ＳＵＮ×ＳＵＮ！

第５話：コンビ解散？（その９）

一方、
自分の勝手な思い込みで
意味なく落ち込んでしまったひまわり。

家に帰ってきてからも
部屋にこもったままで、
ベッドの上でうつ伏せになって泣いていた。

大声で泣くと家族にどうしたのかと思われるため、
声を殺して泣いていたせいか、
少し頭痛がするようだ。

「いた・・・」

頭を軽く押さえながら、ムクリと起き上がる。
すると、机の上に置いた
ミニチュア版の魔法の杖が目に入った。

ひまわりは杖を手に取り、
胸の上でギュッと握りしめる。

「せっかく・・・
魔法の使い方が分かるようになったのに・・・。
でももう、私には必要がないんだ・・・」

魔法が使えるようになれば、
太陽のお手伝いももっときちんとできるようになれる、
そう信じてがんばってきたひまわりにとって、
今起こっている状況は
とても悲しいことだった。

なんだか不思議だ。

あんなに最初は太陽に無理やり引きずり込まれて、
わけの分からない手伝いをするのが
イヤでしかなかったのに。

それなのに、
今は逆に呼ばれないことが悲しくて、
このまま「コンビを解散する」と
太陽に宣言されるのが辛くて苦しいなんて・・・。

この不安定すぎる気持ちを
どうすればいいのだろうか・・・。

その時だ。

「ひまわりー、
雨夜さんっていう方からお電話よ」
と下から母が呼ぶ声がした。

「雨夜？」

つまりは太陽の親戚しんせきの名前だ。