48 / 201
第3話:ドキドキ初デート(19)
しおりを挟む
カフェで幸せ気分に浸りながら、西森と食事をしていると、
「えー、『ラブラブ・ランチ』の邪魔をして、申し訳ございませんが、そろそろプラネタリウムが始まりますので」
と、涼介が割り込んできた。
おれは腕時計を見て、
「あ、もうそんな時間だったっけ?
じゃ、西森、行こうか」
と、あわてて席を立つ。
西森も残っていた紅茶を全部飲み干すと、
「ごちそうさまでした」
と言って席を立ち、おれ達はプラネタリウムに向かった。
涼介は廊下を歩きながら、説明を始める。
「今から上映するプログラムは、今夜見える星や星座をドームに映し出して施設の職員が解説するモノなんだけど・・・」
「いいじゃん。
でも、何?『なんだけど・・・』って、何か不都合でもあるのか?」
おれが疑問に思っていると、急に涼介が『ポン』とおれの背中を叩き、
「お客は流星と夏菜ちゃんの2人だけだから、職員の代わりに流星が星空の解説をしてやって♪」
と、ニヤニヤしながら言ってきた。
「え!?」
おれは、涼介からの突然の提案にビックリして思わず大きな声で叫んでしまった。
なんだ!?
その気の利き過ぎたサービスは!?
プラネタリムを西森と二人きりで貸し切るだけでもぜいたくなことなのに、おまけにおれに解説をさせてくれるなんて!?
急展開にアワアワしていると、西森が横からヒョコッと顔を出し、
「先生、星の解説できるんですか?」
と聞いてきたので、
「で、できるに決まっているだろ!
これでも一応『地学教師』ですよ!
西森に『さすが!』と言わせてみせるからな!」
と、かなり大見栄を張ってしまった。
そう言った後で、『大丈夫かな・・・』とちょっと不安を感じてしまったが、言い切ったからにはやるしかない。
そんな様子をニコニコしながら見ていた涼介は、
「了解。
じゃあ、解説は流星に頼んだから、2人きりのプラネタリウム、楽しんでくれよ」
と言って、プラネタリウムのドアを開けた。
室内からひんやりとした空気が、外に流れ出る。
一歩足を踏み入れると、薄暗い室内が、なぜかおれを緊張させていく。
こんな広いプラネタリウムの空間をおれと西森の2人で「フタリジメ」できるなんて・・・。
しかも上映が始まれば、辺りは真っ暗になって、天井には満天の星空が広がる。
さっき車の中で、「両想いになるまでは一線を越えません」宣言をしたが、ヤバい、何かしでかしたらどうしよう・・・。
そんなことをモンモンを考えていると西森が、
「先生、どこに座ります?」
と聞いてきたので、ハッと我に返った。
西森がキョロキョロと周りを見回し、
「どこに座っても大丈夫ですか?」
と聞いてきたので、
「ちょっと待て。ベストポジションがあるから」
と、おれはグルッと天井のドームを見上げた。
「あっちが南側だから、こっちの北側の席に座ろう。」
そう言って席を選び始めると、西森が、
「なんで北側の方がいいんですか?」
と質問してきた。
おれはドームの南側の方向を指さし、
「ほら、星空を思い出してくれ。
季節の星座は南側の空を動いていくだろ?
プラネタリウムも同じで、南側の天井に季節の星座が映し出されるから、北側の席に座った方が見えやすいんだ。」
と簡単に説明をした。
おれとしては大したことを言ったつもりはなかったのだが、急に西森がグイッと上着を引っ張ってきたので、驚いて振り返る。
すると、西森は目をキラキラさせながら、
「先生、すごいですね!」
と言った。
「え?すごい?」
西森から褒められた記憶がほとんどないおれは、思わず聞き返してしまった。
西森は「うん」とうなずき、
「いつもは『ダメ教師』なのに、星のことになると、ほんと別人みたいに活き活き輝いちゃうんですね。
ちょっと見直しました。」
と言って、おれに微笑みかける。
これは夢か・・・。
思わずホッペをつねってしまった。
西森がおれを褒めてくれた上に、さらには少し見直してくれたなんて・・・。
それだけで幸せ過ぎて舞い上がりそうだったが、これぐらいで褒められて満足している場合では無い。
西森の中ではまだおれは「ダメ教師」である。
よし!ここからが本番だ!
おれは西森にスッと手を差し出した。
「では、今から素晴らしい『夜空の旅』に西森を連れて行くから、さ、手を出して」
我ながら「恥ずかしい」ことを言っているような気がしたが、今さら差し出した手を引っ込めることもできず、西森が動いてくれるのを待った。
西森は差し出された手とおれの顔を交互に見て、ちょっと戸惑っている様子だ。
しかし、
「せっかくちょっと見直したわけですから、再びガッカリさせないでくださいよ」
と言うと、おれの手を取った。
おれの大きな手と、西森の小さな手がギュッとつながれる。
そのまま西森を座席までエスコートし、着席して天井を見上げた。
さあ、2人だけのプラネタリウムの開演だ。
「えー、『ラブラブ・ランチ』の邪魔をして、申し訳ございませんが、そろそろプラネタリウムが始まりますので」
と、涼介が割り込んできた。
おれは腕時計を見て、
「あ、もうそんな時間だったっけ?
