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第六話 愛に祝福を 後編
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夢から覚めて、現実に引き戻された。
自室の窓から朝日が差し込み、その光によって目を覚ます。ベッドの上から体を起こし、先程まで見ていた夢を思い出した。
二年前、最後に彼女と直接会って話した、あの日。当時十歳だった自分と、五歳だった彼女との約束。
あの時二人は、一つの約束を交わした。現在は騎士見習いの、アニッシュ・ヘリオース。アニッシュは彼女に願われて、騎士を目指している。
現在の彼女は、チャルコ国の姫殿下、シルフィ・スレイドルフ。彼女はこの国の姫として、今日までその責務を、投げ出す事はなかった。
「シルフィ・・・・・」
彼女の名を呟く。自分がこの世界で、最も愛する彼女の名を。
懐かしい夢をアニッシュは見た。彼が本気で騎士を目指すようになった、そのきっかけの出来事を、夢で見た。何故、今になってこんな夢を見たのか。その理由は、今日執り行なわれる、儀式に関係している。
(約束、守れなかったよ・・・・・・)
彼女との約束のため、騎士になろうと今日まで、努力の限りを尽くし、辛く厳しい毎日を過ごしてきたアニッシュ。同年代の友達と遊ぶ時間さえ、鍛練に費やし、寝る間も惜しんで、騎士になるための勉強もしてきた。騎士になるために今日まで、許される全ての時間を、彼女との約束のために使ってきた。
真面目過ぎるアニッシュは、周りの騎士見習いたちから奇異の目で見られ、いつしか彼らから無視されるようになった。あまりにも必死な彼を、周りの見習いたちは、誰一人として理解せず、気持ち悪がったのである。
周りから孤立しながらも、アニッシュは全てを懸けていた。彼には周りなど関係なく、ただシルフィのために、全力で生きていただけなのだ。
だが、そんな生き方は終わりを迎える。騎士になる目標も失われた。
何故なら、彼女はこの国を去ってしまうのだから・・・・・・。
(ごめん、シルフィ・・・・・)
今日、チャルコ国の姫、シルフィは結婚する。相手はエステラン国の王子だ。
アニッシュにとって二人の結婚は、人生で初めて経験する、絶望と言えた。
自室の窓から朝日が差し込み、その光によって目を覚ます。ベッドの上から体を起こし、先程まで見ていた夢を思い出した。
二年前、最後に彼女と直接会って話した、あの日。当時十歳だった自分と、五歳だった彼女との約束。
あの時二人は、一つの約束を交わした。現在は騎士見習いの、アニッシュ・ヘリオース。アニッシュは彼女に願われて、騎士を目指している。
現在の彼女は、チャルコ国の姫殿下、シルフィ・スレイドルフ。彼女はこの国の姫として、今日までその責務を、投げ出す事はなかった。
「シルフィ・・・・・」
彼女の名を呟く。自分がこの世界で、最も愛する彼女の名を。
懐かしい夢をアニッシュは見た。彼が本気で騎士を目指すようになった、そのきっかけの出来事を、夢で見た。何故、今になってこんな夢を見たのか。その理由は、今日執り行なわれる、儀式に関係している。
(約束、守れなかったよ・・・・・・)
彼女との約束のため、騎士になろうと今日まで、努力の限りを尽くし、辛く厳しい毎日を過ごしてきたアニッシュ。同年代の友達と遊ぶ時間さえ、鍛練に費やし、寝る間も惜しんで、騎士になるための勉強もしてきた。騎士になるために今日まで、許される全ての時間を、彼女との約束のために使ってきた。
真面目過ぎるアニッシュは、周りの騎士見習いたちから奇異の目で見られ、いつしか彼らから無視されるようになった。あまりにも必死な彼を、周りの見習いたちは、誰一人として理解せず、気持ち悪がったのである。
周りから孤立しながらも、アニッシュは全てを懸けていた。彼には周りなど関係なく、ただシルフィのために、全力で生きていただけなのだ。
だが、そんな生き方は終わりを迎える。騎士になる目標も失われた。
何故なら、彼女はこの国を去ってしまうのだから・・・・・・。
(ごめん、シルフィ・・・・・)
今日、チャルコ国の姫、シルフィは結婚する。相手はエステラン国の王子だ。
アニッシュにとって二人の結婚は、人生で初めて経験する、絶望と言えた。
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