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第5話:二人の夏休み(その2)

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おれは、あわててスマホを後ろに隠し、
「え!?あ!?
いや、別にそんなんじゃー・・・」
と、声を上ずらせながら答えると山根先生は『クスッ』と笑って、
「ほんと、高山はウソが下手だよな。
そんなんじゃ、いつかヒミツがバレてしまうぞ。
ちゃんと上手くやらなきゃ」
と言いながら、職員室を出て行った。

「え・・・」

って・・・

えーっ!?
なに、あの人!?

おれが生徒と付き合っていること知ってるの!?

なに?
そんなにおれ、バレバレの行動とってた!?

急に心臓が悪い意味でドキドキしてきたが、山根先生が再び職員室のドアから顔を出して、
「高山」
と、声をかけてきたので、ビックリして『ヒヤッ!?』と飛び上がってしまった。

山根先生はニコッと笑って、
「大丈夫、おれはおまえの味方だよ」
と言って去って行った。

おれはしばらく呆然と立っていたが、
「ふう・・・」と暑さと緊張で額ににじみ出てきた汗をぬぐった。

「さすが、生徒と結婚しただけあって、なんか・・・いろいろとすごいな、あの人・・・」

山根先生がどこまで知っているのか分からないけれど、「味方」だと言ってくれるから、信じよう。

「というか、天文部の活動が始まるじゃん!
急いで行かないと!」

顧問を務める天文部の活動が10時から始まる。

時計を見ると、10時5分前。

おれはあわてて、資料を抱えて職員室を出ようとした時、『ピピピ!』とスマホの音が鳴った。

「なんだ、なんだ?こんな時に・・・」

と画面を見ると・・・
それは西森からのメールだった。

おれはあわててメールを開く。

『先生、今日の夜、一緒にご飯を食べませんか?』

え?

ええっ!?

まさかの西森からの「ご飯のお誘い」が着た!?

おれは信じられない出来事に、ビックリして、スマホを危うく落としそうになった。
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