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3年生2学期

10月17日(火)晴れ 後輩との日常・桐山宗太郎の場合その23

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 最近はあまり行けていないカラオケ文化の日。
 本日の文芸部は文化祭の振り返りと反省会が開かれる。
 とはいっても基本的には成功したとみんな感じているので、和やかな雰囲気での振り返りの方が多くなった。
 しかし、そんな会の司会をする桐山くんの表情はまだ元気がないように見える。
 日曜の文化祭終わりに桐山くんが姫宮さんに告白した結果は……残念ながら失敗だった。
 まだ詳しい話は聞いていないけど、片付けに早い段階で合流してきたので、恐らく簡潔に断られてしまったのだろう。
 僕の今日の目的はそんな桐山くんに少し寄り添うことだった。
 反省会が終わったタイミングで、今日は僕の方からトイレに行こうと提案して、2人で話せる時間を作る。

「桐山くん、この度は――」

「いやぁ、やっぱ駄目だったっす。でも、後悔はないっすよ」

「……そっか」

「俺の心はもう次の恋に向かってます」

「桐山くん、あんまり急ぎ過ぎなくてもいいと思うよ」

「そ、そうっすか? 具体的には何日くらい傷を癒した方がいいっすか?」

「僕の場合は……1ヶ月単位で凹んでたよ」

「ま、マジっすか……」

「い、いや、あくまで僕の場合だから、桐山くんならもっと早いかもしれない」

 それから少しだけ桐山くんの質問に答えた後、僕らは部室に戻る。

「産賀センパイ、年内のどこかで文化祭の打ち上げやる予定なんですけど、予定的に大丈夫ですか? それとも忘年会と合わせた方がいいです?」

「予定は入ってないから大丈夫だと思う」

「やった! 桐山、候補とか決めるの手伝って」

「お、おう。たぶん、日葵に任せた方がいいとは思うが」

「それでもひまりの意見だけじゃいけないから。桐山は副部長なんだし……ね?」

「わ、わかったよ」

 こうして、桐山くんの恋は一区切りがついた。
 でも、今度は日葵さんが動き始めるだろうから、桐山くんはまだまだ悩むことになりそうだ。
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