じゃ、西森、行こうか」
と、あわてて席を立つ。
西森も残っていた紅茶を全部飲み干すと、
「ごちそうさまでした」
と言って席を立ち、おれ達はプラネタリウムに向かった。
涼介は廊下を歩きながら、説明を始める。
「今から上映するプログラムは、今夜見える星や星座をドームに映し出して施設の職員が解説するモノなんだけど・・・」
「いいじゃん。
でも、何?『なんだけど・・・』って、何か不都合でもあるのか?」
おれが疑問に思っていると、急に涼介が『ポン』とおれの背中を叩き、
「お客は流星と夏菜ちゃんの2人だけだから、職員の代わりに流星が星空の解説をしてやって♪」
と、ニヤニヤしながら言ってきた。
「え!?」
おれは、涼介からの突然の提案にビックリして思わず大きな声で叫んでしまった。
なんだ!?
その気の利き過ぎたサービスは!?
プラネタリムを西森と二人きりで貸し切るだけでもぜいたくなことなのに、おまけにおれに解説をさせてくれるなんて!?
急展開にアワアワしていると、西森が横からヒョコッと顔を出し、
「先生、星の解説できるんですか?」
と聞いてきたので、
「で、できるに決まっているだろ!
これでも一応『地学教師』ですよ!
西森に『さすが!』と言わせてみせるからな!」
と、かなり大見栄を張ってしまった。
そう言った後で、『大丈夫かな・・・』とちょっと不安を感じてしまったが、言い切ったからにはやるしかない。
そんな様子をニコニコしながら見ていた涼介は、
「了解。
じゃあ、解説は流星に頼んだから、2人きりのプラネタリウム、楽しんでくれよ」
と言って、プラネタリウムのドアを開けた。
室内からひんやりとした空気が、外に流れ出る。
一歩足を踏み入れると、薄暗い室内が、なぜかおれを緊張させていく。
こんな広いプラネタリウムの空間をおれと西森の2人で「フタリジメ」できるなんて・・・。
しかも上映が始まれば、辺りは真っ暗になって、天井には満天の星空が広がる。
さっき車の中で、「両想いになるまでは一線を越えません」宣言をしたが、ヤバい、何かしでかしたらどうしよう・・・。
そんなことをモンモンを考えていると西森が、
「先生、どこに座ります?」
と聞いてきたので、ハッと我に返った。
西森がキョロキョロと周りを見回し、
「どこに座っても大丈夫ですか?」
と聞いてきたので、
「ちょっと待て。ベストポジションがあるから」
と、おれはグルッと天井のドームを見上げた。
「あっちが南側だから、こっちの北側の席に座ろう。」
そう言って席を選び始めると、西森が、
「なんで北側の方がいいんですか?」
と質問してきた。
おれはドームの南側の方向を指さし、
「ほら、星空を思い出してくれ。
季節の星座は南側の空を動いていくだろ?
プラネタリウムも同じで、南側の天井に季節の星座が映し出されるから、北側の席に座った方が見えやすいんだ。」
と簡単に説明をした。
おれとしては大したことを言ったつもりはなかったのだが、急に西森がグイッと上着を引っ張ってきたので、驚いて振り返る。
すると、西森は目をキラキラさせながら、
「先生、すごいですね!」
と言った。
「え?すごい?」
西森から褒められた記憶がほとんどないおれは、思わず聞き返してしまった。
西森は「うん」とうなずき、
「いつもは『ダメ教師』なのに、星のことになると、ほんと別人みたいに活き活き輝いちゃうんですね。
ちょっと見直しました。」
と言って、おれに微笑みかける。
これは夢か・・・。
思わずホッペをつねってしまった。
西森がおれを褒めてくれた上に、さらには少し見直してくれたなんて・・・。
それだけで幸せ過ぎて舞い上がりそうだったが、これぐらいで褒められて満足している場合では無い。
西森の中ではまだおれは「ダメ教師」である。
よし!ここからが本番だ!
おれは西森にスッと手を差し出した。
「では、今から素晴らしい『夜空の旅』に西森を連れて行くから、さ、手を出して」
我ながら「恥ずかしい」ことを言っているような気がしたが、今さら差し出した手を引っ込めることもできず、西森が動いてくれるのを待った。
西森は差し出された手とおれの顔を交互に見て、ちょっと戸惑っている様子だ。
しかし、
「せっかくちょっと見直したわけですから、再びガッカリさせないでくださいよ」
と言うと、おれの手を取った。
おれの大きな手と、西森の小さな手がギュッとつながれる。
そのまま西森を座席までエスコートし、着席して天井を見上げた。
さあ、2人だけのプラネタリウムの開演だ。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
今、夫と私の浮気相手の二人に侵されている
ヘロディア
恋愛
浮気がバレた主人公。
夫の提案で、主人公、夫、浮気相手の三人で面会することとなる。
そこで主人公は男同士の自分の取り合いを目の当たりにし、最後に男たちが選んだのは、先に主人公を絶頂に導いたものの勝ち、という道だった。
主人公は絶望的な状況で喘ぎ始め…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる