずだ。その理由が、知りたかった。
「釈放した後どうしろとか聞いてないんやけど、理由が知りたいんやったら直接聞いてみたらええ」
「直接ですの?」
「そうや、うちが会わせたるわ。たぶんリックも、ミュセイラっちに会いたがってるはずやし」
初めからそのつもりだった。命令された時から、リックが彼女に興味を抱いているのは、勘でわかったのである。
彼は釈放命令以外何も言わなかったが、誰の相談も無しに彼が決めた事であるから、そう言う事なのだ。彼女に興味があるからこそ、すぐに解放したかったのだろう。
そう言う男なのだと、シャランドラはよく知っている。だからこそ勘が働いた。
「付いて来いや、執務室まで案内したるわ」
シャランドラが案内しようとしているのは、帝国軍参謀長の執務室。この時間ならば、彼はそこに居るはずだ。
恐らく彼は今日もその部屋で一日中、自分の職務に取り組むつもりだろう。
前はこうではなかった。あの日から、彼は変わってしまった。
何も知らないミュセイラは、シャランドラに案内されるまま付いて行く。己の目的のために、彼女自身がずっと会いたかった相手、リクトビア・フローレンスの執務室を目指し始めた。
「案内感謝致しますわ。それはそれとして、一つ質問したいのですけど」
「?」
「貴女の言葉遣い、絶対おかしいですわよ」
「余計なお世話や!!てか、ミュセイラっちがそれ言うんか!」
「あそこでリックが命令せぇんかったら、こんなに早く出してやれんかった。許してくれな、レイナっちは悪気があったわけやないんや。いきなり槍向けられてびびったやろ」
「とっても怖かったですわ。槍は向けられるし、殺気は恐いし、捕まえられるし、もう散々でしたわ」
釈放された経緯を聞かされ、自分の幸運に感謝しているミュセイラは、会議の場で自分を庇ってくれた者達に、心から感謝していた。
この国に訪れ、初めて出会った者達。ヘルベルト、アングハルト、ゴリオン、そしてシャランドラが、自分のために仲間達と争ったのだと思うと、胸が痛む。しかし、仲間達と口論してまで、シャランドラ達が自分を庇ってくれたという事実が、彼女は純粋に嬉しかった。
そう思うのも仕方がない。例の治癒魔法で治療し、怒りを買ってしまうのならば理解できる。だが、全く別の理由で拘束され、身に覚えのない事で疑われてしまったのだから、怒りたくもなった。
シャランドラ達は彼女を疑い、拘束したレイナ達と対立し、守ろうとしてくれたのだから、感謝もするし嬉しくも思う。
しかしそれよりも、気になる事がある。
参謀長リクトビアは、どうして自分をあっさり解放したというのか?彼女はそれが気になっていた。
「ん?なんやミュセイラっち、自分が解放された理由知りたそうやな」
「・・・・・顔に出てました?」
「顔に出てなくてもわかるで。いきなり捕まったと思ったら、今度は突然釈放やもんな。理由が知りたいんか?」
頷いて答えたミュセイラ。理由を知りたいと思うのは当然だ。
自分がどうして、参謀長命令により解放されたのか。解放されたのには、何か理由があるはずだ。その理由が、知りたかった。
「釈放した後どうしろとか聞いてないんやけど、理由が知りたいんやったら直接聞いてみたらええ」
「直接ですの?」
「そうや、うちが会わせたるわ。たぶんリックも、ミュセイラっちに会いたがってるはずやし」
初めからそのつもりだった。命令された時から、リックが彼女に興味を抱いているのは、勘でわかったのである。
彼は釈放命令以外何も言わなかったが、誰の相談も無しに彼が決めた事であるから、そう言う事なのだ。彼女に興味があるからこそ、すぐに解放したかったのだろう。
そう言う男なのだと、シャランドラはよく知っている。だからこそ勘が働いた。
「付いて来いや、執務室まで案内したるわ」
シャランドラが案内しようとしているのは、帝国軍参謀長の執務室。この時間ならば、彼はそこに居るはずだ。
恐らく彼は今日もその部屋で一日中、自分の職務に取り組むつもりだろう。
前はこうではなかった。あの日から、彼は変わってしまった。
何も知らないミュセイラは、シャランドラに案内されるまま付いて行く。己の目的のために、彼女自身がずっと会いたかった相手、リクトビア・フローレンスの執務室を目指し始めた。
「案内感謝致しますわ。それはそれとして、一つ質問したいのですけど」
「?」
「貴女の言葉遣い、絶対おかしいですわよ」
「余計なお世話や!!てか、ミュセイラっちがそれ言うんか!」
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