贖罪の救世主

水野アヤト

文字の大きさ
上 下
639 / 841
第四十話 破壊の神

しおりを挟む
「もうほんとびっくりしたんだよ。王子に会いに行って勇者に襲われるって、俺にもエミリオにも予想外だったからさ」

 ヴァスティナ帝国国防軍陣地、仮設作戦司令所。それは、帝国国防軍陣地内に設置された、作戦会議を行なうための天幕である。
 広く大きな天幕の中に、会議用の長机。机の上には、戦場となっている大平原の地図が広げられ、いくつかの駒が置かれている。長机の周りには椅子が置かれており、会議に集まった帝国国防軍の幹部達が、椅子に腰かけ、最高司令官である男の話に耳を傾けていた。
 最高司令官の席に座り、今日あった出来事の話をしているのは、ヴァスティナ帝国国防軍総帥リクトビア・フローレンス。親しい者達からはリックと呼ばれている、帝国の狂犬の異名を持つ将軍だ。
 
「ヴィヴィアンヌが来なかったら危うく殺されてた。ありがとう、助かったよ」
「閣下の身の安全を守るのが親衛隊の務めです。閣下にお怪我がなく、安心致しました」
「エミリオもありがとう。間に合ってなかったけど、俺の盾になってくれようとしただろ」
「感謝なんてとんでもない。寧ろ、何もできなかった私を許して欲しい」

 リックの感謝の言葉に答えたのは、帝国国防軍親衛隊隊長ヴィヴィアンヌ・アイゼンリーゼと、参謀長エミリオ・メンフィスである。二人共、彼の話題の現場にいたのだ。

「参謀長が謝る事ありませんわ。どうせこの人、殺しても死なないですもの」
「ミュセイラお前、後で絶対泣かす」

 お互い仲が悪いため、いつもの様にリック相手に火花を散らすのが、参謀のミュセイラ・ヴァルトハイムである。話を聞いていた彼女は、終始微塵も心配した素振りは見せず、寧ろ残念そうに話を聞いていた。
 彼女の他にも、帝国国防軍の幹部は揃い踏みである。
 各戦闘技術に長けた精鋭部隊を率いる、レイナとクリス、ヘルベルトやゴリオンやイヴに加え、第一戦闘団の指揮官アングハルトに、技術開発本部主任のシャランドラと、おまけでライガの姿もある。集まった者達の中で、現場にいた者以外はリックの語った話に驚き、興味津々な様子を見せていた。

 事件は夕方に起こった。
 グラーフ同盟軍の最高司令官アリオンへの挨拶に行ったリックは、そこで一人の勇者に命を狙われた。その勇者の名はルーク。大剣の勇者と呼ばれている、勇者連合所属の勇者である。
 だが彼には、もう一つの顔があった。それは、滅亡した大国オーデル王国の王子、ルーク・クラウダ・オーデルという顔である。彼は勇者であり、滅亡した国で生き残った、最後の王族だったのだ。

「隊長がぶっ殺したオーデルの王族の生き残りとはな。恨まれてもしょうがねぇか」
「勇者ってところが面倒やな。復讐に来るなら返り討ちにするとこやけど、連合と喧嘩になりそうやんか」
「関係ねぇよ。次やってきたら俺が叩き切ってやる」

 リックに復讐しようとしているルークは、彼によって家族を殺された。それがきっかけとなって、国も滅んだのである。家族と国の仇として、ルークはリックを殺そうとした。それだけの事があれば、恨まれるのも無理はない。

「将軍閣下。今の話で勇者の復讐の動機は理解できましたが、その後勇者はどうなったのでしょうか?」
「いい質問だなアングハルト。みんなも気になってるみたいだし、続きを話すか」

 夕方突然起こった勇者の復讐劇。あの後何が起きたのか、話の続きをリックは語り出す。
 時間は数時間前まで遡る⋯⋯⋯。









「リクトビア!!今ここで、兄さんと父さんの仇を討つ!」
 
 怒りと殺意に支配された剣幕で、リックを睨み付けたルーク。得物である自身の大剣を構え、切っ先をリックに向け、彼の命を奪う事だけに集中する。
 相手はリックが生んでしまった、過去の亡霊だった。口で説得できる相手ではない。彼の復讐を止めるためには、武力を行使する以外になかった。故に、復讐の刃からリックを守るため、槍を構えたレイナが彼の盾となり、ヴィヴィアンヌがルークの前に立ちはだかる。
 
