贖罪の救世主

水野アヤト

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第三十七話 グラーフ同盟軍

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 翌朝、王国軍は行動を開始した。
 夜営陣地を引き払い、準備を済ませた王国軍は、ボーゼアス義勇軍撃破に向けて出発した。敵の夜襲で命を落とした仲間達を、その地に手厚く埋葬して⋯⋯⋯。
 先手必勝と言わんばかりの奇襲を許し、戦意を奪われた王国軍兵士達。だが彼らとて、仲間の兵士達を殺されて黙っていられるほど、臆病者ではなかった。彼らは仲間達の仇を取るために、戦場へと向かって行く。今の王国軍は、報復の心で士気を保っている状態と言えるだろう。
 そんな彼らの前に、いよいよ敵は姿を現わした。

 ボーゼアス義勇軍第六軍、兵力約五千。平野に現れた軍勢は、王国軍の正面に立ち塞がった。
 第六軍の目的は、この地域の村々ボーゼアス教を布教し、新たな信徒を迎えての戦力増強である。その活動中、この地域に王国軍が進軍してきたため、第六軍は迎撃のために打って出た。
 正面に展開しているのは、ボーゼアス義勇軍第六軍五千人の内の、約三千の兵力である。第六軍の後方には森林があり、その先には第六軍が駐屯している村がある。第六軍は三千の兵力を迎撃に向かわせ、残りは村の防衛に当たっていると、王国軍は予想していた。
 第六軍三千は、王国軍の攻撃に備え、撃破したジエーデル軍より回収した大砲を配備している。防御のために大砲陣地を構築し、兵力差に対抗する姿勢を見せていた。第六軍は十五門の大砲を備え、突撃してくるであろう王国軍に、正面から砲撃を行なう構えである。
 
 これに対し王国軍は、正面から敵の防御陣地に突撃を行なおうとしていた。大砲を備えた防御陣地とは言っても、強固に要塞化しているわけではない。構築されている陣地は、簡単に大砲や柵を備えただけのものである。正面突破が容易いのは、誰の目から見ても明らかだった。
 王国軍は、防御陣地正面に前衛部隊を展開している。前衛部隊を突撃させて防御陣地に雪崩れ込み、敵の士気を挫いて、一気に蹴散らしてしまうつもりなのだ。単純な作戦のようだが、王国軍には強力な魔法兵部隊もいるため、高い威力の支援攻撃が約束されている。魔法兵部隊に支援させた前衛部隊で、正面から敵の陣地を攻略する方が、素早く確実であると判断されたのだ。
 敵の撃破に手間取り、この地で時間をかけてしまえば、敵軍本隊から増援が送られてくる可能性がある。今後の作戦計画のためにも、長期戦を避けたい王国軍にとって、これはチャンスでもあった。

 短期決戦を望む王国軍と、兵力差に対抗して防御陣地で待ち構える、ボーゼアス義勇軍第六軍。
 対峙した両軍の戦闘が、今始まる。









「進めええええええええええええええっ!!」

 第六軍の防御陣地に向けて、王国軍歩兵部隊の突撃が開始された。
 槍や剣で武装する歩兵で構成された、王国軍の前衛部隊。指揮官から突撃の命令を受けた彼らは、空気を震わすほどの雄叫びを上げ、鎧を身に纏い、それぞれの武器を握り締め、防御陣地に向けて一斉に駆け出した。彼らの仕事は、敵防御陣地の大砲に取り付き、それを無力化する事である。大砲を制圧してしまえば、防御陣地の脅威は無くなり、本隊は安全に進軍する事が可能になるのだ。
 犠牲は覚悟の内である。前衛部隊は誇りを胸に、そして昨晩失われた仲間達の仇を取るために、大砲が待ち構える防御陣地に向け、勇敢に突撃していく。駆け出した前衛部隊は、遂に大砲の有効射程まで接近を果たした。

「来るぞおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 防御陣地からの砲撃が始まった。十五門の大砲が一斉に火を噴き、前衛部隊に向けて砲弾を放つ。放たれた砲弾は、突撃中の前衛部隊に次々と着弾していく。砲撃の威力は絶大であり、着弾した砲弾は兵士達を薙ぎ倒した。想定内の被害とは言え、十五門の大砲は前衛部隊を阻み、突撃する彼らの脚を鈍らせる。
 正確な砲撃が、必死に王国軍の進軍を止めようとしている。このままでは、味方に甚大な被害が発生し、前衛部隊の突撃が失敗してしまう。作戦通り、王国軍は魔法兵部隊を投入し、彼らに魔法攻撃支援を命令した。

