3人の弟に逆らえない

ポメ

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翔斗の心配と執着

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話し合い?に決着をつけた俺達は1階に降りて夕飯を食べた。


食べてる間は無駄に過保護な両親とブラコンの弟達によって介抱されるように食事が進むのがいつもの流れになっている。


食べ終わると嵐と健二は
「今日の復習しなきゃ」
と言って部屋に戻る。


嵐は部活に熱を入れすぎて成績は中の中だ。


それにより、成績優秀な健二から勉強を教わっているそうだ。


俺は翔斗と翔斗の部屋に行く。


俺達の部屋は2階にあり、両親の部屋は1階にある。


階段を昇って右側に嵐と健二の部屋があり、左側に俺と翔斗の部屋があり、四角い構図をしている。


翔斗の部屋に入ると色んな機械やロボット、パソコンで溢れかえっていた。
(それでも綺麗に整頓されているが)


「...るぅ兄、そこ座って」


翔斗に言われた通りにベッドの上に座った俺は何も言わずに大人しく翔斗を見上げた。


3つ子の中でも比較的に平凡な翔斗は俺にとって接しやすかった。


嵐のように活発でもなかったし健二のように無駄にイケメンでもない。


無口だが身内や1度認めたやつにはとことん気を許す翔斗は俺にとって一緒にいて楽なやつだった。


まぁ傍から見たら普通にイケメンなんだけどな...俺が見慣れちゃったって言うか、あの2人と比べちゃったってだけで...


「...るぅ兄、最近、いじめられてるよね?」


翔斗は俺の目をはっきり見て聞く。


嘘を見逃さない"あの目"だ。


昔から温厚な翔斗だが、嘘は許さない所がある。


そして俺の嘘がわかりやすいのか、翔斗の目が千里眼なのか、嘘は必ず見抜かれてしまう。


そして嘘を着くと、結構厳しいお仕置きが待っている。


この前は拘束されて尻の穴にローターを入れられて15分放置された。


その後はちゃんとイかせて貰えたが、翔斗が俺とそういうことをしたいかというとそうでも無いらしい。


あくまでお仕置きであって、性的な意味はないそうだ。


それでも実の兄にこんな事をするのもどうかという話だが、翔斗は比較的に真面目な性格だし俺より頭も良いからまぁいいかと思ってしまう俺がいたりする。


「...うん。何で知ってるの?」


「るぅ兄を迎えに行く時、よくクラスの人たちの悪口を耳にする。るぅ兄の悪口。いつも一人だし、無視されてるよね?」


「...うん。でも今のとこ実害はないから、卒業まで後1年だし気にしてない」


俺の言葉に翔斗は
「そういう問題じゃないし実害があってからじゃ遅い...嵐兄も健兄も知ってるっぽかった。でも変に庇って悪化させたくないって言ってる」
と告白した。


「...やっぱり皆気づいてたんだな。でも本当に大丈夫って言っておいてくれ、後、頼みがある。嵐や健二に直接言っても流されそうだから代わりに言って欲しいんだけど...」


「僕達とは学校で会いたくない?」


翔斗は察したように言う。


「うん...ごめん。でもこのままじゃ俺も良くないと思う!兄弟だからって距離感が近すぎる。小学生の頃はそれが当たり前になっててわかってなかった。けど中学に上がって、1人で学校生活を体験してわかったんだ!普通の学校生活が!だから正直言って、毎日毎日3人がこっちに来るのは俺自身良くないと思うし家と学校ではやっぱりケジメってやつが必要だし...そう考えたら周りのあの軽蔑するような目も納得せざるを得ないっていうか...んぐっ!?」


俺の話を黙って聞いていた翔斗は急にキスをしてきた。


「...もうわかったから、これ以上、僕達から離れるみたいなこと言わないで...耐えられない」


そう言った翔斗の表情はあまりにも悲しそうで辛そうだった。


「翔斗...」


「るぅ兄、るぅ兄はわかってないんだ。僕達の気持ち...僕達は、僕は!るぅ兄が大好きなんだよ!ずっと一緒にいたい!学校なんてものがあるから1日中そばにいることも出来なくて、1つ年下のせいで最初の1年はいつもバラバラで...僕だって辛いんだよ!るぅ兄、お願い!これ以上離れないで!距離を取ろうとしないで!そんなことされたら、僕...生きていけない」


翔斗の苦しそうな悲しそうな表情でそう言われ、俺は何も言えなくなった。


なんて言う執着...と静かに思いながら
「ごめん。もう言わないから」
と言い優しく翔斗を抱きしめた。


「もう二度と言わないで...離れるなんて」


「うん。ごめん。翔斗、一緒にいるから、もう泣かないでくれ」


そう言い背中を撫でると耳元で息を飲むような音が聞こえたが翔斗がさらに強く抱きしめた腕が強すぎて気にもとめなかった。
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