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3年生夏休み
8月13日(日)晴れ 祖父母宅での夏休みⅢその2
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夏休み23日目の左利きの日。
いつも通り祖父母の家にいる間はのんびりとしていたけど、今回はじいちゃんの様子が少し気にしながらの滞在になった。
「良助と明莉、少しいいかい?」
そんな中、帰りの準備をする前にばあちゃんが僕と明莉に声をかける。
「どうしたの?」
「いや、今年は2人とも同じ学校にいるから、運動会か文化祭のどっちかに顔を出そうと思っててねぇ。いつ開催するか教えてもらっていいかい?」
「来てくれるんだ! えっと、体育祭は……いつだっけ?」
「ちょ、ちょっと待って」
急に言われたので僕も日付は把握してなかったので、スマホで年間予定を調べる。
例年通り体育祭は9月、文化祭は10月の開催予定だった。
「そうかい。さすがにどっちも行くのは大変そうだから……どっちがおすすめだい?」
「それはもちろん……文化祭じゃない? りょうちゃんは文芸部最後だし」
「えっ? そうだけど、明莉は体育祭の方が……」
「いやいや。あかりもバド部でお店出すだろうし、それに……10月の方が来やすいと思うから」
明莉はそう言いながら少し離れた位置にいるじいちゃんに視線を向ける。
そうか。じいちゃんのための気遣いでもあったのか。
「あと、ばあちゃん的には文芸部の方が興味あるでしょ?」
「そんなことはないよ。明莉が運動会で活躍するのを見るのも好きだったからねぇ」
「おばあちゃんが見に来てたのっていつ頃?」
「小学校の時に運動会は2回ほど見に行ってたよ。その時は発表会も見に行けてたけど、今はばあちゃんも腰が重くなってしまって」
「そっかぁ。まぁ、おじいちゃんと相談してからでいいけど、明莉的にも文化祭がおすすめ! りょうちゃんもそうでしょ?」
「う、うん。今年は2年生が主導になるけど、僕も作品を出したり、当日に展示案内したりするから」
「それならそうさせてもらおうかねぇ。楽しみにしているよ」
それからじいちゃんにもその話をしたところ、文化祭の方に参加する予定になった。
明莉の気遣いにすぐ気付けなかったのは少し反省するけど、2人が来てくれるのは純粋に嬉しい。
文化祭を楽しんでもらうためにも……僕は自分の作品をがんばって仕上げよう。
いつも通り祖父母の家にいる間はのんびりとしていたけど、今回はじいちゃんの様子が少し気にしながらの滞在になった。
「良助と明莉、少しいいかい?」
そんな中、帰りの準備をする前にばあちゃんが僕と明莉に声をかける。
「どうしたの?」
「いや、今年は2人とも同じ学校にいるから、運動会か文化祭のどっちかに顔を出そうと思っててねぇ。いつ開催するか教えてもらっていいかい?」
「来てくれるんだ! えっと、体育祭は……いつだっけ?」
「ちょ、ちょっと待って」
急に言われたので僕も日付は把握してなかったので、スマホで年間予定を調べる。
例年通り体育祭は9月、文化祭は10月の開催予定だった。
「そうかい。さすがにどっちも行くのは大変そうだから……どっちがおすすめだい?」
「それはもちろん……文化祭じゃない? りょうちゃんは文芸部最後だし」
「えっ? そうだけど、明莉は体育祭の方が……」
「いやいや。あかりもバド部でお店出すだろうし、それに……10月の方が来やすいと思うから」
明莉はそう言いながら少し離れた位置にいるじいちゃんに視線を向ける。
そうか。じいちゃんのための気遣いでもあったのか。
「あと、ばあちゃん的には文芸部の方が興味あるでしょ?」
「そんなことはないよ。明莉が運動会で活躍するのを見るのも好きだったからねぇ」
「おばあちゃんが見に来てたのっていつ頃?」
「小学校の時に運動会は2回ほど見に行ってたよ。その時は発表会も見に行けてたけど、今はばあちゃんも腰が重くなってしまって」
「そっかぁ。まぁ、おじいちゃんと相談してからでいいけど、明莉的にも文化祭がおすすめ! りょうちゃんもそうでしょ?」
「う、うん。今年は2年生が主導になるけど、僕も作品を出したり、当日に展示案内したりするから」
「それならそうさせてもらおうかねぇ。楽しみにしているよ」
それからじいちゃんにもその話をしたところ、文化祭の方に参加する予定になった。
明莉の気遣いにすぐ気付けなかったのは少し反省するけど、2人が来てくれるのは純粋に嬉しい。
文化祭を楽しんでもらうためにも……僕は自分の作品をがんばって仕上げよう。
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