「どけよ!!俺と戦うと怪我するぜ!?」
「特殊魔法が使える程度で吼えるな、腐った王族の亡霊が。貴様の国が滅んだのは、王族の業の深さだと知るがいい」

 ここでリックの命を奪おうとする、勇者ルークの刃を阻む存在は、現ヴァスティナ帝国最強と言える存在の、親衛隊隊長ヴィヴィアンヌだった。その彼女が、リックの命を脅かしたルークに対し、猛烈な怒りと殺意を放っている。勇者だけあり、ルークの実力は確かなものだが、纏う風格の大きさが、ヴィヴィアンヌの方が格上であると告げていた。
 ルークが動けば、ヴィヴィアンヌは彼よりも速く動き、得物である二本のナイフで、彼の首を一瞬で刎ねてしまうだろう。戦う前から、既に勝敗は決しているのだ。
 普段のルークであれば、相手との実力の差を直感で知る事が出来る。だが今の彼は、完全に冷静さを欠いている状態だった。実力差を感じていても、リックに対しての憎悪に駆られ、勝ち目のない勝負を挑もうとしてしまう。

「ヴィヴィアンヌと話してるところ悪いが、お前に殺されるわけにはいかない」
「!!」

 襲われた瞬間から、一言も発していなかったリックが、ルークに向けて口を開いた。
 自分の命を捨てるつもりはない。声を発したリックの顔は、ルークに対する同情も、己の行動に対する後悔も見せてはいない。ただ落ち着いてルークを見据え、言葉を続けた。

「あの王子も、あの王様も、俺がこの手で殺した。言っとくが、後悔は微塵もない」
「ああそうだろうな!お前は人殺しを愉しんでる糞野郎だ!!」
「奴らは許されない罪を犯した糞野郎共だったから、仲良くぶっ殺してやったんだよ」

 リックの脳裏に蘇る、絶望的な戦力差の戦いを強いられた、二つの戦争の記憶。どちらもそれは、大国オーデル王国との戦争だった。その戦争でリックは、今も忘れぬ多くの犠牲を払いながら、ヴァスティナという国のために戦った。
 
「自分達で国を腐敗させておきながら、王族に反発する民を納得させるため、無関係だった南ローミリアへの侵攻を企てた。あの二人を殺していなければ、ヴァスティナの街は焼かれ、民は死に絶えていた。国で善政を敷いていた女王陛下も、連中は処刑する気でいた」
「⋯⋯⋯⋯⋯!」
「俺達はな、お前の国の馬鹿共が力で侵略にやってきたから、守るべきもののために戦った。お前が俺を恨むのは仕方ない。だがお前は、オーデルとの戦いで死んでいった帝国の戦士達の仇として、俺に討たれる覚悟はあるんだろうな?」

 瞬間、リックの纏う空気が変わった。彼をよく知る者達は何度も感じた事のある、溢れ出して止まらなくなる彼の怒りと殺意だ。
 あの戦争で死んでいった者達を、リックは今も忘れてはいない。絶望的な戦局を覆す、奇跡の作戦。その作戦を成功させるために、彼は多くの兵士に「勝利のために死ね」と命令した。
 自分がもっと強ければ、もっと賢ければ、皆を死なせずに済んだかもしれない。今も尚、あの時の己の無力さを後悔し、二度と繰り返さぬと誓い続けている。そんな彼でも、「あいつらが侵略にやって来なければ」と思ってしまう。
 腐敗したオーデルの王族が、自分達を守るために始めた戦争。彼らさえいなければ、あの戦争で多くのヴァスティナの戦士達が、戦場で命を落とす事などなかった。

「俺を殺したければかかって来い。返り討ちにしてやる」
「閣下、この男の始末は私にお任せを。勇者と言えど、先に仕掛けた以上は死んで貰う」

 今もリックを苦しめる、自分とオーデルへの怒りと、失われた命への悲しみ。苦悩し続ける彼の心を、ヴィヴィアンヌは痛いほど知っている。だからこそ、彼女は目の前のルークを憎んだ。
 ここで殺しておかなければ、今後のリックの脅威となるだけでなく、彼を苦悩させる原因になり続ける。眼前で刃を向ける存在が、守るべきリックの癌であると考えたヴィヴィアンヌは、この場でルークを排除する気なのだ。今の彼女には、相手が勇者である事や、勇者連合との関係悪化など、全く眼中にはない。

