12 / 20
第二章 地下迷宮のオルクス
2
しおりを挟む
オルクスは山窩などの山岳民族と常に小競り合いを繰り返してきた。
とはいえ、全面的に戦うようなことはほとんどない。オルクス自体が人里の近くに来るようなことはなく、オルクスの狩り場に人間が踏み込まない限り争いになることはない。
オルクスは好戦的で、かつ好色である、と言われている。村に来て若い娘を誘拐したり、人間の食物を奪ったりした、というような記録はある。しかし、洞窟を山狩りするほどの全面的な争いになることはない。
「どうしても、納得がいかないんですよね」装備の中の魔法晶石の残量を確認しながらミルコは言った。
「なぜ迷宮なんでしょう」
「オルクスは現実的なところがあるからな」スラッシュが頷いた。「俺も、オルクスが迷宮にわざわざ侵入してくる動機がよくわからん」
「オルクスの傭兵は最近増えているからな」ハックは言った。小刀の刃を布で拭いている。角度によって青とも赤とも見える、魔法鋼製の二本だ。「あいつらは昼間は役にたたねぇが、夜戦にはめっぽう強い」
「ハックはどう思います?」ミルコは尋ねた。
「俺が子供の頃、親父たちはよくオルクスとやり合っていたよ」ハックは言った。
「ミルコはサンデルだよな?」
「はい」ミルコは言った。
「俺の生まれはテリスなんだ」
「えっ」ミルコは驚いた。「近場じゃないですか」
ハックは耳の後ろを掻いた。「まあ、な」
「じゃあこの辺は」
「故郷みたいなもんだな」ハックは言った。
「もしかして」ミルコは咳き込んで尋ねた。「迷宮ができる前のタリスマンを知ってるんですか」
「知ってるっていうか」ハックは複雑な顔をした。
「まあ、故郷だな」
笑ってるのか悲しんでいるのかわからない。
赤い目が細くなる。
「俺の話はいい」ハックは話を戻した。「オルクスが迷宮に侵入してきている理由は俺にはわかんねぇ。だけど、この辺のオルクスは、あちこちで言われてるような略奪やなんかをするような連中ではない、と俺は思う。どうにもしっくりこねぇ」
「何かがある、ということですね」ミルコは背嚢の蓋を閉め、紐をしっかりと縛った。「行きましょう。まずは確認しないと」
「ちょっと待て」ハックが片手を上げた。
「三人で行くのか?」
「六人で行くと警戒される可能性はありますね。三人の方が向こうは仕掛けてきやすいと思います」ミルコは言った。
「そこそこ手強い相手だったら不利ではあるよな」ハックは少し考え込んだ。
「大丈夫」スラッシュが刀の柄を叩いた。「斬る」
「出たよ…刀バカが」ハックが頭を抱えた。
「オルクスは魔法を使うのもいますからね。油断はできないです。ですが」ミルコは眼鏡を上げた。
「それについては、私に考えがあります」
二階に向かう二股の道は、三叉から十字路になってしまっていた。
「やっぱりこの穴は塞げなかったんですねえ」
ミルコは岩蟲の開けた穴が通路になっているのを確認した。
勤勉なる迷宮小人たちはこの穴を塞ぐことを諦め、舗装してしまったようだった。このようにして地図は毎週、少しずつ変化していく。
本来ならば奥を探索してみたいところだが、今回の探索の本意ではない。ここの探索はまたの機会にしよう、とミルコは頷くと、手元の地図を修正するだけにとどめ、三人は右の道へ向かった。
流石に一週間も経てば岩蟲の体液も乾いてしまい、踊り場は今まで通りの静かな雰囲気を取り戻していた。
ハックが階段の方を伺った。
右手でOKのサインを作る。
三人は慎重に階段を降りた。
「ここまで遭遇もありません。ちょっと静かすぎますね」
小声でミルコは言った。
ハックは頷いた。
その時、空気を切り裂く音がした。
ハックが咄嗟に身をかがめる。
矢だ。
「きやがった」ハックが叫んだ。
ミルコは魔法晶石を握った。
二階の降り口の通路の向こうから、オルクスの弓兵が二人、矢を放ってきた。
さらに通路の陰に隠れていたオルクス兵が三人、剣を構えてこちらに向かってくる。
「足止め」ミルコが素早く唱えた。
向かってくるオルクスの足元の石床が盛り上がり、オルクス兵が一人つまずいて倒れる。
二人になったオルクス兵のひとりにハックが飛び蹴りを喰らわせると、小刀でオルクスの首に斬りつけた。
左ではスラッシュが飛び上がり、空中で刀を抜くともう片方のオルクス兵の体を、革鎧ごと袈裟斬りにした。
血飛沫をあげてオルクスが二人倒れる。
弓兵が矢を番えて放つ前に、今度は護符を握ってミルコが唱えた。
「加護」
スラッシュに向けて放たれた矢はスラッシュの前に出現した光の盾に当たり逸れた。
ハックが素早く相手の懐に飛び込むと、小刀で弓兵の一人を切りつける。
その時、弓兵の後ろからフードを被ったオルクスが現れ、印を結んだ。
「魔導士です!気をつけて!」ミルコが叫ぶ。
その時、ヒュッという音がして矢が飛び、印を結んでいた魔導士の肩をあっさりと撃ち抜いた。
魔導士が肩をおさえてうずくまる。
「遅いぜ!」ハックが振り向いた。
いつの間にか、パーティーの後ろに女魔導士とボルモルの弓兵が駆けつけていた。
「すいません!」ボルモルの青年、フーガが弓に次の矢を番えた。
「ごめんごめん、見惚れてたわ」その傍にいた女魔導士が、杖を握り、左手で印を結び呪文を唱える。
「火矢」
杖の先から火が放たれ、もう一人の弓兵の弓を直撃した。
激しい爆発音とともに弓兵が後ろへ吹っ飛ぶ。
「すげぇ火力だな」ハックが呆れた。
「いうたやん」メイリィ・ウォンカが得意げに言った。「うち火力だけは自信あるねん」
ハックは小刀でオルクス兵の剣戟を受け流しつつ、足で壁を蹴って跳んだ。
綺麗な三角跳びだ。
「すご…」メイリィが呟いた。
ハックは空中でオルクス兵の兜を蹴ると、左からスラッシュが刀でオルクス兵の首を綺麗に跳ね飛ばした。
恐るべきチームワークだ。
地面に倒れていたオルクス兵が逃げようとしているところを、フーガの矢が背中を貫き、オルクス兵は倒れた。
オルクス兵たちは完全に沈黙した。
「やっぱりお願いしておいてよかったですね」ミルコが二人に言った。
「命の恩人の頼みですからね」フーガは弓をしまいながら言った。
「せやせや。リハビリとしてはちょうどええ案件やし」メイリィ・ウォンカは肩を回した。怪我はすっかり癒えたように見える。
ミルコはあらかじめ「自由契約探索者同盟」の二人を雇い、後ろからこっそり追ってきてもらっていたのだった。
「さて」スラッシュが刀を構え魔導士に近づく。「お前、魔導士ということは大陸共通語ができるな」
「魔導書を読めるいうことはコモンが使えるいうことやからな」メイリィが頷いた。
オルクスの魔導士は撃たれた肩を押さえ、顔をしかめた。
ミルコは魔導士の革鎧に触れて唱えた。
「加重」
魔導士の体が床に押しつけられる。
「何をしたんだ」ハックが言った。
「鎧を重くしました」ミルコは言った。
「そんなことができるのか」スラッシュが感心する。「便利だな」
「さあ、逃げられないですよ」ミルコは諭すように言った。「いくつか質問に答えてください」
観念したようにオルクスはうなだれ、「殺スガイイ」と訛りの強いジギタニア語で言った。
「殺さないわ」ミルコが言った。
「私たちはあなたたちがどうやって迷宮に入ったかが知りたいの」
オルクス魔導士は黙って顔を背けた。
「こいつ、自分の立場わかってへんのとちゃう?」死体を漁っていたメイリィが戻ってきて言った。
「話スコトハナイ」魔導士は憎々しげに言った。
「オマエタチナド、我ラノ長ノ手ニカカレバ苦シンデ死ヌ」
「長?」スラッシュが微笑んだ。「そいつ、刀はできるのか?」
「カタナ?」魔導士はニヤニヤと笑った。余裕の笑みだ。
「ソンナモノハイラナイ」
「おい!」黙っていたハックが叫んだ。「あれはなんだ」
霞のような、もやのようなものが灯りに照らされて通路奥に浮かんだ。
「まさか」ミルコが震えた。
「下がってください!」
霞のように見えたのは羽虫の群れだった。
群れはまっすぐにこちらに向かってくる。
ミルコはその群れに見覚えがあった。
「下がってください!」ミルコは叫んだ。
「石蝿です!」
とはいえ、全面的に戦うようなことはほとんどない。オルクス自体が人里の近くに来るようなことはなく、オルクスの狩り場に人間が踏み込まない限り争いになることはない。
オルクスは好戦的で、かつ好色である、と言われている。村に来て若い娘を誘拐したり、人間の食物を奪ったりした、というような記録はある。しかし、洞窟を山狩りするほどの全面的な争いになることはない。
