737 / 942
3年生1学期
4月10日(月)晴れ 大倉伴憲との日常その34
しおりを挟む
日中は非常に温かくなった女性の日。
今日から来週にかけては新年度恒例の身体測定や視力検査などが行われる。
僕ら3年4組の男子は5時間目が身体測定の時間だった。
さすがに高3になるとこれ以上身長は伸びないだろうと思っていたけど……
「……0.2cmはどこへ」
まさか去年よりも縮んでいるとは思わなかった。
いや、この変動なら誤差なのかもしれないけど、縮んでいるのはちょっぴりショックを受けてしまった。
「まぁまぁ。それでも産賀くんは170cm以上あるんだしさ……」
「そ、そうか。ちなみ大倉くんは……」
「じ、実はその……0.5cm伸びてた」
「な、なんだって!? まさか成長期が……?」
「い、いや、そんなことはないと思うけどな……」
そう言いながらも大倉くんは少し嬉しそうな表情をしていた。
さすがに0.5cmの成長は大きい。
「成長期じゃないとしたら、何かやり始めたとか?」
「うーん……特に思い当たることはないかな。別に運動始めたわけじゃないし……」
「う、運動かぁ」
確かに体の成長と運動は密接にかかわっていると聞くから……僕の成長はそのせいで止まってしまったのかもしれない。
運動部じゃないのによく身長が伸びたものだと言わることはあったけど、ここで跳ね返ってきたか。
「そもそも自分から身長を測る機会がこの身体測定くらいしかないから、いつの何が原因かはわからないよ」
「それもそうか。参考にしたかったんだけどなぁ」
「いやいや、それでも産賀くんは170cm以上側の人間だし……」
「なんかその話題、去年も言ってたような気がする」
「そう簡単に変わることじゃないから。そこの意識は」
大倉くんはとても真剣そうな顔で言う。
……大倉くんと知り合ったのはこの身体測定がきっかけだったけど、あの時緊張していた大倉くんは今やこんな風に様々な表情を見せてくれる。
そんなことをふと思い出して懐かしく思って……いや、やっぱり身長が縮んだ件がショックだ。
今年こそ筋トレを始めたいところだけど……受験もあるし、ひとまず保留しよう。
今日から来週にかけては新年度恒例の身体測定や視力検査などが行われる。
僕ら3年4組の男子は5時間目が身体測定の時間だった。
さすがに高3になるとこれ以上身長は伸びないだろうと思っていたけど……
「……0.2cmはどこへ」
まさか去年よりも縮んでいるとは思わなかった。
いや、この変動なら誤差なのかもしれないけど、縮んでいるのはちょっぴりショックを受けてしまった。
「まぁまぁ。それでも産賀くんは170cm以上あるんだしさ……」
「そ、そうか。ちなみ大倉くんは……」
「じ、実はその……0.5cm伸びてた」
「な、なんだって!? まさか成長期が……?」
「い、いや、そんなことはないと思うけどな……」
そう言いながらも大倉くんは少し嬉しそうな表情をしていた。
さすがに0.5cmの成長は大きい。
「成長期じゃないとしたら、何かやり始めたとか?」
「うーん……特に思い当たることはないかな。別に運動始めたわけじゃないし……」
「う、運動かぁ」
確かに体の成長と運動は密接にかかわっていると聞くから……僕の成長はそのせいで止まってしまったのかもしれない。
運動部じゃないのによく身長が伸びたものだと言わることはあったけど、ここで跳ね返ってきたか。
「そもそも自分から身長を測る機会がこの身体測定くらいしかないから、いつの何が原因かはわからないよ」
「それもそうか。参考にしたかったんだけどなぁ」
「いやいや、それでも産賀くんは170cm以上側の人間だし……」
「なんかその話題、去年も言ってたような気がする」
「そう簡単に変わることじゃないから。そこの意識は」
大倉くんはとても真剣そうな顔で言う。
……大倉くんと知り合ったのはこの身体測定がきっかけだったけど、あの時緊張していた大倉くんは今やこんな風に様々な表情を見せてくれる。
そんなことをふと思い出して懐かしく思って……いや、やっぱり身長が縮んだ件がショックだ。
今年こそ筋トレを始めたいところだけど……受験もあるし、ひとまず保留しよう。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
僕の周りの人達には秘密がある
ノア オリバー
青春
ぼくの周りの人たちには、何か秘密がある。例えば横の席の子とか前の席の子とか。女の子に囲まれたぼくは一人一人の秘密を解決していくのだった。
「僕に話してみなよ」
これは優しい声音で聞く、優しく頼りになる彼を好きになっていく少女達の恋物語。
車椅子の僕、失声症の君
未来 馨
青春
あることが原因で車椅子での生活を送る小野寺 良(おのでら りょう)は、いよいよ高校生。入学式に緊張しながらも、そこで会ったのは声を持たない少年、飛鳥 柊真(あすか とうま)だった…。
Re:現役JKアイドルの幼馴染が何故か陰キャの俺を必死で守ってくれる話~「え? タイムリープ!? 俺が10日後に死ぬってマジっすか!?」
沙坐麻騎
青春
陰キャぼっちの俺は屋上で不良共にイジメられていた。
しかし一人の少女が颯爽と現れ、不良共を撃退してくれる。
少女は三年前に別れたっきりの幼馴染『咲崎 美玖』。
今をときめく現役の国民的JKアイドルだ。
再会した美玖は俺に向けて、いきなりこう告げる。
「――キミ、あと10日後に死んじゃうんだよ」
っと……。
どうやら美玖は俺の死亡ルートを回避するため、タイムリープしてきたみたいだ。
(全10日目で完結)
ヘルメン
赤崎火凛(吉田定理)
青春
親友・藤井が死んだ。
『ヘルメン』という謎の言葉を残して。
未発表の曲を残して。
冴えない大学生の男・西村は、友の才能と死に翻弄され、荒れた日々を過ごしていた。
選ぶのは、友情か裏切りか。
『ヘルメン』の本当の意味とは。
10秒で読めるちょっと怖い話。
絢郷水沙
ホラー
ほんのりと不条理な『ギャグ』が香るホラーテイスト・ショートショートです。意味怖的要素も含んでおりますので、意味怖好きならぜひ読んでみてください。(毎日昼頃1話更新中!)
【ショートショート】雨のおはなし
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
青春
◆こちらは声劇、朗読用台本になりますが普通に読んで頂ける作品になっています。
声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
あの日の桜‐君との六年の恋‐
鳴宮直人
青春
君は今幸せですか。
君の手を離してから何年たったのだろうか。
笑顔を思い浮かべるほど山桜が脳をよぎる。
16年前の僕にとって、掛け替えのない出会いだった。そんな出会いが変わっていくとは知らずに、、、、、
主人公·田辺佑丞は登校中に
学校の前の染井吉野と山桜の木を見上げる可憐な少女、川城結香と出会う。
桜を儚げに見つめている結香を、可憐で優姿な所に一目惚れをしてしまうのだ。
佑丞の一目惚れはどうなっていくのだろうか
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる