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3年生1学期
6月18日(日)晴れ 清水夢愛と産賀良助その5
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快晴の空が広がった父の日。
今年も昨日の父さんの誕生日と合わせて父の日を祝うことになり、昼食はハンバーグステーキ系のレストランへ行った。
毎度のことながら明莉の意見を反映しているけど、主役がそうしたいのなら周りは文句を言えない。
「おお、良助じゃないか」
そんなレストランに到着した直後に、後ろから聞き覚えのある声が聞こえる。
振り返るとそこには清水先輩と……そのご両親がいた。
「あっ、清水さんだ。お久しぶりでーす。あれ? もしかしなくても私とは母の日以来ですか?」
「おお、確かに。それで父の日に会うなんてすごい偶然だ」
「これは何か運命的なものを感じますよ」
「こら、明莉。清水先輩の家族も待ってるから」
「えー りょう……お兄ちゃんもちょっとくらい話せばいいのにー」
明莉はそう言うけど、僕は軽く会釈してその場を離れた。
そうしたのは清水先輩とご両親との時間を邪魔したくなかったのもあるけど……初めてご両親を見て少し緊張したのもあった。
清水先輩とご両親は前に少しだけ見かけたことはあったけど、まともに対面したのはこの日が初めてだったと思う。
その時も同じ感想を書いたかもしれないけど……清水先輩と比べて真面目な印象がある両親だ。
「良助……さっきのは文芸部の先輩かい?」
「えっと……まぁ、うん」
「そうか。じゃあ、いつもお世話になってると挨拶すれば……」
「い、いいから。本日の主役はゆったり構えていて」
父さんからの問いかけに僕は思わず嘘を付いてしまう。
清水先輩は母さんとは会っているけど、父さんは少し耳に挟んだことがある程度だろう。
そこから清水先輩のことを説明するとたぶんややこしくなる。
「お父さん、お誕生日おめでとうー プレゼント&ケーキは帰ってからのお楽しみとして、今日はガンガンお肉食べちゃおー!」
「おー!」
進行は明莉に任せながら父さんを祝う昼食は和やかに進んでいった。
なんやかんや本格的なハンバーグを食べるのは久しぶりだったので、誕生日と父の日には感謝しかない。
「良助」
「うわぁ!? 清水先輩!?」
「す、すまん。でも、ちょっといいか?」
しかし、ちょうど食べ終わったタイミングで清水先輩がわざわざ僕らがいる席までやって来る。
「ど、どうしたんですか?」
「いい機会だから良助を紹介しようと思って。すみません、ちょっと良助くんを借りてもいいですか?」
「どうぞどうぞ」
「おい、明莉……」
「なんだかわからないけど、行ってあげたらいいんじゃないか?」
明莉だけじゃなく父さんにまでそう言われてしまったので、僕は席を立って清水先輩について行く。
ただ、清水先輩が僕のことをどう紹介するかさっぱりわからないし、それに合わせていきなり話せる内容も思い浮かびそうにない。
「お待たせ、お父さん、お母さん。この人が……産賀良助くん。高校時代に色々お世話になった」
「ど、どうも。僕の方も清水先輩には大変お世話になり……」
「…………」
「…………」
僕の言葉に対して清水先輩のご両親は少しきょとんとした表情で見てくる。
なんで急にこの子を紹介したの……とか、そんな感じが伝わってきた。
「うん? どうしたの2人とも……」
「い、いえ。話には聞いていたけど、本当に年下の男の子だったのね」
「そこを疑ってたの?」
「僕は疑ってはいなかったが……こう、面と向かって紹介されると、どうしたらいいものか……その。キミは夢愛のことをどう思っているんだい?」
「え、ええっ!?」
「お父さん。だから、違うんだって。良助……くんは普通に後輩の友達。今は彼女もいるんだから」
「まぁ、そうだったの? それならどうして――」
「ああ、ストップ。今日はここまで。それじゃ、もう一回戻るまで待ってて」
僕が口を挟む間もなく、清水先輩は僕をご両親から引き離していく。
「……すまん、良助。私は普通に紹介したかったんだが、変な感じになって」
「い、いえ。というか、僕のこと話してたんですね」
「それはもちろん。2人ときちんと話せるようになったきっかけを与えてくれた人だって。ただ、聞いてる時はどこかふんわりとした反応で……まさか存在すら疑っていたとは」
「あはは……」
「まぁでも、一度見てくれたら私も満足だ。本当にすまんな、良助。父の日の貴重な時間を」
「いえいえ……僕も清水先輩とご両親がしっかり話せてるところを見られて良かったです」
「そうか。それじゃあ、また今度」
それから産賀家の席に戻ると、色々と根掘り葉掘り聞かれてしまった。
