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3年生2学期
10月5日(木)曇り 忘却の児島さんその10
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寒さから秋よりも冬が近づいたように感じる時刻表記念日。
夏休み明けから突然のイメチェンを遂げた児島さんについては、未だに理由が明かされていないけど、男子間ではその話題に言及されることはなかった。
「まぁ、これだけ聞いてもわからないってことは、誰にも理由は知らせてないってことじゃない?」
イメチェンに気付いた当初は食い付いていた実香さんも最近は興味が薄れてきているようで、僕が話題を出すのも野暮な感じで対応される。
かく言う僕も毎日のように気になっていたわけではなく、今日は偶然児島さんの姿が目に入ったから思い出しただけだった。
突然の変化には驚いたけど、慣れてしまえばたいしたことではないし、理由を深掘りするつもりもない。
そもそも児島さんとは話したことはあっても、特別仲が良いというわけではないのだから、干渉し過ぎるのも良くないのだ。
「大山さんは最近、児島さんと話した?」
僕は話の流れで左隣の大山さんにも児島さんの話題を振る。
すると、大山さんはキョトンとした顔で僕を見てきた。
「児島さんって……誰だっけ?」
「えっ!?」
「亜里沙。さすがにそれはひどくない? 児島さんは……児島さんだよ?」
「説明になってないじゃん」
「ほ、ほら、1年生の時から同じクラスで、研修旅行でも班が一緒だった……」
「あー……研修旅行で一緒だったのは瑞姫と大倉くんじゃない?」
「それとあと一人……あれ?」
そう考えた途端、僕の記憶の中には大山さんと栗原さん、そして大倉くんの姿しか思い出せなかった。
「そうか……そうかも」
「うぶクンにしては珍しいボケだったね」
「いやでも……実香さんも同じクラスだったから」
「1年生の時? うーん、そうだったような……そうでなかったような」
大山さんと実香さんにそんな反応をされたせいで、僕はそれ以上追及できなかった。
けれども、日記を見返した限りでは研修旅行で児島さんと一緒だった。
ただ、1年生の時はそれ以降に話すこともなかったから……僕が間違っていたのだろうか。
大山さんはよく話すと言っていたけど、別の人のことを言っていたのかもしれない。
……本当にそうなのか?
夏休み明けから突然のイメチェンを遂げた児島さんについては、未だに理由が明かされていないけど、男子間ではその話題に言及されることはなかった。
「まぁ、これだけ聞いてもわからないってことは、誰にも理由は知らせてないってことじゃない?」
イメチェンに気付いた当初は食い付いていた実香さんも最近は興味が薄れてきているようで、僕が話題を出すのも野暮な感じで対応される。
かく言う僕も毎日のように気になっていたわけではなく、今日は偶然児島さんの姿が目に入ったから思い出しただけだった。
突然の変化には驚いたけど、慣れてしまえばたいしたことではないし、理由を深掘りするつもりもない。
そもそも児島さんとは話したことはあっても、特別仲が良いというわけではないのだから、干渉し過ぎるのも良くないのだ。
「大山さんは最近、児島さんと話した?」
僕は話の流れで左隣の大山さんにも児島さんの話題を振る。
すると、大山さんはキョトンとした顔で僕を見てきた。
「児島さんって……誰だっけ?」
「えっ!?」
「亜里沙。さすがにそれはひどくない? 児島さんは……児島さんだよ?」
「説明になってないじゃん」
「ほ、ほら、1年生の時から同じクラスで、研修旅行でも班が一緒だった……」
「あー……研修旅行で一緒だったのは瑞姫と大倉くんじゃない?」
「それとあと一人……あれ?」
そう考えた途端、僕の記憶の中には大山さんと栗原さん、そして大倉くんの姿しか思い出せなかった。
「そうか……そうかも」
「うぶクンにしては珍しいボケだったね」
「いやでも……実香さんも同じクラスだったから」
「1年生の時? うーん、そうだったような……そうでなかったような」
大山さんと実香さんにそんな反応をされたせいで、僕はそれ以上追及できなかった。
けれども、日記を見返した限りでは研修旅行で児島さんと一緒だった。
ただ、1年生の時はそれ以降に話すこともなかったから……僕が間違っていたのだろうか。
大山さんはよく話すと言っていたけど、別の人のことを言っていたのかもしれない。
……本当にそうなのか?
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