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3年生2学期

10月27日(金)曇り 大倉伴憲との日常その46

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 2学期中間テスト2日目は読書の日。
 テストが終わった後であれば、少しくらい読書もしたいところだけど、そんな暇はないかもしれない。

 そうして、テストが終わった後、僕と大倉くんは学校に残って勉強することになった。
 今回は路ちゃんと花園さんが帰宅したので、大倉くんの心は乱されずに勉強できるはずだ。
 ただ、路ちゃんと話した結果、お互いにそれとなく探りを入れることになってしまったので、久しぶりにコンビニで買ったご飯を食べながら話を振ってみる。

「そういえばさ。月曜の花園さんのあれ、結局なんだったんだろうね」

「う、うーん……それなんだけど、今思えばボクの気のせいだったかもしれない。図書室には結構人がいたから、視線を感じても仕方ないし」

「そ、そうかな? でも、大倉くんが明確に感じたのなら……」

「う、産賀くん」

 どうやら僕は探りを入れるのが相当下手なようである。
 大倉くんの怪訝そうな反応からして、これはバレてしまった。

「じ、実はね。今まで言ってなかったんだけど……ぼ、ボク、ちょっとだけそういうの感じることがあって」

「そういうの?」

「……霊的な何かを」

 突然のカミングアウトに僕は普通に驚いて食べる手を止めてしまう。

「れ、霊感あるってこと?」

「ぜ、絶対あるとは言えないけど、そうとしか思えない何かを感じることはあるんだ。産賀くんと通話してる時も、部屋には他に誰もいないはずなのに、複数の視線を感じたり……」

「ま、マジで!? そんな状況のまま話を続けてたのか……」

「い、いや、何かしてくるわけじゃないから、そこは大丈夫。それに……産賀くん、ホラーはあんまり得意じゃないでしょ?」

「それは……はい」

 トラウマ的な何かがあるわけじゃないけど、僕は意識した頃からホラー作品は避けて生きてきた。
 大倉くんにはわりと早い段階でそれを共有していたので、今まで黙っていてくれたのだろう。

「じゃ、じゃあ……図書室にも何かいたの? もう秋に入ったっていうのに」

「べ、別に霊からしたら季節はあんまり関係ないんじゃないかな。単にこっちが夏にホラー特集したいだけで。ちなみに学校だと他には……」

「他もあるの!?」

「う、ううん。他にはないって言いたかった」

「……大倉くん、今日は暗くなる前に帰ろうね」

 その後、勉強を始めたら恐怖心を忘れていたけど、同時に探りを入れる件まで忘れてしまった。
 それにしても大倉くんに霊感らしきものがあったとは……今後、何かあった時は助けてもらおう。
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