42 / 78
第4話:魔法の杖と呪文(その17)
しおりを挟む
焦りからかどんどん心臓が高鳴っていく。
杖を握りしめる手にも汗がじっとりとにじむ。
太陽が倒れている今、
誰もひまわりに助言をくれる人もいない。
『落ちついてよく考えて!
どうしたらこの状況を打破できるのか!』
その時、杖と一緒に持ってきていた本が
ポウッと光りだした。
そしてひとりでにパラパラとページがめくれ出し、
パッとあるページが開く。
「え?何?」
ひまわりが恐る恐るそのページを見ると
『火』の絵が描いてあった。
「火?」
ひまわりが「火」という言葉を発した瞬間、
「ボッ!」と杖の先っぽから火が飛び出してきた。
「!?」
びっくりして思わず杖を地面に落としてしまう。
すると、火も同時に消えてしまった。
「ま・・まさか・・・」
ひまわりはもう一度本をバッと見る。
真っ白で何も書いてなかった本に
火の絵だけが描かれたページが現れている。
「やっぱり、そうだ・・・」
ひまわりの心臓は高鳴る。
「この本に現れた絵に関する魔法が
杖で使えるのかもしれない!」
「火」の絵が本に現れると同時に
「火」の魔法が使えるようになった。
これはきっと「偶然」ではないはずだ。
その瞬間、ひまわりの頭に
パッとあるアイデアが思い浮かぶ。
杖をギュッと握りしめ、
弱っている体をなんとか立ち上がらせた。
そして全身の力を杖に注ぎ込む。
自分の足と太陽に絡みついているツルの大元である
マンドレイクと結界に杖を向け、
呪文を唱えた。
「お願い!火の魔法よ!
このツルを焼き払って!」
その瞬間、辺り一面が魔法の力で
真っ白に輝いた。
その光は、
強いパワーを持っていて、
森でさまよっていた蛍に届くほどの威力だった。
突然明るく輝きだした空を見た蛍は、
「あの光・・・・まさか、ひまわりちゃんの力!?」
とびっくりする。
そして光に導かれるように蛍は走り出した。
するとどうだろうか。
先ほどまで
前に進んでも後ろに戻っても
全く出口を見つけられなかった迷路のような道が
元の一本道に戻っており、
蛍は簡単に
ひまわりと太陽を見つけることができたのだ。
「ひまわりちゃん!桐島!」
蛍に声をかけられ、
ハッと我に返ったひまわり。
「ふ・・深谷さん・・・」
蛍の顔を見て、急に緊張が緩んだのか、
ひまわりは、
その場にヘナヘナと倒れこんでしまった。
杖を握りしめる手にも汗がじっとりとにじむ。
太陽が倒れている今、
誰もひまわりに助言をくれる人もいない。
『落ちついてよく考えて!
どうしたらこの状況を打破できるのか!』
その時、杖と一緒に持ってきていた本が
ポウッと光りだした。
そしてひとりでにパラパラとページがめくれ出し、
パッとあるページが開く。
「え?何?」
ひまわりが恐る恐るそのページを見ると
『火』の絵が描いてあった。
「火?」
ひまわりが「火」という言葉を発した瞬間、
「ボッ!」と杖の先っぽから火が飛び出してきた。
「!?」
びっくりして思わず杖を地面に落としてしまう。
すると、火も同時に消えてしまった。
「ま・・まさか・・・」
ひまわりはもう一度本をバッと見る。
真っ白で何も書いてなかった本に
火の絵だけが描かれたページが現れている。
「やっぱり、そうだ・・・」
ひまわりの心臓は高鳴る。
「この本に現れた絵に関する魔法が
杖で使えるのかもしれない!」
「火」の絵が本に現れると同時に
「火」の魔法が使えるようになった。
これはきっと「偶然」ではないはずだ。
その瞬間、ひまわりの頭に
パッとあるアイデアが思い浮かぶ。
杖をギュッと握りしめ、
弱っている体をなんとか立ち上がらせた。
そして全身の力を杖に注ぎ込む。
自分の足と太陽に絡みついているツルの大元である
マンドレイクと結界に杖を向け、
呪文を唱えた。
「お願い!火の魔法よ!
このツルを焼き払って!」
その瞬間、辺り一面が魔法の力で
真っ白に輝いた。
その光は、
強いパワーを持っていて、
森でさまよっていた蛍に届くほどの威力だった。
突然明るく輝きだした空を見た蛍は、
「あの光・・・・まさか、ひまわりちゃんの力!?」
とびっくりする。
そして光に導かれるように蛍は走り出した。
するとどうだろうか。
先ほどまで
前に進んでも後ろに戻っても
全く出口を見つけられなかった迷路のような道が
元の一本道に戻っており、
蛍は簡単に
ひまわりと太陽を見つけることができたのだ。
「ひまわりちゃん!桐島!」
蛍に声をかけられ、
ハッと我に返ったひまわり。
「ふ・・深谷さん・・・」
蛍の顔を見て、急に緊張が緩んだのか、
ひまわりは、
その場にヘナヘナと倒れこんでしまった。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
大絶滅 2億年後 -原付でエルフの村にやって来た勇者たち-
半道海豚
SF
200万年後の姉妹編です。2億年後への移住は、誰もが思いもよらない結果になってしまいました。推定2億人の移住者は、1年2カ月の間に2億年後へと旅立ちました。移住者2億人は11万6666年という長い期間にばらまかれてしまいます。結果、移住者個々が独自に生き残りを目指さなくてはならなくなります。本稿は、移住最終期に2億年後へと旅だった5人の少年少女の奮闘を描きます。彼らはなんと、2億年後の移動手段に原付を選びます。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる