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3年生2学期

9月30日(土)晴れ 明莉との日常その103

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 9月最終日のくるみの日。
 文芸部の作品を提出した解放感はあるけど、明日は模試を受けるのであまりゆっくりできない。
 今日勉強したところで身に付かないかもしれないけど、一応事前に勉強しておく。

 一方、明莉の方は午前中に部活、午後からは遊びに行くと充実した休日を送っていたようだ。

「りょうちゃん、お疲れ~ 今日はお土産買ってきたよ」

「えっ!? 明莉が!?」

「まるで普段は一切買わないような言い方やめてよ」

 実際のところ、誕生日やイベントでない限りは明莉から何か買ってくることはほとんどなかった。
 でも、普通は遊びに行くだけで何かお土産を買うわけじゃないから、驚いてしまったのだ。

「そんな態度だとあげないよ?」

「あ、ありがとうございます! 喜んで受け取らせて頂きます!」

「よろしい。それじゃあ……はい、どうぞ」

 そう言って明莉が渡してきたのは……何とも言えないキャラクターの置物だった。
 流行りものなら名前は知らなくても目にしたことぐらいはあるけど、こいつは完全に初見だ。
 モチーフにした生き物も何かわからないから、僕は困惑してしまった。

「えっと……何のキャラクターです?」

「わかんない。でも、その子を見た時、なんかりょうちゃんにあげなきゃって思って」

「これが僕……本当に?」

「まぁ、本当は雑貨屋さんのキャンペーンのために値段調整したんだけどね」

「そ、そうか」

「ただ、値段調整する上でりょうちゃんっぽいのを買ったのは本当だよ?」

 それが嬉しい事実かと言われると何とも言えない。
 けれども、明莉がしっかり選んでくれたのならこの謎のキャラクターも少し可愛く見えてくる。

「……あれ? 値段調整するなら桜庭くんに買ってあげれば良かったんじゃないの?」

「それは……りょうちゃん、忙しそうだからちょっとは癒しが欲しいかと思って。机にでも飾って眺めてみるといいんじゃない?」

「明莉……ありがとう、大事にする」

「えっ。今のはわりと適当に言ったんだけど……」

「いや、明莉の想いはしっかり受け取った!」

 その後も僕が勝手に良い物のようにしていくから、明莉はハードルを下げようと色々言っていたけど、僕は嬉しさの方が勝ってあまり聞いていなかった。
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