上 下
45 / 201

第3話:ドキドキ初デート(16)

しおりを挟む
西森から距離をとったところで、涼介はつかんでいた腕を離す。

「お、おい、涼介!急になんだよ!」

「『なんだよ!』は、こっちのセリフだ!!
誰を連れてくるのかと思ったら、自分の生徒かよ!?
おまえ、マジで生徒に手を出しちゃったわけか!?」

事前に何も知らされてなかった涼介は、おれが連れてきた「彼女らしき女の子」が未成年でかつ、おれの生徒だったことに驚いて動揺しまくりだ。

と、とりあえず、涼介を落ち着かせよう。

「手は出してない・・・、というか未遂?」

「未遂!?」

おれの語彙力の無さのせいで、さらに涼介を興奮させてしまった。

「おいおい!?
お互いが合意の上ならまだしも、未遂って、もっとヤバいヤツだぞ!?
おまえ、いつか新聞に記事が載るぞ!?
『先生が生徒に手を出した』って!」

涼介は真剣におれのことを心配してくれているようだ。

おれはあわてて、
「ごめん、ごめん!
おれの言い方が悪かった!
未遂じゃなくて、いろいろな事情があって、今、西森はおれの『仮の彼女』になってくれているんだ」
と、訂正したが、
「仮の彼女って、おまえ、それもなんだよ!?
なんかいろいろ言い訳しているけど、結局、流星があの子に手を出したことは間違いないわけだろ?」
と、ズバッと指摘され、
「は、はい・・・。
不覚にも「好き」になってしまったわけで・・・」
と、自分の犯した罪を白状した。

涼介は「はああ・・・」と大きくため息をつき、完全に呆れた目でおれを見た。

「マジかよ・・・。
昔のおまえなら、絶対あの子みたいな真面目で優等生タイプの女子を好きになったりしなかっただろ?
もっと胸が大きくて、いかにも派手なタイプばっかりで・・・」

そう言いかけた涼介の口を、おれはあわててふさいだ。

「んんん~!?」

突然口をふさがれた涼介はビックリして、おれの方を見る。

おれは人差し指で「しーっ!」とジェスチャーをして、
「西森の前で『昔の彼女は胸が大きかった』とか絶対言うなよ!?」
と、涼介に言った。

おれの必死さが伝わったのか、涼介は「うんうん」とうなずく。

「胸」の話は、西森の前では絶対言ってはいけない話題だ。

なぜかは分からないが、西森は自分の胸が小さいことを気にしているからだ。

一通り、おれから西森のことを聞いた涼介は、
「まさか、こんなことになっているとは思ってなかったけど、『好き』になる気持ちは止められないからな・・・」
と半分あきらめたような口調でつぶやいた。

「うん、いろいろゴメン・・・。
でも、西森、今日ここに来ることを本当に楽しみにしていたから、案内頼む!」

おれが必死に頼むと涼介は、
「分かったよ。
先生と生徒の秘密のデートの手助けしてやるから、西森ちゃん、連れて来いよ」
と苦笑しながらも快諾してくれたので、
「分かった!すぐ連れてくる!」
と言って、急いで西森を迎えに走った。

1人放置されていた西森は、おれが戻ってくると、
「お友達さんと何を話していたんですか?」
と目をパチクリさせながら聞いてきた。

「え!?」

まさか『昔の彼女』の話をしていたなんて、言えるはずもない。

だけど、下手にウソをついてもすぐに西森に見破られそうなので、ある程度本当のことを話さねば。

「えーと・・・、そのお説教・・・。」

「お説教?」

西森は首をかしげる。

「教え子に手を出すとか『ありえない』って叱られていました・・・」
と正直に話すと、西森は、
「確かに、そうですよね」
と言って、おれを置いてさっさと歩き始めた。

つ・・・冷たい態度・・・。

少しぐらい彼女っぽく「私も先生のことが好きだから、気にしないでいいですよ」ってなぐさめてくれもいいのに、なんて思ってしまったけど、完全なるおれの『片思い』だから、仕方が無い。

と、がっくり肩を落としていると、急にグイッと上着を引っ張られた。

「へ?」

驚いて顔を上げると、いつの間にか西森が戻ってきているではないか。

「ほら、早く!
そんなところで突っ立っていないで、さっさと行きますよ!」

西森が呼びに戻ってきてくれたことがうれし過ぎて、
「ハイ!」
と大きくうなずくと、2人で玄関に向かって歩き始めた。

よし! 
ここからはおれの得意分野だし、本領発揮するぞ!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

今、夫と私の浮気相手の二人に侵されている

ヘロディア
恋愛
浮気がバレた主人公。 夫の提案で、主人公、夫、浮気相手の三人で面会することとなる。 そこで主人公は男同士の自分の取り合いを目の当たりにし、最後に男たちが選んだのは、先に主人公を絶頂に導いたものの勝ち、という道だった。 主人公は絶望的な状況で喘ぎ始め…

処理中です...