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3年生2学期

10月1日(日)晴れ 模試の空気

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 10月始まったコーヒーの日。
 本日は通っている塾主導で行われている模試を受ける日だ。
 模試という字のように本番さながらに受験票や時計を持ち込み、大学のキャンパスを借りてテストを受ける。
 大学の雰囲気込みで体験できる貴重な機会だった。

 そして、本日の会場は清水先輩が通っている大学のキャンパスだった。
 模試を受ける人はC館の講義室を使用するけど、あくまで模試なので休憩中も昼食の購入へ行く以外はC館内に留まらなければならない。
 僕はオープンキャンパスで一回来ているけど、試験会場として来るとやっぱり違う雰囲気を感じる。
 受験番号順に並んで座るので路ちゃん達とは少し席が離れているけど、同じ教室にはなった。

「どうしよう……変に緊張してきちゃった」

「まぁ、なんか前の模試よもピリッとした空気あるね。こういう時、みーちゃんはどうやって緊張を解いてるの?」

「……緊張したまま挑むかも」

「それ、大丈夫なやつなの……?」

 路ちゃんの発言に重森さんは少し驚きながらそう言う。

「よし。みんなが緊張を解く時のルーチンみたいなの聞いてこう。ちなみに私は直近の楽しかった記憶を思い浮かべる。あのお菓子美味しかったなーとか、わりと小さいことでもいいから。亜里沙は?」

「うーん……自己暗示かな。緊張を飛ばすようにポジティブな言葉を脳内で繰り返す。バドの試合前とかもやってたから」

「な、なるほど。ポジティブな言葉って……」

「シンプルにできるできるとか、アタシは頑張ったとか」

「わたしはできる……わたしはできる」

「ミチ。声に出してもいいんだケド、逆にプレッシャーになってない……?」

「じゃあ、産賀くんは?」

「……人の文字を飲む」

「えっ。マジ?」

「あれ、本当に効果あるの?」

 大山さんと重森さんは予想外の発言だったのかそう言う。

「あるかはわからないけど、やらないよりはマシかと思って。僕もどっちかというと緊張しまま挑むタイプだから」

「へー 緊張してた方がいい人もいるんだろうけど、本当のところはどうなんだろう? ところで、みーちゃんは……ちょっとは緊張ほぐれた?」

「あっ……うん。ありがとう、美里ちゃん」

「いえいえ。まぁ、私もこの空気がちょっと嫌だったから話せて良かったよ」

 その後、昼食の時以外は基本席を動かずにテストを受けた。
 本番で話せる余裕があるかはわからないけど、今日のように緊張をほぐしてから挑むのが理想的だと思った。
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