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第十六話 新しい明日へ 前編
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第十六話 新しい明日へ 前編
「はあ・・・・・・、地図通りならあと少しで・・・・・」
紙の地図を片手に、道を歩き続ける女性がいる。彼女は地図上に記された目的地を目指し、この地まで歩き続けて来た。
小休憩のためと、地図の確認のために立ち止まり、背中に背負ったリュックサックから、飲み水の入っている水筒を取り出す。蓋を開け、飲み口に口を付ける。
「んぐ・・・んぐ・・・・・ふう」
水を飲んだ彼女は、辺りを見まわし、遠くの景色に目を凝らした。
彼女の予想では、もうそろそろ目的地が視認できるはずで、道を間違えていなければ、目的地まであと少しなのである。
「見えましたわ・・・・・」
緑が溢れる周りの景色。緑の絨毯を思わせるこの草原の先に、目的地は見えた。
遠くの景色の先に見えたのは、城の城壁である。彼女が目指していたのは、あの城壁を築いた国だ。
「もう少しの辛抱ですわね」
ここまでの道のりは、本当に長かった。
女の一人旅というだけで大変であった。旅の資金は節約しなければならないし、野宿が必要だったり、魔物に襲われて逃げまわったり、とにかく大変だったのである。
その苦労がようやく報われた。
(楽しみですわ)
目的地を目指し、歩みを再開する。
自分の目指す先を思い、期待に胸を膨らませながら・・・・・・。
長い髪と、美しい青い瞳。旅の用具が入ったリュックを背負い、地図を左手に持って、彼女は歩く。
歳は十七歳。まだ若い彼女だが、ある目的のために、一人でこの地へとやって来た。女の一人旅という危険を冒してまで彼女が目指したのは、このローミリア大陸南に位置する、とある一国である。
この国は最近、南に位置するどこにでもある様な小国から、大きく変化しようとしている。その変化の先にあるものを求めて、彼女はここまでやって来たのである。
彼女の名は、ミュセイラ・ヴァルトハイム。
お嬢様言葉が入った、真面目で意外と頑固な性格の、大陸中央生まれの女の子である。
「はあ・・・・・・、地図通りならあと少しで・・・・・」
紙の地図を片手に、道を歩き続ける女性がいる。彼女は地図上に記された目的地を目指し、この地まで歩き続けて来た。
小休憩のためと、地図の確認のために立ち止まり、背中に背負ったリュックサックから、飲み水の入っている水筒を取り出す。蓋を開け、飲み口に口を付ける。
「んぐ・・・んぐ・・・・・ふう」
水を飲んだ彼女は、辺りを見まわし、遠くの景色に目を凝らした。
彼女の予想では、もうそろそろ目的地が視認できるはずで、道を間違えていなければ、目的地まであと少しなのである。
「見えましたわ・・・・・」
緑が溢れる周りの景色。緑の絨毯を思わせるこの草原の先に、目的地は見えた。
遠くの景色の先に見えたのは、城の城壁である。彼女が目指していたのは、あの城壁を築いた国だ。
「もう少しの辛抱ですわね」
ここまでの道のりは、本当に長かった。
女の一人旅というだけで大変であった。旅の資金は節約しなければならないし、野宿が必要だったり、魔物に襲われて逃げまわったり、とにかく大変だったのである。
その苦労がようやく報われた。
(楽しみですわ)
目的地を目指し、歩みを再開する。
自分の目指す先を思い、期待に胸を膨らませながら・・・・・・。
長い髪と、美しい青い瞳。旅の用具が入ったリュックを背負い、地図を左手に持って、彼女は歩く。
歳は十七歳。まだ若い彼女だが、ある目的のために、一人でこの地へとやって来た。女の一人旅という危険を冒してまで彼女が目指したのは、このローミリア大陸南に位置する、とある一国である。
この国は最近、南に位置するどこにでもある様な小国から、大きく変化しようとしている。その変化の先にあるものを求めて、彼女はここまでやって来たのである。
彼女の名は、ミュセイラ・ヴァルトハイム。
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