SUN×SUN!

楠こずえ

文字の大きさ
上 下
75 / 78

第6話:魔法のランプで大騒動(その15)

しおりを挟む
太陽の迫力に一瞬ひるむナオト。
そんなことお構いなく太陽は続ける。

「ま、ひまわりのすごさは、あんたみたいなインチキ占いしている偽者の占い師には分からないだろうけどな!」

痛いところをつかれて、ナオトはさらに何も言えなくなってしまう。
だが、だんだん怒りがこみあげてきた。

こんな占い素人に、自分の何が分かるのかと。
努力しても努力しても全く報われなくて、やっと手に入れたこの地位の何が悪いというのか。

苛立ちを抑えられなくなったナオトは、
「やめた!
せっかく助けてやろうと思ったが、やめた!
ずっとそのままの世界でいたらいい!」
と怒鳴ると、手に持っていたタロットカードを机にたたきつけた。

「ちなみに今日のおまえたちの運勢は、『タワー』のカードだ!
せいぜい困ったらいい!」

ナオトがそう言い終わると、また岩穴の中に静寂が戻ってきた。

いろんなことが一気に起こり過ぎて、頭の中がパニックになっていたひまわり。

しかし、冷静さを取り戻してくると、太陽がナオトにぶつけた
『ひまわりは将来、立派な占い師になるんだから、絶対渡さない!』
という言葉を思い出すと、急に恥ずかしくなってきたため、
「わ~っ!?
なんで桐島君、
私のつまらない情報まで話したんですか!?」
と叫んでしまった。

だが太陽はケロッとした表情で、
「だってひまわり、占いの才能あるじゃん」
と答える。

「え?」

ひまわりが首をかしげていると、太陽は、
「前に、おれがふった女の子のこと一生懸命占って的確なアドバイスしてあげてたし、魔法の呪文を見つけるきかっけも、おまえの占いのおかげだったし。
あのインチキ野郎よりははるかに才能があるから、絶対すごい占い師になるって」
と言う。

ひまわりは太陽に「将来占い師になる」なんて一言も言ったことはない。
どちらかというと、占い師になることに不安を感じている方なのに・・・
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...