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第2話:魔法相談所開設(その8)
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その瞬間、ひまわりが立っている真下の床に
パアッと黄金色の魔法陣が現れた。
太陽が、初めてひまわりと会った時に見た
魔法陣と全く同じものである。
自分の見間違じゃなかったのだ!
太陽はうれしくなって叫ぶ。
「ひまわり!
魔法陣が現れたぞ!」
太陽の言葉に、真下を見てみると
ひまわりにもはっきり、
自分を中心に円を描く魔法陣が見えた。
「これが・・私の魔法陣なの!?」
だが、魔法陣に気をとられている場合ではなかった。
テーブルの上に置いてあった人形が
フワッと宙に浮かび始める。
そして、
ものすごい勢いで再び動き始めたため
太陽は見失わないように、懐中電灯で照らす。
「追いかけるぞ! 」
そう叫ぶと、太陽は猛ダッシュで走り出した。
紙人形はすごい勢いで
階段をひとっ飛びし、2階の奥の部屋に入っていく。
それに続いて、太陽も部屋に飛びこんだ。
「どこに行った?」
懐中電灯で部屋の中をあちこち照らしてみる。
すると、
人形は古いタンスの上でプカプカ浮いていた。
タンスの上はカゴがあって、
そこに何かがあるようだ。
太陽は近くにあったイスを踏み台にし、
「ヨッ」とかごの中をのぞいてみた。
かごの中には、
指輪やブローチなど
キラキラ光る宝石類の他にも、
ガラスの破片、ビー玉、
針金のハンガーなどがゴチャゴチャと入っている。
その真ん中で
ひと際キラキラ光を放つペンダントがあった。
それはまさしく
太陽たちが探していたモノだった。
「やった!ひまわり、見つけたぞ!」
その報告を受けたひまわりは、
「よかった・・」
とホッと胸をなでおろした。
「なんで、こんなところにペンダントがあったんでしょう?
ここ廃墟で、
人の出入りなんてほとんどない場所なのに・・・」
廃墟からの帰り道、
ひまわりは不思議に思い太陽に聞いてみた。
「恐らく、カラスのせいだろう」
「カラス?」
全く予想もしなかった答えに、びっくりする。
「ああ、ここに最初に来たとき、
たくさんのカラスが家の周りを飛んでいただろ?」
と太陽に言われ、「あ!」と思い出した。
確かに、
廃墟の周りをたくさんのカラスが飛んでいて
「不気味だなあ・・」と感じたことを思い出したのだ。
「カラスはキラキラした物を集める習性があるから、
何かの拍子で、
ペンダントを持ち主の家から盗んだのかもしれないな」
「なるほど、そうだったんですね」
説明を受けたひまわりは納得した。
すっかり夜は更け、
夜空では星がキラキラ輝いている。
ペンダントが見つかってホッとしたひまわりは、
「これでなんとか依頼を解決できて、本当によかったですね」
とうれしそうに話しかけると、
太陽が歩くの途中でやめ立ち止まったので、
「?」と振り返る。
「ひまわり・・・」
重々しそうな声で名前を呼ばれたため、
ひまわりは、また怒られるのかと思い、
「ハイ!?」とびびって返事をする。
だが太陽は、
「とりあえず、これからも頼む!」
と頭を下げお願いしてきたので、
「えっ!?」と驚いてさけんでしまった。
相変わらず、
太陽の言動にいちいちビクビクしてしまうひまわり。
プライドが高くて、威圧的で、
気に入らないことがあったらすぐすねて・・・。
最初はほんとに
どう接すればよいのか分からない気難しい性格だと思っていたが、
今日はそれ以外の太陽の素顔も見れた。
「悪かった」と照れながらも謝ってくれた太陽。
そして何よりも、
自分をその力強いパワーで支えてくれる太陽。
これから先、
何が起こるか分からないけれども、
太陽と一緒であれば、
きっとどんな問題でも乗りこえられる、
そんな勇気がわいてきた夜だった。
パアッと黄金色の魔法陣が現れた。
太陽が、初めてひまわりと会った時に見た
魔法陣と全く同じものである。
自分の見間違じゃなかったのだ!