「さあ、私に殺される覚悟が出来たなら向かって来い。まさか、あれだけ啖呵を切っておいて怖気付いたのか?」
「黙れよ!!それじゃあ望み通り、俺から行かせて貰うぜ!!」

 彼女を倒さなければ、リックを討つ事は出来ない。一歩も退く気を見せない彼女に、他の人間を巻き込みたくなかった彼は、覚悟を決めた。
 大剣の切っ先をヴィヴィアンヌへと向け、勇者ルークは力強く地面を蹴って駆け出そうとする。

「!?」

 ルークが駆け出そうとした瞬間、五人の兵士が飛び出して、彼を後ろと左右から取り押さえにかかった。兵士達は全体重をかけてルークに圧しかかり、彼の手足を掴んで自由を奪う。大剣を握っていた右手は、押さえつける力が特に強かった。
 五人の兵士は、ルークが身動きできないよう、身体を張って拘束したのである。その兵士達は、彼の周囲を取り囲んでいた同盟軍の兵士ではなく、リックを護衛していた、ヴァスティナ帝国国防軍の兵士であった。

「王子!どうかこの場は剣をお収め下さい!」
「なんだお前らは!?俺の邪魔をするんじゃねぇ!!」
「アイゼンリーゼ隊長は無敵です!王子の力では到底太刀打ちできません!」
「知るかよ放せ!!帝国の兵士なんかに心配されたくねぇよ!!」

 ヴィヴィアンヌの実力を知っている彼らからすれば、ルークを取り押さえる必要などない。何故なら、彼らがこんな事をしなくても、リックの安全は約束されているからだ。
 しかし彼らは、それを承知でありながら、ルークを王子と呼んで取り押さえたのである。その理由は、元々彼らがヴァスティナ帝国の兵士ではなかったからだ。

「我らは王子の顔を覚えておりましたが、王子はもうお忘れの様ですね」
「なに⋯⋯⋯!?」
「我らは、オーデル王国軍の生き残りです。ライオネス隊長が我々の指揮官でした」
「!!」

 身体の自由を取り戻すため、懸命に暴れていたルークの動きが止まる。取り押さえにかかった兵士の言葉で、ルークはようやく悟った。
 オーデル王国はヴァスティナ帝国との二度に渡る戦争で、国を支配する国王と王子を失った。それがきっかけとなり、独裁国家ジエーデル国の侵攻を許す事となり、国は滅亡したのである。ルークを取り押さえた兵士達は、国を守るために戦うも力及ばず、再起を図って脱出した、元オーデル王国軍王都守備隊の残党だった。
 生き残りを率いていた彼らの隊長は、ライオネスという男だった。彼は王国の残党軍を率い、ヴァスティナ帝国軍と共に、南ローミリア侵攻を企てたジエーデル国と戦ったのである。ライオネスと、彼が率いた残党軍の活躍もあって、帝国はジエーデルに勝利を収めたのだ。帝国にとっても、そして生き残った王国の兵士達にとっても、彼は英雄となった。

 そしてルークにとって、ライオネスは彼に剣を教えた者の一人だった。彼がまだ勇者ではなく、王国の王子だった頃、剣の扱い方や戦い方はライオネスに習ったのだ。自分の師とも言える男の事を、ルークは今でも覚えている。
 ライオネスを知っていた事で、ルークは彼らが本物の王国軍の生き残りだと知った。まさか、王国の滅亡の後も生き残っていた兵がいたと知らず、驚きを隠せないルーク。復讐の心は一旦忘れ、彼は生き残りの彼らに問いかけた。

「生き残った兵がいたなんて知らなかった⋯⋯⋯⋯⋯。じゃあ、ライオネスもここにいるのか!?」
「⋯⋯⋯⋯⋯何もご存知ないようですね。ライオネス隊長は既にこの世を去りました」
「しっ、死んだのか⋯⋯⋯!あのライオネスが!?」
「フローレンス将軍と共にジエーデルと戦い、負傷した兵を助けようとして戦死されました。隊長は最後まで、仲間思いの勇敢な御方でした⋯⋯⋯⋯!」