「どうしても、納得がいかないんですよね」装備の中の魔法晶石の残量を確認しながらミルコは言った。
「なぜ迷宮なんでしょう」
「オルクスは現実的なところがあるからな」スラッシュが頷いた。「俺も、オルクスが迷宮にわざわざ侵入してくる動機がよくわからん」
「オルクスの傭兵は最近増えているからな」ハックは言った。小刀の刃を布で拭いている。角度によって青とも赤とも見える、魔法鋼製の二本だ。「あいつらは昼間は役にたたねぇが、夜戦にはめっぽう強い」
「ハックはどう思います?」ミルコは尋ねた。
「俺が子供の頃、親父たちはよくオルクスとやり合っていたよ」ハックは言った。
「ミルコはサンデルだよな?」
「はい」ミルコは言った。
「俺の生まれはテリスなんだ」
「えっ」ミルコは驚いた。「近場じゃないですか」
ハックは耳の後ろを掻いた。「まあ、な」
「じゃあこの辺は」
「故郷みたいなもんだな」ハックは言った。
「もしかして」ミルコは咳き込んで尋ねた。「迷宮ができる前のタリスマンを知ってるんですか」
「知ってるっていうか」ハックは複雑な顔をした。
「まあ、故郷だな」
笑ってるのか悲しんでいるのかわからない。
赤い目が細くなる。
「俺の話はいい」ハックは話を戻した。「オルクスが迷宮に侵入してきている理由は俺にはわかんねぇ。だけど、この辺のオルクスは、あちこちで言われてるような略奪やなんかをするような連中ではない、と俺は思う。どうにもしっくりこねぇ」
「何かがある、ということですね」ミルコは背嚢の蓋を閉め、紐をしっかりと縛った。「行きましょう。まずは確認しないと」
「ちょっと待て」ハックが片手を上げた。
「三人で行くのか?」
「六人で行くと警戒される可能性はありますね。三人の方が向こうは仕掛けてきやすいと思います」ミルコは言った。
「そこそこ手強い相手だったら不利ではあるよな」ハックは少し考え込んだ。
「大丈夫」スラッシュが刀の柄を叩いた。「斬る」
「出たよ…刀バカが」ハックが頭を抱えた。
「オルクスは魔法を使うのもいますからね。油断はできないです。ですが」ミルコは眼鏡を上げた。
「それについては、私に考えがあります」
二階に向かう二股の道は、三叉から十字路になってしまっていた。
「やっぱりこの穴は塞げなかったんですねえ」
ミルコは岩蟲の開けた穴が通路になっているのを確認した。
勤勉なる迷宮小人たちはこの穴を塞ぐことを諦め、舗装してしまったようだった。このようにして地図は毎週、少しずつ変化していく。
本来ならば奥を探索してみたいところだが、今回の探索の本意ではない。ここの探索はまたの機会にしよう、とミルコは頷くと、手元の地図を修正するだけにとどめ、三人は右の道へ向かった。
流石に一週間も経てば岩蟲の体液も乾いてしまい、踊り場は今まで通りの静かな雰囲気を取り戻していた。
ハックが階段の方を伺った。
右手でOKのサインを作る。
三人は慎重に階段を降りた。
「ここまで遭遇もありません。ちょっと静かすぎますね」
小声でミルコは言った。
ハックは頷いた。
その時、空気を切り裂く音がした。
ハックが咄嗟に身をかがめる。
矢だ。
「きやがった」ハックが叫んだ。
ミルコは魔法晶石を握った。
二階の降り口の通路の向こうから、オルクスの弓兵が二人、矢を放ってきた。
さらに通路の陰に隠れていたオルクス兵が三人、剣を構えてこちらに向かってくる。
「足止め」ミルコが素早く唱えた。
向かってくるオルクスの足元の石床が盛り上がり、オルクス兵が一人つまずいて倒れる。
二人になったオルクス兵のひとりにハックが飛び蹴りを喰らわせると、小刀でオルクスの首に斬りつけた。
左ではスラッシュが飛び上がり、空中で刀を抜くともう片方のオルクス兵の体を、革鎧ごと袈裟斬りにした。
血飛沫をあげてオルクスが二人倒れる。
弓兵が矢を番えて放つ前に、今度は護符を握ってミルコが唱えた。
「加護」
スラッシュに向けて放たれた矢はスラッシュの前に出現した光の盾に当たり逸れた。
ハックが素早く相手の懐に飛び込むと、小刀で弓兵の一人を切りつける。
その時、弓兵の後ろからフードを被ったオルクスが現れ、印を結んだ。
「魔導士です!気をつけて!」ミルコが叫ぶ。
その時、ヒュッという音がして矢が飛び、印を結んでいた魔導士の肩をあっさりと撃ち抜いた。