清水先輩とご両親の仲が良好なのは良かったと思うし、清水家内での誤解が解けたのは本当に良かった。
「良助……結構、罪な男だったりするの?」
「違うから!」
今年も昨日の父さんの誕生日と合わせて父の日を祝うことになり、昼食はハンバーグステーキ系のレストランへ行った。
毎度のことながら明莉の意見を反映しているけど、主役がそうしたいのなら周りは文句を言えない。
「おお、良助じゃないか」
そんなレストランに到着した直後に、後ろから聞き覚えのある声が聞こえる。
振り返るとそこには清水先輩と……そのご両親がいた。
「あっ、清水さんだ。お久しぶりでーす。あれ? もしかしなくても私とは母の日以来ですか?」
「おお、確かに。それで父の日に会うなんてすごい偶然だ」
「これは何か運命的なものを感じますよ」
「こら、明莉。清水先輩の家族も待ってるから」
「えー りょう……お兄ちゃんもちょっとくらい話せばいいのにー」
明莉はそう言うけど、僕は軽く会釈してその場を離れた。
そうしたのは清水先輩とご両親との時間を邪魔したくなかったのもあるけど……初めてご両親を見て少し緊張したのもあった。
清水先輩とご両親は前に少しだけ見かけたことはあったけど、まともに対面したのはこの日が初めてだったと思う。
その時も同じ感想を書いたかもしれないけど……清水先輩と比べて真面目な印象がある両親だ。
「良助……さっきのは文芸部の先輩かい?」
「えっと……まぁ、うん」
「そうか。じゃあ、いつもお世話になってると挨拶すれば……」
「い、いいから。本日の主役はゆったり構えていて」
父さんからの問いかけに僕は思わず嘘を付いてしまう。
清水先輩は母さんとは会っているけど、父さんは少し耳に挟んだことがある程度だろう。
そこから清水先輩のことを説明するとたぶんややこしくなる。
「お父さん、お誕生日おめでとうー プレゼント&ケーキは帰ってからのお楽しみとして、今日はガンガンお肉食べちゃおー!」
「おー!」
進行は明莉に任せながら父さんを祝う昼食は和やかに進んでいった。
なんやかんや本格的なハンバーグを食べるのは久しぶりだったので、誕生日と父の日には感謝しかない。
「良助」
「うわぁ!? 清水先輩!?」
「す、すまん。でも、ちょっといいか?」
しかし、ちょうど食べ終わったタイミングで清水先輩がわざわざ僕らがいる席までやって来る。
「ど、どうしたんですか?」
「いい機会だから良助を紹介しようと思って。すみません、ちょっと良助くんを借りてもいいですか?」
「どうぞどうぞ」
「おい、明莉……」
「なんだかわからないけど、行ってあげたらいいんじゃないか?」
明莉だけじゃなく父さんにまでそう言われてしまったので、僕は席を立って清水先輩について行く。
ただ、清水先輩が僕のことをどう紹介するかさっぱりわからないし、それに合わせていきなり話せる内容も思い浮かびそうにない。
「お待たせ、お父さん、お母さん。この人が……産賀良助くん。高校時代に色々お世話になった」
「ど、どうも。僕の方も清水先輩には大変お世話になり……」
「…………」
「…………」
僕の言葉に対して清水先輩のご両親は少しきょとんとした表情で見てくる。
なんで急にこの子を紹介したの……とか、そんな感じが伝わってきた。
「うん? どうしたの2人とも……」
「い、いえ。話には聞いていたけど、本当に年下の男の子だったのね」
「そこを疑ってたの?」
「僕は疑ってはいなかったが……こう、面と向かって紹介されると、どうしたらいいものか……その。キミは夢愛のことをどう思っているんだい?」
「え、ええっ!?」
「お父さん。だから、違うんだって。良助……くんは普通に後輩の友達。今は彼女もいるんだから」
「まぁ、そうだったの? それならどうして――」
「ああ、ストップ。今日はここまで。それじゃ、もう一回戻るまで待ってて」
僕が口を挟む間もなく、清水先輩は僕をご両親から引き離していく。
「……すまん、良助。私は普通に紹介したかったんだが、変な感じになって」
「い、いえ。というか、僕のこと話してたんですね」
「それはもちろん。2人ときちんと話せるようになったきっかけを与えてくれた人だって。ただ、聞いてる時はどこかふんわりとした反応で……まさか存在すら疑っていたとは」
「あはは……」
「まぁでも、一度見てくれたら私も満足だ。本当にすまんな、良助。父の日の貴重な時間を」
「いえいえ……僕も清水先輩とご両親がしっかり話せてるところを見られて良かったです」
「そうか。それじゃあ、また今度」
それから産賀家の席に戻ると、色々と根掘り葉掘り聞かれてしまった。
清水先輩とご両親の仲が良好なのは良かったと思うし、清水家内での誤解が解けたのは本当に良かった。
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