 師であるライオネスは、もう既にこの世にいなかった。何も知らなかったルークは、たった今聞いたライオネスの死の事実に耳を疑い、一人衝撃を受けている。
 話しはそれだけで終わらない。ライオネスが戦死したあの瞬間の、彼の最後の言葉を思い出しながら、兵士は言葉を続けた。

「ライオネス隊長の遺言に従い、ジエーデルとの戦いで生き残った我らは、そこに居られるフローレンス将軍閣下に従うと決めたのです」
「なんだって!?そいつは王国の敵だぞ!」
「我々にとっては違います。将軍閣下は残党であった我らに勝利をもたらし、ライオネス隊長の遺言に従って、我らを自軍に加えて下さったのです」
「ふざけるな!!そいつのせいで兄さんと父さんが死んだんだ!」
「⋯⋯⋯⋯⋯ライオネス隊長も仰っていましたが、それは自業自得の結果です」
「⋯⋯⋯⋯⋯!」

 王国が滅んだ後、生き残った彼らがどう生きてきたか、何も知らないルークからすれば耳を疑う話だ。怒りを覚える事でもある。元は王国に忠誠を誓った彼らが、憎むべき仇敵と言える存在に従い、今はこうして自分を拘束している。
 今の彼らは、ルークにとって敵と言えた。ライオネスの遺言の話も、彼にとっては信じられない話である。だがこれは、全て事実だった。

「国を出て勇者となった王子には理解できないでしょう。いや、王子は昔から、世の中の事が何も分かってはいなかった」
「どういう意味だよ⋯⋯⋯⋯!?」
「王子は城で守られて育ちました。だから王子は、王国の腐敗も、苦しむ民の姿も知らずにいた」
「そっ、それは⋯⋯⋯⋯」
「ヴァスティナ帝国は我々の敵ではなかった。国を腐敗させた者達の愚かな考えが、御二人を死なせ、国を滅亡させたのです。それなのに侵略者であった我々を、フローレンス将軍も女王陛下も快く迎え入れました」

 彼らの言う通り、当時リックも帝国女王も、生き残った彼らを咎める事はなく、新たな帝国の民として平等に扱った。だからこそ、今も彼らは帝国の兵士として、リックの護衛の任に就いたのである。
 そしてルークは、自分の存在、自分の言葉に、彼らが湧き上がる怒りを必死に抑えていると、ようやく気付く。滅亡する以前の王国を知る者達の前では、ルークは王国の事を何も分かっていなかった、無知で愚かな元王族だったのである。

「最初は千人いた仲間達も、ジエーデルとの戦いで七百となり、今日までの戦いで四百になりました。それでも、今日まで我々が生き抜いてこられたのは、あの日ライオネス隊長の遺言に従って下さったフローレンス将軍のお陰なのです」
「仲間達の中には、今の暮らしの中で結婚し、幸せな家庭を築いている者だっている。我々は将軍にお返し出来ない程の大恩があるんです。だから、あなたに将軍を殺させはしません」
「それでも我らは、一度はオーデル王国に忠誠を誓った兵士です。ここで将軍閣下への復讐を止めさせ、アイゼンリーゼ隊長からあなたの命を救う事を、最後の忠義とさせて頂きます」

 彼らはヴァスティナの兵としての責務を果たし、オーデルの兵であった事への忠義を示した。今は存在しない、一度は忠誠を誓った国と王族に対し、王族最後の生き残りであるルークの命を守る。それが彼らの、最後の忠義となった。
 彼らの忠義、彼らの言葉、彼らの怒りを知ったルークは、何も言い返せなかった。ルークは沈黙し、全身の力を抜いて抵抗を止めた。復讐の意志が消えたわけではないが、今は復讐の事よりも、彼らに言われた言葉が心に突き刺さっている。彼は今日、初めて自分の国の人々の、真の声を聞いたのだ。

 ルークを取り押さえていた彼らは、暴れなくなった彼の拘束を解き、後の事を周りの同盟軍兵士に任せて離れた。彼らはヴィヴィアンヌの前に横一列で並び、一人が代表して口を開く。

