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3年生2学期
10月14日(土)曇り時々雨 最後の文化祭・前
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文化祭1日目の鉄道の日。
予定通り京都の祖父母も2泊3日でこちらにやって来て、今日の午後から見て回ることになった。
位置的にはバド部が出している屋台の方が近かったけど、祖父母は文芸部の展示室から訪れてくれた。
「おお、良助。元気しとったか?」
「う、うん。わざわざ来てくれてありがとう。」
「高校に入るなんて久しぶりだねぇ。あら、もしかしてそちらのお嬢さんが……」
「は、はい! 岸本路子と申します。そ、その良助くんとは……」
「君が路子さんかぁ。いやぁ、良助から話は……あんまり聞とらんな。昔からシャイなところが――」
「じいちゃん! 他に見学する人もいるから!」
展示室に入るや否や祖父母はマイペースに色々言ってくる。
来てくれたのは本当に嬉しいけど、身内が来た独特の恥ずかしさはある。
「産賀センパイのおじいちゃんおばあちゃんいらっしゃいませ! 現文芸部部長の岸元日葵です!」
「おや? 部長さんは岸元さんなのかい?」
「ひ……私は元気の元ですけど、路子先輩は本なんですよ。凄い偶然ですよね?」
「本当だねぇ。ああ、じゃあ、部長さんに渡しておこうかね」
そう言いながらばあちゃんは一冊のノートを取りだす。
前の奴とは違うけど、それが何なのか僕はすぐにわかった。
「これ、良助が2年生の時にもらった文化祭の冊子の感想文。前の3年生はいないだろうけど、部長さんの年代の子は全員感想を書いたから、良かったら」
「ええっ!? すごっ!? 作品の感想、友達や家族にしか聞いたことなかったから、めっちゃありがたいです!」
「そこまで喜んでもらえるとこっちまで嬉しくなるねぇ。今年もなるべく早く書くようにして、良助に渡してもらうようにするよ」
いきなり渡したらどうなるかと思ったけど、日葵さんの明るい対応のおかげでばあちゃんも満足そうにしていた。
それから展示を一周した後、2人とも冊子を持って(1冊はどこかへ配布する用)、今度は明莉のバド部の屋台に向かう。
僕も見送りとしてそこまで一旦ついて行くことになった。
今年のバド部はミックスジュースを取り扱っているらしい。
「おっ、良助に京都のご両親! お久しぶり~」
すると、屋台の前に父方のばあちゃんが来ていた。
「お久しぶりです。お中元にはあんな高級な物を送ってもらって……」
「いやいや。結構安く手に入るところがあるからそんな高価じゃないんですよ。京都へ行った時に寄りたいんだけど、車で行かないからなかなか……」
「りょうちゃん! なんか2人が話し出してるから止めて! そして、なんか買って行って!」
どうやら明莉もこっちのばあちゃんが来て僕と同じ思いをしていたらしい。
その後、屋台で京都の祖父母と別れてから、今度はこっちのばあちゃんを文芸部へ連れて行った。
それ以外にもいつメンや知り合いが見学に来てくれたけど、この日の祖父母たちの印象が強くなってしまった。
でも、3人とも楽しそうにしてくれたので、来てもらえて本当に良かったと思う。
予定通り京都の祖父母も2泊3日でこちらにやって来て、今日の午後から見て回ることになった。
位置的にはバド部が出している屋台の方が近かったけど、祖父母は文芸部の展示室から訪れてくれた。
「おお、良助。元気しとったか?」
「う、うん。わざわざ来てくれてありがとう。」
「高校に入るなんて久しぶりだねぇ。あら、もしかしてそちらのお嬢さんが……」
「は、はい! 岸本路子と申します。そ、その良助くんとは……」
「君が路子さんかぁ。いやぁ、良助から話は……あんまり聞とらんな。昔からシャイなところが――」
「じいちゃん! 他に見学する人もいるから!」
展示室に入るや否や祖父母はマイペースに色々言ってくる。
来てくれたのは本当に嬉しいけど、身内が来た独特の恥ずかしさはある。
「産賀センパイのおじいちゃんおばあちゃんいらっしゃいませ! 現文芸部部長の岸元日葵です!」
「おや? 部長さんは岸元さんなのかい?」
「ひ……私は元気の元ですけど、路子先輩は本なんですよ。凄い偶然ですよね?」
「本当だねぇ。ああ、じゃあ、部長さんに渡しておこうかね」
そう言いながらばあちゃんは一冊のノートを取りだす。
前の奴とは違うけど、それが何なのか僕はすぐにわかった。
「これ、良助が2年生の時にもらった文化祭の冊子の感想文。前の3年生はいないだろうけど、部長さんの年代の子は全員感想を書いたから、良かったら」
「ええっ!? すごっ!? 作品の感想、友達や家族にしか聞いたことなかったから、めっちゃありがたいです!」
「そこまで喜んでもらえるとこっちまで嬉しくなるねぇ。今年もなるべく早く書くようにして、良助に渡してもらうようにするよ」
いきなり渡したらどうなるかと思ったけど、日葵さんの明るい対応のおかげでばあちゃんも満足そうにしていた。
それから展示を一周した後、2人とも冊子を持って(1冊はどこかへ配布する用)、今度は明莉のバド部の屋台に向かう。
僕も見送りとしてそこまで一旦ついて行くことになった。
今年のバド部はミックスジュースを取り扱っているらしい。
「おっ、良助に京都のご両親! お久しぶり~」
すると、屋台の前に父方のばあちゃんが来ていた。
「お久しぶりです。お中元にはあんな高級な物を送ってもらって……」
「いやいや。結構安く手に入るところがあるからそんな高価じゃないんですよ。京都へ行った時に寄りたいんだけど、車で行かないからなかなか……」
「りょうちゃん! なんか2人が話し出してるから止めて! そして、なんか買って行って!」
どうやら明莉もこっちのばあちゃんが来て僕と同じ思いをしていたらしい。
その後、屋台で京都の祖父母と別れてから、今度はこっちのばあちゃんを文芸部へ連れて行った。
それ以外にもいつメンや知り合いが見学に来てくれたけど、この日の祖父母たちの印象が強くなってしまった。
でも、3人とも楽しそうにしてくれたので、来てもらえて本当に良かったと思う。
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