魔導士が肩をおさえてうずくまる。
「遅いぜ!」ハックが振り向いた。
いつの間にか、パーティーの後ろに女魔導士とボルモルの弓兵が駆けつけていた。
「すいません!」ボルモルの青年、フーガが弓に次の矢を番えた。
「ごめんごめん、見惚れてたわ」その傍にいた女魔導士が、杖を握り、左手で印を結び呪文を唱える。
「火矢」
杖の先から火が放たれ、もう一人の弓兵の弓を直撃した。
激しい爆発音とともに弓兵が後ろへ吹っ飛ぶ。
「すげぇ火力だな」ハックが呆れた。
「いうたやん」メイリィ・ウォンカが得意げに言った。「うち火力だけは自信あるねん」
ハックは小刀でオルクス兵の剣戟を受け流しつつ、足で壁を蹴って跳んだ。
綺麗な三角跳びだ。
「すご…」メイリィが呟いた。
ハックは空中でオルクス兵の兜を蹴ると、左からスラッシュが刀でオルクス兵の首を綺麗に跳ね飛ばした。
恐るべきチームワークだ。
地面に倒れていたオルクス兵が逃げようとしているところを、フーガの矢が背中を貫き、オルクス兵は倒れた。
オルクス兵たちは完全に沈黙した。
「やっぱりお願いしておいてよかったですね」ミルコが二人に言った。
「命の恩人の頼みですからね」フーガは弓をしまいながら言った。
「せやせや。リハビリとしてはちょうどええ案件やし」メイリィ・ウォンカは肩を回した。怪我はすっかり癒えたように見える。
ミルコはあらかじめ「自由契約探索者同盟」の二人を雇い、後ろからこっそり追ってきてもらっていたのだった。
「さて」スラッシュが刀を構え魔導士に近づく。「お前、魔導士ということは大陸共通語ができるな」
「魔導書を読めるいうことはコモンが使えるいうことやからな」メイリィが頷いた。
オルクスの魔導士は撃たれた肩を押さえ、顔をしかめた。
ミルコは魔導士の革鎧に触れて唱えた。
「加重」
魔導士の体が床に押しつけられる。
「何をしたんだ」ハックが言った。
「鎧を重くしました」ミルコは言った。
「そんなことができるのか」スラッシュが感心する。「便利だな」
「さあ、逃げられないですよ」ミルコは諭すように言った。「いくつか質問に答えてください」
観念したようにオルクスはうなだれ、「殺スガイイ」と訛りの強いジギタニア語で言った。
「殺さないわ」ミルコが言った。
「私たちはあなたたちがどうやって迷宮に入ったかが知りたいの」
オルクス魔導士は黙って顔を背けた。
「こいつ、自分の立場わかってへんのとちゃう?」死体を漁っていたメイリィが戻ってきて言った。
「話スコトハナイ」魔導士は憎々しげに言った。
「オマエタチナド、我ラノ長ノ手ニカカレバ苦シンデ死ヌ」
「長?」スラッシュが微笑んだ。「そいつ、刀はできるのか?」
「カタナ?」魔導士はニヤニヤと笑った。余裕の笑みだ。
「ソンナモノハイラナイ」
「おい!」黙っていたハックが叫んだ。「あれはなんだ」
霞のような、もやのようなものが灯りに照らされて通路奥に浮かんだ。
「まさか」ミルコが震えた。
「下がってください!」
霞のように見えたのは羽虫の群れだった。
群れはまっすぐにこちらに向かってくる。
ミルコはその群れに見覚えがあった。
「下がってください!」ミルコは叫んだ。
「石蝿です!」
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
【完結】王太子妃の初恋
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
カテリーナは王太子妃。しかし、政略のための結婚でアレクサンドル王太子からは嫌われている。
王太子が側妃を娶ったため、カテリーナはお役御免とばかりに王宮の外れにある森の中の宮殿に追いやられてしまう。
しかし、カテリーナはちょうど良かったと思っていた。婚約者時代からの激務で目が悪くなっていて、これ以上は公務も社交も難しいと考えていたからだ。
そんなカテリーナが湖畔で一人の男に出会い、恋をするまでとその後。
★ざまぁはありません。
全話予約投稿済。
携帯投稿のため誤字脱字多くて申し訳ありません。
報告ありがとうございます。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる