自由になりたい俺の話

ポメ

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真央目線

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俺は張り裂けそうな胸の痛みを感じながら、お尻を突き出した。


「よしよし、じゃあ始めるよ」


晶はそう言うと、定規を振り上げた。


ベッチーンッ


「ひぎっあっああああああ!?」


俺はあまりの痛みに絶叫した。


「兄さん、言うことは?」


晶は膝から崩れ落ちた俺を上から見下ろしながら、張り付いたいつもの笑みで...


「...ごっごめんなさい...もう、しません」


「よく出来ました!じゃあ後、9回分叩くからその度にさっきのセリフ言うんだよ?」


俺は絶望した。


晶の表情は本当に変わらず、自分が苦しんでるのを見て、微塵の同情もないことがわかった。


「兄さん、立って」


晶はそう言うと俺の体はビクッと反応した。


「晶...もう許して」


俺が声を絞り出して、一生懸命言った言葉に晶は...


「いい子になったら許すよ。だから立って」


と無慈悲に言う。


俺は弟の顔がだんだん悪魔に見えてきた。


コイツはいつも素直でこんな俺にも優しくしてくれる良い弟だった。


でも今はその優しい笑顔が悪魔にしか見えなくなっていた。


俺はもう何を言っても無駄だと感じ、足に力を入れて、立ち上がった。そして、さっきの体制に戻る。


「よく出来ました!じゃあ次も体勢崩したら困るからちゃんと腰、持っててあげるね」


晶はそう言い、俺の腰に腕を回してガッチリ固定した。


それにより、更にお尻を突き出している格好になった。


「うん。さっきより叩きやすそうだね。兄さん、泣いてて良いけどセリフは必ず言うんだよ?じゃなきゃ終わらないからね」


晶の言葉に俺はまた惨めな気持ちが膨らんだ。


バチーンッ


「ああ!?...ごめんなさい、もうしません!」


バチンッ


「ごめっなさい...もう、しません...」


ビチーンッ


「ああ!?...ごめっなさい...もっしません...」


俺は晶の言う通りに叩かれながら謝った。


膝も声も震えて、惨めだとか恥ずかしいとか何も感じなくなり、ただ謝らなきゃと心の中で思っていた。


やっと最後の1回を終え、晶の腕から解放された。


「ヒック...ヒック...ぐすっ」


俺は泣きながら痛む胸を抑えた。


「兄さん、謝れて偉かったね!じゃあお水飲もっか!」


晶はそう言い、さっきの水を差し出した。


俺はビクビクしながらもそれを受け取って飲み干した。


それにより、ズキズキ痛む喉が少し楽になった。


でも俺が安心してるのも束の間だった。


「じゃあ仕上げに50回ね!」


晶はそう言い、今度は強引に俺の腕を引っ張った。


さっきまでは自分から動かないと何も始まらなかったのに今回は一方的にって感じだ。


「嘘...!?もうやっ...!」


俺の言葉と同時に振り下ろされそうになった手を誰かの手が止めた。


それは父の手だった。


「その辺にしとけ」


「何?まだ終わってないんだけど?」


晶は見た事がない程、冷たい瞳で父を見つめた。


「やりすぎだ。誰もそこまでしろとは言ってない」


「父さんは結局いつもそこで甘やかすから兄さんがすぐ悪い子になるんだよ。悪い子には体で教えるのが柳瀬家の教育方針でしょ?」


晶がそう言うと父は何も返せなくなった。


「...今回は真央が悪い。お前の提案を受け入れたのも俺だ。でも行き過ぎたやり方には口出しさせてもらう」


それを聞き、晶はため息をついて、僕のお尻を撫でた。


「ひっ!」


俺はまた叩かれると身構えたが、晶の手は優しく、俺のお尻を撫でるだけだった。


「...わかったよ。仕上げはなしにしてあげる。それと約束は守ってよ。父さん」


晶はそう言い、父を睨むと俺にいつもの笑顔を向けて


「ってことだから今日はここまで!よく頑張ったね!兄さん」


晶はそう言い、俺を膝から起こして抱きしめた。


俺は緊張感がほぐれず、ビクビクする。


そんな俺を見て、晶は...


「...冷やすものと薬持ってくるから待っててね」


そう言い、俺をソファに下ろしてキッチンへ向かった。

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