「炎魔法部隊、攻撃を開始せよ!!」

 攻撃を開始した王国軍魔法兵部隊。二十人ほどの魔法兵が、炎属性魔法を発動して火球を生み出し、空へと目掛けて一斉に放った。生み出された火球は、大砲による砲撃のように発射されている。魔法兵部隊の目的は、敵の大砲による砲撃に対抗した、火球による砲撃支援である。
 一斉に放たれた火球は、敵の防御陣地に降り注ぎ、甚大な被害を与えるはずだった。だが、魔法兵部隊の火球攻撃は、想定外の方法で塞がれてしまったのである。
 突如防御陣地から放たれた、水属性魔法の水流攻撃。いくつもの水流が飛来する火球に向けて放たれ、水を炎にぶつけ、火球を消火してしまったのである。炎と水の魔法同士がぶつかり合った上空では、大きな水蒸気が上がるだけで、火球攻撃は残らず消し去られていた。

 敵は、魔法兵部隊を保有している。この事実は、王国軍全体を動揺させた。
 まさか正規軍ではない民兵が、貴重な戦力である魔法兵を保有しているなど、兵士達には予想外の事だったのである。しかもこの事実は、敵の水属性魔法の水流によって、こちらの魔法攻撃支援が無力化される事を意味している。突撃した前衛部隊は、支援攻撃なしでの前進を余儀なくされた。

「敵に魔法兵部隊!?そんな、あり得ない⋯⋯⋯!」

 王国軍本隊の中心で、馬に跨る王子アリオンは、自分の目と、兵士の報告に我が耳を疑っていた。
 自軍の魔法兵部隊の攻撃が、まさかこんな方法で防がれるとは思っておらず、彼もまた兵士達同様に動揺してしまっていた。
 
「あり得なくなどありません。これは戦争なのです」
「!?」
「敵の大砲はジエーデル軍から鹵獲した物。撃破したジエーデル軍の兵器だけでなく魔法兵部隊も手に入れるのは、決しておかしな話ではないでしょう」

 この状況で唯一冷静なのは、アリオンの傍に控える将軍ギルバートであった。
 全て予想通りだったと言わんばかりに、冷静沈着な彼の言葉は正しかった。ボーゼアス義勇軍は、多くの軍需物資を敵から得ている。戦って撃破した敵軍から物資を奪い、自軍を強化しているのだ。防御陣地に備えられた大砲も、ギルバートの言葉通り、ジエーデル軍から入手した物である。大砲だけでなく魔法兵部隊を捕縛し、それを自軍の戦力していても、何も不思議な事ではないだろう。

「魔法攻撃は続けるとしても、大した支援効果は望めないでしょう。作戦が正面突破である以上、前衛部隊に奮戦して貰うよりありません」
「だっ、だがそれでは、味方の被害が大きくなってしまう⋯⋯⋯!」
「仕方がありません。想定より被害は増えますが、前衛部隊を全力で防御陣地に取り付かせましょう」

 ギルバートの言葉は冷酷だったが、それ以外に手はなかった。
 幸い、強力な大砲で武装していると言っても、敵の陣地は魔法攻撃の支援無しでも攻略は可能である。前衛部隊がこの砲撃の中を突撃し、大砲に取り付きさえすればいいのだ。魔法の支援がない分、想定よりも多くの被害が出る事になるが、止むを得ない状況であった。

「今、我が軍を率いておられるのは王子です。覚悟を決めて頂きたい」
「くっ⋯⋯⋯!」

 まもなくアリオンは、前衛部隊へ突撃の継続を命じた。さらに彼は、前衛部隊に増援を投入し、攻撃の手を一層強めたのである。
 本来ならば、炎属性魔法の攻撃で大砲陣地に被害を与え、砲撃の手を緩めさせた隙を付いて、陣地に雪崩れ込むはずだった。そのための魔法攻撃が防がれている今、前衛部隊を死を覚悟して突撃していく。勇敢な王国軍の兵士達は、砲撃によって負傷した仲間や、息絶えてしまった仲間の亡骸を踏み越え、最前線を駆け抜けていく。
 
「もう少しだ!突撃せよおおおおおおおおおおおおっ!!」

 前衛部隊指揮官の命令が響き渡り、兵士達は砲撃を恐れず駆ける。たとえ近くに砲弾が落ちてきても、目の前を砲撃されようとも、命ある限り兵士達は前進していく。大きな被害を出しはしたが、彼らはあと少しで防御陣地に到達できる。大砲の懐にさえ入ってしまえば、後は容易い。
 しかし、ここで戦況は大きく変化した。前衛部隊が防御陣地に到達する、その直後に防御陣地に動きがあったのである。なんと第六軍は、すぐさま砲撃を停止し、防御陣地からの撤退を開始したのである。
 前衛部隊が到着する頃には、大砲陣地は既に蛻の殻であった。陣地には大砲と弾丸、それに火薬までもがそのまま残されており、砲兵は一人としていなかった。しかも、大砲陣地に取り付き、次々と大砲を制圧していく彼らを、第六軍は一切迎撃しなかったのである。
 防御陣地に到達した前衛部隊兵士が見たものは、そのまま残された大砲一式と、全力で逃げ去っていく第六軍の兵士達であった。

