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3年生2学期
10月13日(金)晴れ 後輩との日常・姫宮青蘭の場合その22
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文化祭準備日のサツマイモの日。
例年通り文化部の展示は同じ階に並んでおり、それぞれ昨日持って来ておいた物を搬入していく。
展示室内の設置や飾り付けを進めていくと、16時過ぎには全ての準備が整った。
「皆さん、お疲れ様でした! でも、本番は明日からなので今日は早く帰ってゆっくり休みましょう!」
日葵さんの挨拶が終わるとそのまま解散になったけど、明日の自由時間の予定についてみんな残って話し出す。
「良助くん。わたしは華凛ちゃんと土曜に回ることになったから……」
「リョウスケは日曜までミチちゃんはお預けです」
「お、お預けって……」
「それとも終わった後に2人でこっそり夜の文化祭を……」
「華凛ちゃん!?」
「いえ。今のは別にいやらしい意味で言ったわけではく、夜中にこっそり忍び込んで回るという意味です」
そっちの意味の方がアウトだと思うけど、路ちゃんと回るのは日曜に決定した。
ということは、明日は他の人と回るか、あるいは文芸部の部室に居座りっぱなしでもいいかもしれない。
「良助先輩」
そう思っていたところに姫宮さんが話しかけてきた。
「明日は路子先輩と回らないんですか」
「ああ、うん。花園さんと一緒に回るらしいから」
「それなら私と一緒に見て回りませんか」
「……えっ? 姫宮さんは日葵さんとかと一緒なんじゃ」
「日葵は何かと忙しいので。私も展示室にはいますが他の人と回る予定はありません」
「な、なるほど? それで……僕なの?」
「もちろんよろしければですが」
突然のお誘いに僕は内心驚くけど、姫宮さんがからかっているわけではなさそうなので、少し考える。
しかし、答えは決まっていた。
「誘ってくれたのは嬉しいんだけど、路ちゃんと回らない日は友達と見て回る予定があるんだ。ごめんね」
「そうですか。わかりました」
本当は友達を回る予定はないけれど、色々な意味で姫宮さんと一緒に行動するわけにはいなかった。
「それでも」
「う、うん?」
「当日気が変わったら言ってください」
「わ、わかったよ。明日は頑張ろうね」
僕の最後の言葉に頷いたかどうかわからないうちに姫宮さんはその場を離れていた。
……どうやら僕は姫宮さんに大そう気に入られているらしい。
自信過剰な性格ではないけど、桐山くんとの対応の差からそういう自覚はあった。
何はともあれ、明日の文化祭を成功させよう。
例年通り文化部の展示は同じ階に並んでおり、それぞれ昨日持って来ておいた物を搬入していく。
展示室内の設置や飾り付けを進めていくと、16時過ぎには全ての準備が整った。
「皆さん、お疲れ様でした! でも、本番は明日からなので今日は早く帰ってゆっくり休みましょう!」
日葵さんの挨拶が終わるとそのまま解散になったけど、明日の自由時間の予定についてみんな残って話し出す。
「良助くん。わたしは華凛ちゃんと土曜に回ることになったから……」
「リョウスケは日曜までミチちゃんはお預けです」
「お、お預けって……」
「それとも終わった後に2人でこっそり夜の文化祭を……」
「華凛ちゃん!?」
「いえ。今のは別にいやらしい意味で言ったわけではく、夜中にこっそり忍び込んで回るという意味です」
そっちの意味の方がアウトだと思うけど、路ちゃんと回るのは日曜に決定した。
ということは、明日は他の人と回るか、あるいは文芸部の部室に居座りっぱなしでもいいかもしれない。
「良助先輩」
そう思っていたところに姫宮さんが話しかけてきた。
「明日は路子先輩と回らないんですか」
「ああ、うん。花園さんと一緒に回るらしいから」
「それなら私と一緒に見て回りませんか」
「……えっ? 姫宮さんは日葵さんとかと一緒なんじゃ」
「日葵は何かと忙しいので。私も展示室にはいますが他の人と回る予定はありません」
「な、なるほど? それで……僕なの?」
「もちろんよろしければですが」
突然のお誘いに僕は内心驚くけど、姫宮さんがからかっているわけではなさそうなので、少し考える。
しかし、答えは決まっていた。
「誘ってくれたのは嬉しいんだけど、路ちゃんと回らない日は友達と見て回る予定があるんだ。ごめんね」
「そうですか。わかりました」
本当は友達を回る予定はないけれど、色々な意味で姫宮さんと一緒に行動するわけにはいなかった。
「それでも」
「う、うん?」
「当日気が変わったら言ってください」
「わ、わかったよ。明日は頑張ろうね」
僕の最後の言葉に頷いたかどうかわからないうちに姫宮さんはその場を離れていた。
……どうやら僕は姫宮さんに大そう気に入られているらしい。
自信過剰な性格ではないけど、桐山くんとの対応の差からそういう自覚はあった。
何はともあれ、明日の文化祭を成功させよう。
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