「アイゼンリーゼ隊長。どんな処罰も覚悟しております」
「閣下の命を狙う者を生かした罪は重い。わかっているな?」
「はい」

 彼らは自分達の忠義を果たし、自分達の罪から目を背けはしなかった。今の彼らはヴァスティナの人間であり、ヴァスティナ帝国と女王のために戦う兵士だ。国を守る軍隊の最高司令官であり、女王に絶対の忠誠を誓うリックを狙う存在は、決して生かしてはならない。
 彼らは覚悟を決め、処罰を受けるためにヴィヴィアンヌの前に並ぶ。処刑すら覚悟している彼らに、鋭い眼光のままヴィヴィアンヌが口を開きかけるが、それを止めたのはリックだった。

「ヴィヴィアンヌ、何もしなくていい。用は済んだから戻る」
「⋯⋯⋯⋯⋯了解致しました。貴様達、閣下の護衛に戻れ」
「しかし隊長、我らは⋯⋯⋯⋯⋯」
「聞こえなかったのか?貴様達の罪は閣下への忠誠で償えと言っている」
「⋯⋯⋯⋯⋯はっ!!」

 リックは彼らを咎めはしなかった。エミリオとレイナを連れ、振り返った彼はこの場を後にしていく。ヴィヴィアンヌの許しを得た彼らは、すぐさまリックのもとに駆けて行き、彼の護衛を再開するのだった。
 こうして、勇者ルークの復讐劇は誰の血も流れる事なく、沈みゆく夕陽と共に、一旦静かに幕を閉じたのである。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話

島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。 俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。

会うたびに、貴方が嫌いになる【R15版】

猫子猫
恋愛
長身の王女レオーネは、侯爵家令息のアリエスに会うたびに惹かれた。だが、守り役に徹している彼が応えてくれたことはない。彼女が聖獣の力を持つために発情期を迎えた時も、身体を差し出して鎮めてくれこそしたが、その後も変わらず塩対応だ。悩むレオーネは、彼が自分とは正反対の可愛らしい令嬢と親しくしているのを目撃してしまう。優しく笑いかけ、「小さい方が良い」と褒めているのも聞いた。失恋という現実を受け入れるしかなかったレオーネは、二人の妨げになるまいと決意した。 アリエスは嫌そうに自分を遠ざけ始めたレオーネに、動揺を隠せなくなった。彼女が演技などではなく、本気でそう思っていると分かったからだ。

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

二度目の結婚は、白いままでは

有沢真尋
恋愛
 望まぬ結婚を強いられ、はるか年上の男性に嫁いだシルヴィアナ。  未亡人になってからは、これ幸いとばかりに隠遁生活を送っていたが、思いがけない縁談が舞い込む。  どうせ碌でもない相手に違いないと諦めて向かった先で待っていたのは、十歳も年下の青年で「ずっとあなたが好きだった」と熱烈に告白をしてきた。 「十年の結婚生活を送っていても、子どもができなかった私でも?」  それが実は白い結婚だったと告げられぬまま、シルヴィアナは青年を試すようなことを言ってしまう。 ※妊娠・出産に関わる表現があります。 ※表紙はかんたん表紙メーカーさま 【他サイトにも公開あり】

この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。

天織 みお
恋愛
「おめでとうございます。奥様はご懐妊されています」 目が覚めたらいきなり知らない老人に言われた私。どうやら私、妊娠していたらしい。 「だが!彼女と子供が出来るような心当たりは一度しかないんだぞ!!」 そして、子供を作ったイケメン王太子様との仲はあまり良くないようで――? そこに私の元婚約者らしい隣国の王太子様とそのお妃様まで新婚旅行でやって来た! っていうか、私ただの女子高生なんですけど、いつの間に結婚していたの?!ファーストキスすらまだなんだけど!! っていうか、ここどこ?! ※完結まで毎日2話更新予定でしたが、3話に変更しました ※他サイトにも掲載中

うちの娘が悪役令嬢って、どういうことですか?

プラネットプラント
ファンタジー
全寮制の高等教育機関で行われている卒業式で、ある令嬢が糾弾されていた。そこに令嬢の父親が割り込んできて・・・。乙女ゲームの強制力に抗う令嬢の父親(前世、彼女いない歴=年齢のフリーター)と従者(身内には優しい鬼畜)と異母兄(当て馬/噛ませ犬な攻略対象)。2016.09.08 07:00に完結します。 小説家になろうでも公開している短編集です。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

処理中です...