太陽はうれしくなって叫ぶ。
「ひまわり!
魔法陣が現れたぞ!」
太陽の言葉に、真下を見てみると
ひまわりにもはっきり、
自分を中心に円を描く魔法陣が見えた。
「これが・・私の魔法陣なの!?」
だが、魔法陣に気をとられている場合ではなかった。
テーブルの上に置いてあった人形が
フワッと宙に浮かび始める。
そして、
ものすごい勢いで再び動き始めたため
太陽は見失わないように、懐中電灯で照らす。
「追いかけるぞ! 」
そう叫ぶと、太陽は猛ダッシュで走り出した。
紙人形はすごい勢いで
階段をひとっ飛びし、2階の奥の部屋に入っていく。
それに続いて、太陽も部屋に飛びこんだ。
「どこに行った?」
懐中電灯で部屋の中をあちこち照らしてみる。
すると、
人形は古いタンスの上でプカプカ浮いていた。
タンスの上はカゴがあって、
そこに何かがあるようだ。
太陽は近くにあったイスを踏み台にし、
「ヨッ」とかごの中をのぞいてみた。
かごの中には、
指輪やブローチなど
キラキラ光る宝石類の他にも、
ガラスの破片、ビー玉、
針金のハンガーなどがゴチャゴチャと入っている。
その真ん中で
ひと際キラキラ光を放つペンダントがあった。
それはまさしく
太陽たちが探していたモノだった。
「やった!ひまわり、見つけたぞ!」
その報告を受けたひまわりは、
「よかった・・」
とホッと胸をなでおろした。
「なんで、こんなところにペンダントがあったんでしょう?
ここ廃墟で、
人の出入りなんてほとんどない場所なのに・・・」
廃墟からの帰り道、
ひまわりは不思議に思い太陽に聞いてみた。
「恐らく、カラスのせいだろう」
「カラス?」
全く予想もしなかった答えに、びっくりする。
「ああ、ここに最初に来たとき、
たくさんのカラスが家の周りを飛んでいただろ?」
と太陽に言われ、「あ!」と思い出した。
確かに、
廃墟の周りをたくさんのカラスが飛んでいて
「不気味だなあ・・」と感じたことを思い出したのだ。
「カラスはキラキラした物を集める習性があるから、
何かの拍子で、
ペンダントを持ち主の家から盗んだのかもしれないな」
「なるほど、そうだったんですね」
説明を受けたひまわりは納得した。
すっかり夜は更け、
夜空では星がキラキラ輝いている。
ペンダントが見つかってホッとしたひまわりは、
「これでなんとか依頼を解決できて、本当によかったですね」
とうれしそうに話しかけると、
太陽が歩くの途中でやめ立ち止まったので、
「?」と振り返る。
「ひまわり・・・」
重々しそうな声で名前を呼ばれたため、
ひまわりは、また怒られるのかと思い、
「ハイ!?」とびびって返事をする。
だが太陽は、
「とりあえず、これからも頼む!」
と頭を下げお願いしてきたので、
「えっ!?」と驚いてさけんでしまった。
相変わらず、
太陽の言動にいちいちビクビクしてしまうひまわり。
プライドが高くて、威圧的で、
気に入らないことがあったらすぐすねて・・・。
最初はほんとに
どう接すればよいのか分からない気難しい性格だと思っていたが、
今日はそれ以外の太陽の素顔も見れた。
「悪かった」と照れながらも謝ってくれた太陽。
そして何よりも、
自分をその力強いパワーで支えてくれる太陽。
これから先、
何が起こるか分からないけれども、
太陽と一緒であれば、
きっとどんな問題でも乗りこえられる、
そんな勇気がわいてきた夜だった。
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