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3年生2学期
9月23日(土)曇り 清水夢愛と産賀良助Ⅱ
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土曜の祝日となった秋分の日。
本日は文化祭で提出する作品の仕上げに費やしたけど、朝だけは清水先輩の散歩に付き合っていた。
学年どころか学校が違うので当然なんだけど、前に会った日から結構時間が空いていた。
「体育祭も見に行けば良かったんだが、その日は用事があったからなぁ。でも、文化祭は絶対に行く予定だぞ。良助の集大成でもあるし」
「そこまで言われるほどではないと思いますけど、来てもらえるなら嬉しいです」
歩きながらまずは僕の方の近況報告を済ませていく。
文化祭が終わった後には、例の勉強を見てもらう話も進めていくつもりだったけど、それを話した時に清水先輩の反応は以前と少し違っていた。
そして、清水先輩の近況を話す番になった時、清水先輩は活き活きと話し出す。
「良助。私、子どもと触れ合うのが得意かもしれない」
「えっ? まさかいつかのように公園で子ども達に混ざったんですか……?」
「違う。ほら、前に大学の知人の誘いでボランティアへ行く予定だって言ったじゃないか。その時、私は大人気だったんだぞ?」
「あっ、その話ですか。大人気っていうのは……遊び相手として好評だったってことですか?」
「それもあるし、ちゃんと言う事も聞いてくれたんだ。今まで合法的に遊ぶ機会なんてなかったから、私にこんな才能があるとは思わなかったよ」
言い方は少し引っかかったけど、どうやら清水先輩は子どもとの触れ合いに新しい何かを見つけたようだ。
それがいつものように一時的な興味であるなら、この話は終わりだけれど……
「だから、私が目指すべきところが少し見えてきたかもしれない」
「そ、それって、もしかして……」
「ああ。子どもと遊ぶ専門の人を目指したい」
「なんですかそれ!? この流れだと先生になるとかじゃないんですか!?」
「いや、先生は柄じゃないし、私は教えるんじゃなく遊びたいだけだから……」
「これから清水先輩に教わる可能性があるのに」
「もちろん、良助に教える時はちゃんとやる気を出すよ。でも、ずっと教え続ける立場になれるかと言われたら……ちょっと違うような気もする」
そう言いながら清水先輩は少し悩んでいるようにも見えた。
清水先輩自身も自分が飽き性なのは知っているからこそ、安易に先生になるとは言えないのかもしれない。
実際、保育園にしろ、義務教育の学校にしろ、先生や教師という立場は凄く大変だと聞く。
「でもまぁ……子どもと触れ合うのがいい感じだったのは事実なんだ。だから、やりたいことの一つとしてストックしておこうと思う」
「なるほど。すごくいいと思います」
「良かった。どうせ飽きるんじゃないかと言われるかと思ってた」
「僕はそこまでは厳しくないですよ。ただ、桜庭先輩には子どもと遊ぶ専門の人とかは言わない方がいいと思います」
「それはわかってる。良助だから言ってみた」
謎の信頼を向けられているけど、清水先輩としては誰かに話してみたかったことなのだと僕は思う。
夏休みの時は桜庭先輩も心配していたけど、清水先輩は少しずつ新しい何かを見つけているようだ。
本日は文化祭で提出する作品の仕上げに費やしたけど、朝だけは清水先輩の散歩に付き合っていた。
学年どころか学校が違うので当然なんだけど、前に会った日から結構時間が空いていた。
「体育祭も見に行けば良かったんだが、その日は用事があったからなぁ。でも、文化祭は絶対に行く予定だぞ。良助の集大成でもあるし」
「そこまで言われるほどではないと思いますけど、来てもらえるなら嬉しいです」
歩きながらまずは僕の方の近況報告を済ませていく。
文化祭が終わった後には、例の勉強を見てもらう話も進めていくつもりだったけど、それを話した時に清水先輩の反応は以前と少し違っていた。
そして、清水先輩の近況を話す番になった時、清水先輩は活き活きと話し出す。
「良助。私、子どもと触れ合うのが得意かもしれない」
「えっ? まさかいつかのように公園で子ども達に混ざったんですか……?」
「違う。ほら、前に大学の知人の誘いでボランティアへ行く予定だって言ったじゃないか。その時、私は大人気だったんだぞ?」
「あっ、その話ですか。大人気っていうのは……遊び相手として好評だったってことですか?」
「それもあるし、ちゃんと言う事も聞いてくれたんだ。今まで合法的に遊ぶ機会なんてなかったから、私にこんな才能があるとは思わなかったよ」
言い方は少し引っかかったけど、どうやら清水先輩は子どもとの触れ合いに新しい何かを見つけたようだ。
それがいつものように一時的な興味であるなら、この話は終わりだけれど……
「だから、私が目指すべきところが少し見えてきたかもしれない」
「そ、それって、もしかして……」
「ああ。子どもと遊ぶ専門の人を目指したい」
「なんですかそれ!? この流れだと先生になるとかじゃないんですか!?」
「いや、先生は柄じゃないし、私は教えるんじゃなく遊びたいだけだから……」
「これから清水先輩に教わる可能性があるのに」
「もちろん、良助に教える時はちゃんとやる気を出すよ。でも、ずっと教え続ける立場になれるかと言われたら……ちょっと違うような気もする」
そう言いながら清水先輩は少し悩んでいるようにも見えた。
清水先輩自身も自分が飽き性なのは知っているからこそ、安易に先生になるとは言えないのかもしれない。
実際、保育園にしろ、義務教育の学校にしろ、先生や教師という立場は凄く大変だと聞く。
「でもまぁ……子どもと触れ合うのがいい感じだったのは事実なんだ。だから、やりたいことの一つとしてストックしておこうと思う」
「なるほど。すごくいいと思います」
「良かった。どうせ飽きるんじゃないかと言われるかと思ってた」
「僕はそこまでは厳しくないですよ。ただ、桜庭先輩には子どもと遊ぶ専門の人とかは言わない方がいいと思います」
「それはわかってる。良助だから言ってみた」
謎の信頼を向けられているけど、清水先輩としては誰かに話してみたかったことなのだと僕は思う。
夏休みの時は桜庭先輩も心配していたけど、清水先輩は少しずつ新しい何かを見つけているようだ。
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