844 / 942
3年生夏休み
7月26日(水)晴れ 清水夢愛との夏散歩Ⅲ
しおりを挟む
夏休み中5日目の幽霊の日。
この日の朝は清水先輩と一緒に散歩へ出かけた。
夏休みの時には毎回感じているけど、朝早くても既に焼けるような暑さと日差しが降り注いでいる。
「というか、清水先輩ってまだ夏休みじゃないんですよね?」
「ああ。でも、水曜は1限はテストじゃなくてレポートの提出だからこの時間は空いてたんだ」
「へー……テスト?」
「うん。夏休みに入る前だからテスト期間」
「マジですか!? 散歩なんてしてていいんですか!?」
「むしろ、朝くらいしか散歩する時間ないだろう。日中なんて外を歩けたもんじゃないぞ」
「そっちじゃなくて……」
「心配しなくてもテストやレポートはしっかりやるさ。小織にもギリギリまで授業に出なくてもいいから単位だけは絶対に落とさないようにと言われてるし」
それは清水先輩に限らず全ての大学生に言えることだろうけど、まさかテスト期間中だとは思わなかった。
「さすがに余裕がなかったら私も朝からテスト勉強やレポート製作してるよ」
「それは確かに……ちなみに清水先輩的には大学のテストも軽々こなせてるんですか?」
「軽々ではないが、今のところは全部手応えあるよ。教えられた範囲しか出ないわけだし」
「おお……」
「それよりもレポートの方が厄介かもしれない。正直、こんなに長い文章を書けと言われたのはいつかやったような気がする小論文以来だから」
「そうなんですか」
「うん。良助は日記なり文芸部の活動なりでそこそこ文章を書いているんだろうけど、普通はそんなに書かなくないか? それとも私が高校時代に宿題をサボってて書いてないだけ?」
「言われてみると僕も今言われたこと以外で長い文章を書いてないかもしれません」
「そうだろう? だから、ちょっと詰まったりすることがあるんだ。文字数足りないとそもそも見てもらえないし」
そう言いながら清水先輩は少し考えるような表情を見せたので、苦戦しているのは本当のようだ。
「そうだ! 前言ってた良助の勉強を見る代わりに私のレポートの書き方を見てもらうっていうのは……」
「それじゃあ提出期限に間に合わないと思いますし……勉強を見てもらう件はまだ検討中です」
「むぅ、それもそうか。まぁ、レポートの方は自分で何とかするよ」
清水先輩が突然その話を振ってきたので、僕は少し焦ってしまった。
結局、どうすべきか決められていないし、一番大事な路ちゃんにも相談できていない。
清水先輩の方も夏休みが始まったらまた聞いてきそうだから、今度はちゃんと答えを用意しておかなければ。
この日の朝は清水先輩と一緒に散歩へ出かけた。
夏休みの時には毎回感じているけど、朝早くても既に焼けるような暑さと日差しが降り注いでいる。
「というか、清水先輩ってまだ夏休みじゃないんですよね?」
「ああ。でも、水曜は1限はテストじゃなくてレポートの提出だからこの時間は空いてたんだ」
「へー……テスト?」
「うん。夏休みに入る前だからテスト期間」
「マジですか!? 散歩なんてしてていいんですか!?」
「むしろ、朝くらいしか散歩する時間ないだろう。日中なんて外を歩けたもんじゃないぞ」
「そっちじゃなくて……」
「心配しなくてもテストやレポートはしっかりやるさ。小織にもギリギリまで授業に出なくてもいいから単位だけは絶対に落とさないようにと言われてるし」
それは清水先輩に限らず全ての大学生に言えることだろうけど、まさかテスト期間中だとは思わなかった。
「さすがに余裕がなかったら私も朝からテスト勉強やレポート製作してるよ」
「それは確かに……ちなみに清水先輩的には大学のテストも軽々こなせてるんですか?」
「軽々ではないが、今のところは全部手応えあるよ。教えられた範囲しか出ないわけだし」
「おお……」
「それよりもレポートの方が厄介かもしれない。正直、こんなに長い文章を書けと言われたのはいつかやったような気がする小論文以来だから」
「そうなんですか」
「うん。良助は日記なり文芸部の活動なりでそこそこ文章を書いているんだろうけど、普通はそんなに書かなくないか? それとも私が高校時代に宿題をサボってて書いてないだけ?」
「言われてみると僕も今言われたこと以外で長い文章を書いてないかもしれません」
「そうだろう? だから、ちょっと詰まったりすることがあるんだ。文字数足りないとそもそも見てもらえないし」
そう言いながら清水先輩は少し考えるような表情を見せたので、苦戦しているのは本当のようだ。
「そうだ! 前言ってた良助の勉強を見る代わりに私のレポートの書き方を見てもらうっていうのは……」
「それじゃあ提出期限に間に合わないと思いますし……勉強を見てもらう件はまだ検討中です」
「むぅ、それもそうか。まぁ、レポートの方は自分で何とかするよ」
清水先輩が突然その話を振ってきたので、僕は少し焦ってしまった。
結局、どうすべきか決められていないし、一番大事な路ちゃんにも相談できていない。
清水先輩の方も夏休みが始まったらまた聞いてきそうだから、今度はちゃんと答えを用意しておかなければ。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる