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3年生1学期
6月12日(月)曇り時々雨 真治と瑞姫の日常その3
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梅雨らしい空で始まった恋人の日。
前にも似たような記念日があったような気がするけど、結構前から設定された記念日らしい。
そして、ネタ的にも被ってしまうかもしれないけど、また本田くんと栗原さんの日常を少しだけ記しておこうと思う。
「真ちゃん~ この前のあれさー」
「ああ、それは――」
その日の休み時間、栗原さんは後ろから本田くんに抱き着きながら絡んでいた。
スキンシップが激しいのは元からだったような気がするけど、最近はさらに激しくなったように思う。
「たぶん、喧嘩を乗り越えてより絆が深まったやつだぜ」
「ま、バトル漫画の主人公みたいだ」
「いや、クラさん。そこはラブコメ漫画じゃないんか」
本田くんと大倉くんはそんな感想を漏らす。
見ている側も慣れてきたので、驚くことは少なくなった。
「……なんだお前達。そのニヤついた目付きは」
「言わせんなよ。今日も熱々なところ見せつけちゃって」
「見せつけたつもりはないんだが……実は結構悩んでるんだ。嬉しくないわけじゃないけど、遠慮はして欲しい。だが、やめろとは言いづらい」
「贅沢な悩みだなぁ。俺なんか茉奈ちゃん側から抱き着かれるなんて早々ないことだよ?」
「良ちゃんと倉さん、何かいい方法はないか?」
「良ちゃんはともかく俺を無視して倉さんに聞くの!?」
松永のツッコミをスルーして僕と倉さんも考え始めるけど……松永と同じく少し贅沢な悩みだとは思ってしまう。
けれども、本田くんが悩んでいるなら何か解決策を――
「羨ましいから別にいいじゃん!」
「く、倉さん?」
「周りも慣れてきてるし、もう見せつけちゃえばいいよ! 文句いう奴もいないでしょ!」
「だ、だがしかし……」
「そういう奥ゆかしさ担当は産賀くん達担当でいいから!」
「えっ。僕は――」
「わ、わかった。オレが小さいことで悩み過ぎていたようだ」
「そうそう。ぽんちゃんは変なところで頭が固いんだからぁ」
「あのー……」
「ただ、あまりにも目に余るようなら言ってくれ。オレも風紀を乱すのは好ましく思わないから」
それに対して大倉くんと松永が頷いてしまったので、本田くんの話は終わってしまった。
まぁ、悩みは解決したみたいだから良かったけど……僕らは奥ゆかしい担当と思われているのは何とも言えない気持ちになった。
前にも似たような記念日があったような気がするけど、結構前から設定された記念日らしい。
そして、ネタ的にも被ってしまうかもしれないけど、また本田くんと栗原さんの日常を少しだけ記しておこうと思う。
「真ちゃん~ この前のあれさー」
「ああ、それは――」
その日の休み時間、栗原さんは後ろから本田くんに抱き着きながら絡んでいた。
スキンシップが激しいのは元からだったような気がするけど、最近はさらに激しくなったように思う。
「たぶん、喧嘩を乗り越えてより絆が深まったやつだぜ」
「ま、バトル漫画の主人公みたいだ」
「いや、クラさん。そこはラブコメ漫画じゃないんか」
本田くんと大倉くんはそんな感想を漏らす。
見ている側も慣れてきたので、驚くことは少なくなった。
「……なんだお前達。そのニヤついた目付きは」
「言わせんなよ。今日も熱々なところ見せつけちゃって」
「見せつけたつもりはないんだが……実は結構悩んでるんだ。嬉しくないわけじゃないけど、遠慮はして欲しい。だが、やめろとは言いづらい」
「贅沢な悩みだなぁ。俺なんか茉奈ちゃん側から抱き着かれるなんて早々ないことだよ?」
「良ちゃんと倉さん、何かいい方法はないか?」
「良ちゃんはともかく俺を無視して倉さんに聞くの!?」
松永のツッコミをスルーして僕と倉さんも考え始めるけど……松永と同じく少し贅沢な悩みだとは思ってしまう。
けれども、本田くんが悩んでいるなら何か解決策を――
「羨ましいから別にいいじゃん!」
「く、倉さん?」
「周りも慣れてきてるし、もう見せつけちゃえばいいよ! 文句いう奴もいないでしょ!」
「だ、だがしかし……」
「そういう奥ゆかしさ担当は産賀くん達担当でいいから!」
「えっ。僕は――」
「わ、わかった。オレが小さいことで悩み過ぎていたようだ」
「そうそう。ぽんちゃんは変なところで頭が固いんだからぁ」
「あのー……」
「ただ、あまりにも目に余るようなら言ってくれ。オレも風紀を乱すのは好ましく思わないから」
それに対して大倉くんと松永が頷いてしまったので、本田くんの話は終わってしまった。
まぁ、悩みは解決したみたいだから良かったけど……僕らは奥ゆかしい担当と思われているのは何とも言えない気持ちになった。
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