「敵が逃げていくぞ!」
「大方、大砲と魔法兵がいれば防ぎ切れると思っていたんだろう」
「所詮は民兵の集まりだ!恐れる事はない!」
「このまま追撃に移るぞ!進めえええええええええええええっ!!」

 大砲も魔法も恐れず突撃してきた王国軍に、第六軍は戦意を喪失して撤退を開始した。そう判断した前衛部隊は、独断で追撃戦を開始したのである。士気を向上させた前衛部隊は、逃げる第六軍の兵士達に狙いを定め、今度は追撃のために駆け出した。
 勇敢な前衛部隊の活躍によって、王国軍全体の士気が上がった。前衛部隊に続こうと、各部隊が追撃戦のために進軍を開始してしまう。昨晩の夜襲の借りを返そうと、王国軍の半数が独断による作戦行動を始めてしまった。

「追撃を止めるんだ!勝手な判断で動くんじゃない!!」

 撤退していく第六軍は、防御陣地の後方にある森林へと逃げていく。これが敵の罠であると見抜いたアリオンは、全軍に追撃中止を命令した。だが、独断で動いた部隊の多くは、アリオンの命令を黙殺し、追撃戦を継続してしまった。
 追撃中止の命令を聞かず、王国軍の半数が第六軍の後を追う。撤退した第六軍の大半は、後方の森林へと姿を消していく。逃げ遅れた兵士達は、王国軍前衛部隊に追いつかれ、残らず討ち取られた。これで益々士気を上げた兵士達は、そのままの勢いで逃げた敵を追いかけ、眼前の森林に突入していく。
 
 第六軍を追撃し、森林へと突入していった前衛部隊。その後に、独断専行した部隊が続いていく。アリオンが恐れていた事態は、直ぐに始まってしまった。
 森林の中に入り、生い茂る木々のせいで視界が悪く、逃げた第六軍を見失った前衛部隊の兵士達。そんな彼らを突如襲ったのは、どこからともなく放たれた無数の矢と、草木の中に隠れ潜んでいた伏兵であった。
 森林の中で奇襲攻撃をかけられ、大混乱に陥る前衛部隊。兵士達は敵の得物の餌食となり、何もできないまま次々と殺されていく。森林の中では、敵の奇襲攻撃と伏兵部隊の攻撃によって、王国軍にとっての地獄絵図が生み出されていた。
 森林で犠牲になる仲間を救うため、王国軍部隊が次々と森林へ突入していくが、仲間を救うどころか敵の餌食となり、結局は被害を拡大させるだけに終わった。敵が何処に潜んでいるかわからない戦場で、大混乱に陥っている部隊を救う事など、簡単にできるはずがないのである。
 アリオンからも前線の指揮官からも、各部隊に向けて、森林からの撤退命令が言い渡された。しかし、撤退を行なおうにも、敵の罠の中に深く侵入してしまったため、撤退は容易ではなくなってしまっている。罠から何とか生き残り、森林の外に出れた兵士達もいたが、大半は取り残されてしまっていた。

「このままでは多くの兵士達が⋯⋯⋯!全軍、直ぐに救出に―――――――――」
「お待ちください王子。正面の味方の救出は、あれを何とかしてからです」
「⋯⋯⋯!?」

 このままではいけないと、味方の救出へ向かおうとしたアリオンを制止させる、冷静なギルバートの言葉。彼は正面の前線ではなく、首を左へと向け、立ち並ぶ味方の軍団の先を見つめていた。
 指揮者として馬に跨っているお陰で、アリオンの視野は兵士達よりも広く、戦場をよく見渡せる。その彼が、ギルバートが視線の向ける先に見つけたのは、信じられない光景であった。いつの間にか、王国軍本隊の左側に、ボーゼアス義勇軍が出現していたのである。

「どうして⋯⋯⋯、敵があんなところに⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「左だけではありません。右にも敵が現れました」
「そんな⋯⋯⋯!?」
「我が軍は挟み撃ちにされましたな。左右の敵軍に対して迎撃を開始致しましょう」

 ギルバートの言葉通り、王国軍本隊の右側にも敵は現れていた。これで王国軍は、左右から挟み撃ちされる形となり、挟撃を仕掛ける敵軍の迎撃を余儀なくされた。
 突撃してしまった部隊と同じように、本隊の兵士達もまた、突然の敵襲に混乱に陥っている。正面の前線に気を取られていたせいで、左右からの敵の接近に、気付くのが遅れてしまったのだ。混乱しながらもどうにか迎撃態勢に入り、左右の敵軍の前に展開した王国軍だったが、予想もしていなかった挟撃に驚愕し、士気を低下させていた。

「左右の軍団を迎撃しつつ、如何にして正面の部隊を救出するか。厳しい戦いになりましたな、王子」
「⋯⋯⋯止むを得ない。本当は温存しておきたかったが、彼らの力を使うしかない」
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