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3年生1学期
4月26日(水)雨のち晴れ 塾での日常その2
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雨の空を脱した風呂の日。
塾の講師から講義が始まる前に今回のGWについて少し触れられる。
塾はもちろん通常通り行われるのに加えて、3日から6日にかけて集中講義が行う予定らしい。
参加は自由だけど、1年生から2年生の範囲を復習できるような内容なので、遊びに行ってしまいそうな人は是非とも参加して欲しいと言われる。
「3人は集中講義行くカンジ?」
休憩時間は当然ながらその話題で、大山さんが先んじて聞いてくる。
最初に答えたのは重森さんだった。
「全部参加は無理かもしれないけど、数日は行こうかなぁ。たぶん、おばあちゃん家に顔を見せなきゃいけないタイミングあるし」
「アタシは今のところ何も無さそうだから全部参加したいケド……ミチとうぶクンは?」
そう聞かれると路ちゃんは一瞬僕の方を確認した後、喋り出す。
「わたしもなるべく参加する予定。勉強するいい機会だし」
「僕も……たぶん何もないはずだから」
「みんな真面目だなー これじゃあ、私がちょっとサボってる感じになるじゃん」
「そ、そんなつもりはなかったのだけれど……」
「いやいや、冗談だって。みーちゃんは真面目かわいいなぁ」
重森さんはそう言いながら路ちゃんにボディタッチしようとしたけど、すかさず大山さんが間に入る。
「なるー 結構参加するカンジなら、アタシだけ行ってボッチになることはないか」
「もう、なんで邪魔するの」
「アタシの目が黒いうちは手は出させないよ」
「亜里沙はどういう立場なんよー」
「そりゃあ……なんだろうね?」
大山さんの反応に対して、重森さんと路ちゃんは思わず笑い出す。
そうなると、僕が会話から外れてしまいそうになるけど、大山さんはそれに気付いたのかすぐに話題を戻した。
「ともかく、GWもみんなで頑張ろうって話!」
「別に強引にまとめなくても」
「いや、話を振ったから一区切りつけないと。勉強は自分のためにやるものだケド、知ってる子がいた方がなんだかんだやりやすいし確認したかったの」
「まー 亜里沙は結構寂しがりやだもんね」
「そ、そんなことないし……ねぇ?」
「えっと……ちょっとはあるのかも?」
「み、ミチまでそう思ってたの!?」
その流れで僕にも話を振られるかと思ったけど、大山さんの質問はそこで止まった。
でも、こういう自主的に参加するもので、全く知り合いがいないと不安になる気持ちはよくわかる。
今年のGWは受験意識を高められる日々になりそうだ。
塾の講師から講義が始まる前に今回のGWについて少し触れられる。
塾はもちろん通常通り行われるのに加えて、3日から6日にかけて集中講義が行う予定らしい。
参加は自由だけど、1年生から2年生の範囲を復習できるような内容なので、遊びに行ってしまいそうな人は是非とも参加して欲しいと言われる。
「3人は集中講義行くカンジ?」
休憩時間は当然ながらその話題で、大山さんが先んじて聞いてくる。
最初に答えたのは重森さんだった。
「全部参加は無理かもしれないけど、数日は行こうかなぁ。たぶん、おばあちゃん家に顔を見せなきゃいけないタイミングあるし」
「アタシは今のところ何も無さそうだから全部参加したいケド……ミチとうぶクンは?」
そう聞かれると路ちゃんは一瞬僕の方を確認した後、喋り出す。
「わたしもなるべく参加する予定。勉強するいい機会だし」
「僕も……たぶん何もないはずだから」
「みんな真面目だなー これじゃあ、私がちょっとサボってる感じになるじゃん」
「そ、そんなつもりはなかったのだけれど……」
「いやいや、冗談だって。みーちゃんは真面目かわいいなぁ」
重森さんはそう言いながら路ちゃんにボディタッチしようとしたけど、すかさず大山さんが間に入る。
「なるー 結構参加するカンジなら、アタシだけ行ってボッチになることはないか」
「もう、なんで邪魔するの」
「アタシの目が黒いうちは手は出させないよ」
「亜里沙はどういう立場なんよー」
「そりゃあ……なんだろうね?」
大山さんの反応に対して、重森さんと路ちゃんは思わず笑い出す。
そうなると、僕が会話から外れてしまいそうになるけど、大山さんはそれに気付いたのかすぐに話題を戻した。
「ともかく、GWもみんなで頑張ろうって話!」
「別に強引にまとめなくても」
「いや、話を振ったから一区切りつけないと。勉強は自分のためにやるものだケド、知ってる子がいた方がなんだかんだやりやすいし確認したかったの」
「まー 亜里沙は結構寂しがりやだもんね」
「そ、そんなことないし……ねぇ?」
「えっと……ちょっとはあるのかも?」
「み、ミチまでそう思ってたの!?」
その流れで僕にも話を振られるかと思ったけど、大山さんの質問はそこで止まった。
でも、こういう自主的に参加するもので、全く知り合いがいないと不安になる気持ちはよくわかる。
今年のGWは受験意識を高められる日々になりそうだ。
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