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3年生夏休み
8月18日(金)曇り時々晴れ 大山亜里沙の夏焦りその2
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夏休み28日目の米の日。
本日から塾の集中講義が再開されて、僕は午前中から参加する。
講義室内では久しぶりの再会を喜ぶ人達もいたけど……
「あっ……うぶクン、ミチ。こんにちは……」
大山さんは先日の件があったせいか、少し他人行儀な挨拶をする。
しかし、そんなことをしてしまうと重森さんは黙っていない。
「えっ、どしたの亜里沙。なんかあった?」
「う、ううん。ほら、久しぶりに会うからどんなテンションで話そうかちょっと迷っただけ」
「もう2年以上の付き合いなのにそんなことあるの?」
「あ、あったんだから仕方ないでしょ!」
大山さんは何とかして誤魔化そうとするけど、いつものような調子は出ていない。
「そんな言い方しなくてもいいじゃん。心配してるのに……」
「別に心配してもらうようなことなんか……」
「あーはいはい。私が気にし過ぎただけですよー」
大山さんの態度に重森さんはやや不満そうな反応を見せる。
明らかに悪い空気が流れ始めてしまったので、どうしようかと僕は焦り始めるけど、先に動いたのは路ちゃんだった。
「あ、亜里沙ちゃん!」
ただ、急に大山さんのことを抱き締めるとは思わなかった。
「ど、どしたのミチ!?」
「い、いや……久しぶりに会った喜びのハグ……的な?」
「なに……」
「……大丈夫だよ」
路ちゃんは小さな声でそう言いながら大山さんの肩を撫でた。
すると、大山さんの表情が少し柔らかくなる。
「……そっかぁ。ミチはアタシに会えてそんなに嬉しかったんだ~」
「うん。もちろん、美里ちゃんも」
「えっ。じゃあ、私にもハグくれるの?」
「えっと……」
「なんで私は考えるのさ」
「日頃の行いでしょ」
「いいもん! こっちから行ってやる!」
そう言うと、重森さんは2人に混ざってお互いのさすったり、抱き寄せたりしていた。
路ちゃんがこれを狙っていたかはわからないけど、結果的に空気を和ませることには成功したようだ。
「産賀くん、羨ましそうに見ているけど、さすがに混ぜてあげられないよ?」
「そ、そんな風には見てない! 断じて!」
僕の言葉もオチになって笑ってもらえたので、ひとまず今日は平和に終わった。
でも、大山さんの心が本当に落ち着くまではまだ時間が必要なのかもしれない。
本日から塾の集中講義が再開されて、僕は午前中から参加する。
講義室内では久しぶりの再会を喜ぶ人達もいたけど……
「あっ……うぶクン、ミチ。こんにちは……」
大山さんは先日の件があったせいか、少し他人行儀な挨拶をする。
しかし、そんなことをしてしまうと重森さんは黙っていない。
「えっ、どしたの亜里沙。なんかあった?」
「う、ううん。ほら、久しぶりに会うからどんなテンションで話そうかちょっと迷っただけ」
「もう2年以上の付き合いなのにそんなことあるの?」
「あ、あったんだから仕方ないでしょ!」
大山さんは何とかして誤魔化そうとするけど、いつものような調子は出ていない。
「そんな言い方しなくてもいいじゃん。心配してるのに……」
「別に心配してもらうようなことなんか……」
「あーはいはい。私が気にし過ぎただけですよー」
大山さんの態度に重森さんはやや不満そうな反応を見せる。
明らかに悪い空気が流れ始めてしまったので、どうしようかと僕は焦り始めるけど、先に動いたのは路ちゃんだった。
「あ、亜里沙ちゃん!」
ただ、急に大山さんのことを抱き締めるとは思わなかった。
「ど、どしたのミチ!?」
「い、いや……久しぶりに会った喜びのハグ……的な?」
「なに……」
「……大丈夫だよ」
路ちゃんは小さな声でそう言いながら大山さんの肩を撫でた。
すると、大山さんの表情が少し柔らかくなる。
「……そっかぁ。ミチはアタシに会えてそんなに嬉しかったんだ~」
「うん。もちろん、美里ちゃんも」
「えっ。じゃあ、私にもハグくれるの?」
「えっと……」
「なんで私は考えるのさ」
「日頃の行いでしょ」
「いいもん! こっちから行ってやる!」
そう言うと、重森さんは2人に混ざってお互いのさすったり、抱き寄せたりしていた。
路ちゃんがこれを狙っていたかはわからないけど、結果的に空気を和ませることには成功したようだ。
「産賀くん、羨ましそうに見ているけど、さすがに混ぜてあげられないよ?」
「そ、そんな風には見てない! 断じて!」
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でも、大山さんの心が本当に落ち着くまではまだ時間が必要なのかもしれない。
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